くくるくる (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 95
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094512281

作品紹介・あらすじ

高校入学式の翌日、語木璃一は公園で一人の女の子に出会う。その少女は桜の木の枝に荒縄をくくりつけている。うーん、ひょっとしてこれは首吊りってやつですか?桜の花びらが降り、少女が宙に浮かぶ…と、同時にぶちんと音がして少女はそのまま落下!「げうー。もう百二十二回め!また首吊りに失敗!」-自殺を試みようとするたびに天変地異が巻き起こり絶対に死ねない少女・なゆた。そんな彼女に一目惚れしてストーキングする少年・璃一。桜の下で巡りあい"括る繰る"でクルクル回る不思議な恋物語のはじまり。

感想・レビュー・書評

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  •  終盤の「庭師」云々という西尾維新っぽい方向には行かないで欲しかったな。

  • 自殺に失敗し続ける少女とその少女を付回すストーカー少年の話.
    呪われてると言ってもいいくらいに自殺に失敗する少女.
    首を吊ると縄が切れ枝が折れ
    飛び降りると窓ふきゴンドラに落ち
    どんな方法を試しても死ねない彼女.
    巷を騒がせる連続殺人犯に殺してもらおうと犯人探しを始める始末.
    いやー,凄いね.
    面白かったよ.

  • ラストの斜め上っぷりが逆に面白かった!

  • 最後の展開は悪くはないと思うけど、読み終わった後に何も残らなかったという感じ。ワクワクドキドキというような展開ではなかったかなぁ。キャラはみんなよかったので、霧ヶ峰さんの出番がもう少し欲しかった!

  • お兄ちゃんその展開はちょっと急すぎるよ!

  • 2010 9/30読了。有隣堂で購入。
    いつも見ているラノベ書評サイトで評価が高かったので読んだ。評価に違わぬ本だった。
    『庭師』の設定とかいかにもなライトノベルだなあ、と思ったけど、そんなことどうでもいいくらいに「いまは、死ねない」の説得力がありすぎた。
    作者さんはかなりの寡作みたいだけど、ぜひこれからもまた小説を書いてほしい。

    おお、そして挿絵書いているのが友人宅ですすめられた成人コミック書いていた人か。今気付いた・・・。

  • “「事後報告になってごめん。それは謝る。けど、ぼくはただ君を知りたいだけなんだ。もっともっと君を縛る特殊体質を知りたいんだ。君は死のうと思ってる。でもどうやっても死ねない。ぼくはそれがなぜか知りたい。それが解ければ君は晴れて自殺できる。ほらね、ぼくらの利害は見事に一致する!」
    魂の叫びである。
    後世きっとゲティスバーグの演説とともに歴史の教科書に記載されることだろう。
    気がつけば、辺りは騒がしかった。
    無数の野次馬がぼくらを取り囲んでいて、なかにはケータイカメラで撮影してくるやつまでいた。遠くからは救急車だかパトカーだかのサイレンまで聞こえる。考えてみたら民家も大破してて、大量の粉塵が夜空に舞っている状態だ。やばいなあ。怪我人とか出てないだろうな。いまさらながらそんな心配が頭の片隅を巡ったけど、それもなゆたの下っ足らずな台詞でかき消された。
    「つまり、あなたはどうしてあたしが死ねないのか研究してくれてるというわけなのね?」
    なゆたはぞくぞくするような上目遣いでぼくを睨みつけてそう確認してくる。
    「その為につけ回したり、胸さわったりしたというのね?」
    とりあえず、ぼくは頷いた。
    「まあ、そうだね。胸は不可抗力だけど」”

    死にたい理由がある死にたい少女は何度も死のうとするけれど、その度『なゆたエフェクト』と名づけられた不思議現象が起きて死ぬことができない。
    彼女にストーカーまがいの行動をする少年は記述者となり彼女と行動をともにすることに。

    どういうエンドが待っているのかと思ったら現実離れしたエンドだった。
    だけど、無理矢理といった感は特にない。
    意外な展開に驚嘆し、寧ろ、納得できる部分もあったり。
    そして、二人のこれからは。

    “「死は救いだと思わない?」
    「おう、いいパンチだ。思うぜ。ときどきな」
    「どういうとき?」
    「たとえば、朝かな。朝目覚めたとき。まだ生きてるよ、俺って」
    するとなゆたは目を輝かせた。
    「あたしも思うの。寝ている間にすうっと死ねたらどんな幸せで面倒がないのだろうって。毎晩そう願っているのに、朝目覚ましが今日も始まりますよーって鳴るの。最悪なの!」
    おいおい。
    「なんで、仕方なく顔洗って、ご飯食べて、着替えて、髪とかして、家出るとストーカーがいるし。最悪なの」
    「そりゃあ最悪だな。死にたくもなるな」
    おっさんまで楽しそうに相づちを打ちやがったので、ぼくは言ってやった。
    「そんなに死にたいのなら、あなたの場合、出頭すればすぐだと思うのですけど」
    すると、Kはにやりと笑う。
    「あいにくケーサツは、麩菓子の次に嫌いなんだ」”

  • 純然たる興味でありストーカーではないと力説するけれども、しかしまごう事無きストーカーである(前半では)。にのまえの前半と後半では物語が大きく変わる展開が大好き。

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著者プロフィール

小説家。「ニトロプラス」所属。著作に『幽式』、『フェノメノ』シリーズ、『少女キネマ 或は暴想王と屋根裏姫の物語』、『黙視論』、『謎の館へようこそ 白』(共著)などがある。

「2018年 『僕だけがいない街 Another Record』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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