- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094512489
作品紹介・あらすじ
イスラとの休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオの取りなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、想いの丈を彼女にぶつける。「このまま逃げよう、クレア。ふたりで。空の果てまで-」かつての力を取り戻し、愛すべき人を救った風呼びの少女。革命によりすべてを失い、追放劇の果てにかけがえのない生を得た元皇子。ふたりの選ぶ道、未来は…。そしてイスラは「空の果て」にたどり着く。すべての謎が解き明かされる。感動のフィナーレ。
感想・レビュー・書評
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期待の方が大きかっただけに、少しばかり残念なところが目立つ。
3巻後半、4巻におよぶ壮大なクライマックスを演じることができた彼らの、その後。
無理に物語を終わらせようとする考えが見え隠れして、駆け足感が否めない。
さらに、物語を盛り上げる一端となった某人物らとの邂逅。
これまた素っ気無く描かれているため、既読の方は物足りなさを感じるだろう。
が、一冊丸々とは言わないが力いっぱい完結へと向かい、きちんと描き切った作者の意思。言葉の端々にライトノベル感が漂うが、だからこそ真っ直ぐな言葉が届きやすくなっている。
ライトノベルとしては、一級品である。
作者のこれからに期待したい。
とりあえずは、お疲れ様です。 -
アニメの方は感想サイトで確認した程度なんだけど、もったいない使い方してたんだな。
3,4巻の話を主軸に物語を組み立てるとエピローグは尺が足りなかったんだろうけど、イスラの外務長と空賊の休戦交渉やクレアとの別れで自らの出自を明かしたカル、休戦後の「空の果て」までの旅、神聖ヴァーム皇国への寄港とファナとの会合、そして海猫とカルの会話とアニメで見てみたい内容が多かったね。
次作の製作が決まったら、OVAで出してくれないかな?
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そういえば、アニメの最後は空戦していたけど、原作では大規模な艦隊を用意しての砲艦外交、つまりは黒船みたいだった筈なのにどういうことなのだろうか?次作以降と関連があるのか? -
家族との再会も感動的だけど、クレアを奪い返すために世論の全てを味方につけて旅立つカルの凄さとアリーの切なさ。
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クレアが創世神話に登場する「風呼びの少女」であることを知った空族は、彼女の身柄を引き換えに、停戦を持ちかけてきます。イスラを統治するルイス・デ・アラルコンとアメリア・セルバンテスは、空族相手にぎりぎりの交渉を続け、ついにクレアと空族の第二王子を互いに親善大使として送り出すことで合意します。
やがてクレアが出発することになり、イグナシオのとりなしでクレアと再会することになったカルエルは、そこで自分がカール・ラ・イールであることを明かし、彼女を取り戻すことを誓います。
やがてイスラは「空の果て」へと行き着いて崩壊し、カルエルたちはバレステロス共和国へと帰還することになります。そのころ、共和制に倦んでいた市民たちの間に、王制の復活を求める声が沸きあがっていました。そんな彼らの前で、カルエルは元皇子として演説をおこなうことを決めます。彼は大勢の人びとの前で、ニナ・ヴィエントを取り戻したいという思いを語ります。世紀のロマンスに人びとの熱狂はいやが上にも高まり、やがてカルエルはクレアのもとへ向かって旅立つことになります。
クレアへの想いを胸に新たな旅に出るカルエルと、そんな彼を普段と変わらない態度で送り出そうとするアリエルの別れのシーンをラストに持ってくることで、ベタついた感動を避けるのは、ライトノベルではなかなか見られない、きれいな締めくくり方になっています。 -
エピローグ巻でした。
プロローグに2冊、更にエピローグにも1冊を費やした人類資金ばりの壮大な構成は大作と呼べるのでしょう。
シリーズにおけるテーマは初めから一本だった様ですが、途中フラフラと彷徨っている印象を与えかねない展開もあり、フラストレーションが溜まったりもしました。
しかし最後は落ち着く所に落ち着いて大団円という感じです。
本巻の見所は親父さんの格好よさですかね。
"卑しさも尊さも、生まれや身分や職業にあるのではなく、こころの在り方のみにあるのだと、ミハエルはその生き方で教えてくれた"
見習いたいものです。 -
まさかこんな感じで終わるとは。追憶もそうだったけど、なんというかなんというか。でも、読者に考えさせるのは悪いことではないと思う。3人に幸せあれ!