- Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094170610
感想・レビュー・書評
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限りなくシンプルで、ハイテクとも言える先人たちの
道具に注ぐ情熱とまなざし。パソコンの手をしばし休
めて、傾聴に値する魅力の道具考。
親本は1978年刊「道具からみた江戸の生活」
1999年文庫化。
エッセイと言うか事典のような本である。この手の本は
なかなか読みづらい。興味のあるテーマは良いが、興味
の薄い部分ではどうしても突っかかってしまう。それで
も、辛抱して読み進めると思わぬ知識を得られる。
大小版・・・太陰暦において、大の月か小の月かを表示
する木の板
迷子札・・・小判型の札で、迷子になってもわかるよう
に子供に持たせた。月番が面倒をみる。
簪 ・・・役人たるものいつも純銀の簪を持っている
べきとある。毒殺かどうかの確認に使用。
ひで鉢・・・農家が灯りをとるのに使用。松の根を削っ
て燃やす。
絵馬 ・・・かつては生き馬を奉納したのが、絵の馬に
なったという。
鉄砲 ・・・元禄の対馬藩では、800人余の猟師が
8年掛かりで3万頭のイノシシを仕留めて
撲滅したという。
銚子 ・・・長柄銚子 → 銚子 → 燗徳利
中身が変わる。
日本人は紙をうまく使っているのだなあと実感。
傘、器、笠、提灯などを造っている。渋や油を塗ってバ
ケツまで作ってしまうとは。白黒ではあるが全てに写真
があるのも良いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸時代の道具の数々の紹介。
その当時の人々の暮らしぶりや生活感が見えてきそうです。
今見ると、何に使うものか分からないものも多数登場します。
「進物切手」、「大小板」、「蚊遣」、「槍鉋」、「引札」、「判取帳」、「富山絵」、「武鑑」、「薬研」などなど。
気軽にタイムスリップできる一冊です。 -
かつて魅力的な道具たちに支えられていた魅力的な日常生活があった。
そんな道具の図鑑と言える。