とある飛空士への夜想曲 上 (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094512854

作品紹介・あらすじ

「美姫を守り単機敵中翔破一万二千キロ」その偉業を成し遂げたレヴァーム皇国軍の飛空士「海猫」の前に立ちはだかった最大のライバルにして、天ツ上海軍の撃墜王・千々石武夫。独断専行により一騎打ちを仕掛け、海猫に敗れた千々石は、再戦を胸に秘めていくつもの空戦場を渡る。「出てこい、海猫」激情の赴くままに撃墜を重ねる千々石のその背には、天ツ上の国民的歌手・水守美空の歌があった…。空前の大ヒットとなった『とある飛空士の追憶』の舞台、中央海戦争の顛末を描く、新たなる恋と空戦の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 追憶で主役だった「海猫」、その敵対国の撃墜王である「ビーグル」の視点で書かれた話。
    追憶を読んだのは何年か前でしたが、読み進めるほどに内容を思い出して、あのシーンのときの「ビーグル」はこんなことを考えていたのかと噛み締めるように読みました。

    相変わらず空戦のシーンが素晴らしかった。文章を追うほどに気持ちが高揚していく。あっけなく散る命に戦争の残酷さを感じながらも、撃墜王として名を馳せる「ビーグル」の活躍に心が躍る。
    ただ、やはりイラストと、いかにもラノベだなぁという女性キャラとの会話にはがっかりします。
    ラノベ以外の分野で書いてくれたら嬉しいのですが…。

  • 表紙の森沢氏のイラストがあれっ?という印象だったので、小説のほうまで心配してしまったが、全く心配無用だった(そりゃそうだ)。
    あの海猫のいるレヴァーム皇国軍を次々撃退していく帝政天ツ上。その撃墜王である千々石(ちぢわ)を主役に据えた新しい空戦の物語。「とある飛空士への追憶」の続編と言える内容でした。なんとなく10月1日公開の映画を見据えた販売戦略的作品というひねくれた考えもあったのだが、まあ事実そうだろうとしても読んでおもしろければ何も反論なし。
     しかし、もろに日米戦争的結末を予測してしまうのだが、予想外の展開はあるのだろうか。

  • 架空大日本帝国。渋め。


  • 追憶で描かれなかった、中央海戦争。
    その顛末が、天ツ上目線で描かれる。

    相変わらずの展開。
    だが、掘り下げそうな箇所をあっさり切り捨てまくっているのは頂けない。
    端折られた場面も多そうだ。
    とはいえ、物語の軸はブレてない。戦争全体を描くのはやはり難しい。

    下巻に期待したい。

  • レヴァーム皇国と戦争に入った天ツ国で、戦闘機の操縦にかけてはだれにも引けを取らない千々石武夫(ちぢわ・たけお)は、「海猫」の異名をもつ優れた敵のパイロットと出会い、彼との雌雄を決する戦いに闘志を燃やします。

    千々石は幼いころ、レヴァーム人と天ツ国人のハーフである吉岡(よしおか)ユキという少女に出会います。彼女の歌声に心を揺さぶられた千々石は、歌手になりたいという彼女の夢を応援し、ユキも飛空士になるという千々石の夢を応援します。やがて二人の夢はかない、ユキは水守美空(みずもり・みく)という名前で国民的歌手となり、千々石も並び立つ者がいない飛空士となりますが、二人が再会する機会はうしなわれていました。そんなある日、美空が千々石のもとにやってきて、二人きりでの遊覧飛行を申し出ます。しかし千々石は、美空のことをわすれて戦いのなかに生きる道をえらびます。

    戦闘機どうしによる戦場シーンの精細な描写と、ライトノベルらしい造形のキャラクターどうしの会話がたのしめる作品です。

  • 人間ドラマのパートがすき。少年期の千々石は口調が朴訥としていて可愛らしくて意外だった。美空の正体には意外なくらい意外性が全くなかったけれど、でも飽きたりせずに読めた。戦闘や説明描写には相変わらず入り込めなかった。

  • ネタバレ 追憶編の続編的エピソード。また、追憶編主役の好敵手の物語を彼の側から眺めた作品という点で、追憶編とは別作品とも言えようか。相変わらずうまい空戦描写。しかし、創作なんだから、ここまで太平洋戦争の戦史に添わせなくても、とは正直なところ。

  • 全2巻完結。『とある飛空士』世界の第3作品目。時間的に『とある飛空士への追憶』と連続している。
    空戦場面満載で笑いの要素はまったくない。
    ミリタリーロマンを刺激してくれる作品であり、敵味方双方とも愚かしい人間の姿を描いた作品。

    雄々しさだけでなく絶望も読み取って欲しい。

  • 恋歌の続編だと思ったら、追憶の続き?

  • 感想は下巻

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著者プロフィール

1971年生まれ。小説家。代表作に、「とある飛空士」シリーズ、『レヴィアタンの恋人』(ともにガガガ文庫)などがある。

「2014年 『サクラコ・アトミカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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