やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。4 (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094513325

作品紹介・あらすじ

夏休み。誰とも会わず、遊ばず、働かず。一人悠々自適な生活を送る八幡だが、平塚先生から招集がかかり、奉仕部として雪乃や結衣たちとともにキャンプ場でのボランティアを強制される。しかし、なぜかそこにいたのは葉山、三浦などの「リア充」組。強制的に発動された青春っぽいイベントに、八幡たちはどう立ち向かう?水着に花火に肝試し、キャンプの夜の会話、そして風呂…?「みんな仲良く」なんてできるわけがない!?夏は、ぼっちにとって忌避すべき危険がいっぱい。相変わらずひねくれ、間違い続ける青春、第四弾。

感想・レビュー・書評

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  • 善人とか悪人とか

    きっと限りなく八幡くんはグレーで、でも人ってそんなもん。明確に白な人も、黒な人も、いない。
    だけどそれでいいんだよね。そのままで、逃げて、社会を否定して、自分を肯定して。自分だけは、自分を肯定して。
    大丈夫だよね。たぶん。

  • “「何してんのお前ら、っつーかなんで水着なの」
    息切れしない程度に駆け寄った俺が質問すると、
    「わっせろーい!!」
    小町にばっしゃーと水をかけられた。頭から水をかぶり、髪を伝ってぽたぽたと滴が落ちる。……冷てぇ。
    上がりかけたテンションが急激に下がってきた。おいおい、こんなのトイレの個室にこもったときだってやられたことねぇぞ……。
    一瞬にしてどんよりとした瞳で小町を睨めつけたが、小町に反省の色はなく、けろっとした様子でさっきの質問に答える。
    「準備で暑くなったから水浴びだよ」
    「水着は平塚先生が川で遊べるって言ったから……てか、ヒッキーこそなんでここいんの?」
    由比ヶ浜は水着なのが恥ずかしいのか小町を盾にしながら質問を返してきた。
    「いや、俺は顔洗いにきたんだけど……」
    「そんなことより!」
    話の途中で小町がカットインしてきた。
    「ほらほら、お兄ちゃん新しい水着だよ!」
    小町はぐいっと見せつけるようになんだかよくわからんポーズをとった。
    薄いイエローのビキニはふちがフリルで彩られ、南国トロピカルな雰囲気を醸し出している。小町が元気よく水しぶきを上げるときらきらと輝いて見える。なんだよ、これスプラッシュスターかよ。ひとしきりいろいろなポーズをとったあと、小町がじっと俺の目を見る。
    「はい、感想は?」
    「ん、ああ。そうだな、世界一可愛いよ」
    「わぁー、適当だなー」
    小町があからさまにがっかりした。いや、っつーか、お前家でもそういう格好だしな……。”[P.197]

    気づけば夏らしいことをしてましたっていう。
    留美ちゃんの件は……一番何とかしてやろうっていう解決策だろうけどそれを実行しちゃいますかーおわー。
    リア充チームとのやり取りも意外とスムーズで。ぼっちが分からない葉山くんは、でもそれでも良い人だよなぁこれ。
    Yで気づいたけど二人とも名字も名前もY始まりじゃないですか……。
    雪ノ下さんと葉山くん辺りの過去が予想はつくけど気になる。
    あと轢いた車の件も比企谷くん気づいちゃったね気になる。
    渡さんは自身の名前あたりからも名前に同じ音をくり返していれるのが好きなのかな。

    “「……なぁ、もし、ヒキタニくんが俺と同じ小学校だったらどうなってたかな」
    その問いに俺は即答する。
    「決まってんだろ。お前の学校にぼっちが一人増えるだけだよ」
    「そうかな」
    「そうだろ」
    やけに自信のこもった声になってしまった。暗闇の中で、葉山が漏らす忍び笑いが微かに聞こえる。その笑いを誤魔化すように葉山が小さく咳払いをした。
    「俺はいろんなことが違う結末になったと思うよ。ただ、それでも……」
    まるで言葉を選ぶような間だった。
    「比企谷君とは仲よくできなかったろうな」
    …………。予想していなかった言葉に一瞬、意識が空白になる。誰とでもうまくやることができる葉山が、こんなことを言うなんてな。俺は一呼吸おいてから、ちょっと恨みがましい声を作る。
    「……ひどいな、お前。今ちょっとショック受けたぞ」
    「冗談だよ。おやすみ」
    「おう、おやすみ」
    俺はこのとき初めて葉山隼人という存在を正しく認識したのかもしれない。葉山が比企谷八幡という存在を正しく認識したのと同様に。
    優しいだけではなく、どこか苛烈さを秘めた声音。
    あの言葉に嘘など何一つないのだと、俺は直感していた。”[P.276]

  • 夏休み回。夏目漱石の、こころ、の一文が題材になっるようで。
    この回はアニメで見た時の記憶もなんとなくあり、好きな話だったが、やっぱり面白かった。
    問題解決ではなく解消をするんだけど、救われない感じがより一層際立ってる。
    葉山も裏が見えつつあってむしろ好感度高まります。

    八幡の戸塚への反応がいちいち面白い。とつかわいい。

    あと話の間の、キャンプ地に向かう車内会話が地味に面白かった。

  • 小学生向けバーベキュー会。
    孤立した子の問題を、どう解決するか
    メンバーそろって、面白かった。
    最後の雪乃のとこは、次の回に進展するのかな。

  • 夏休み中の八幡の前に平塚先生から奉仕部の仕事として依頼が来る。
    集まったゆきのん、結、彩ちゃん、小町。
    着いた先で待っていたのは葉山、戸部、三浦、海老名。
    そこでのミッションは小学生のキャンプをサポートすること。
    そこで目にしたのは、鶴見瑠美という孤立している一人の少女。
    孤立少女と、友人と言われている少女達をまとめよ というものも加わった。

    歪な友情なんてぶっ壊せばいい 
    という八幡の案に乗って、肝試しを利用してぶっ壊しにかかる。
    が。
    瑠美は班の少女達を助ける。

    とりあえず、これでミッション終了。
    無事に地元に帰ってきた皆。
    平塚先生の車を降りたところで、ゆきのんの姉、春乃登場。
    春乃にゆきのんを掻っ攫われた・・・

  • 夏合宿で、小学生との交流をしつつも、登場人物達が徐々に成長していくという回ですね。主人公の精神的な良い意味での幼さが、周りの人間を動かし、まわりの人間の人間的成長にも繋がるという感じで、面白い回でした。主人公が徐々にリア充化しているので、爆発しろと思いつつ、ラブコメとしては正しい流れになっているなぁ、と思ったり。

  • 夏休みだからお家に……とは行かない奉仕部+リア充組が小学生の面倒を見るお話。
    小学生だからこその純粋さを感じ取れたり、高校生だからこそこの先のことを知っていて諭したくなったり……
    何よりラストの文面の意味することが気になる。
    アニメ未視聴のためこの先の展開が楽しみ。

  • いまのところ6巻と並んで完成度の高い4巻「残念、千葉村でしたー!」
    アニメ視聴済みだが、こまかな局面、場面転換が拾えてよかった。
    また、テーマを夏目漱石「こころ」の有名なフレーズで表現しているところは初めて知った。
    この方は、冒頭、クライマックスにこのような印象的なフレーズを二重使用する癖があるようです。

  • キャンプで子供の面倒みる話。
    これまでで一番つまらなんだ。
    千葉で梨なんかやってるんを知らなんだわ。どこで売ってるんやろか。

  • ネタバレ 深い、深いなぁ。苛めの解消にはベストの回答なんてないはず。比較優位の回答すら不明だろう。にもかかわらず、一つの規格外のテーゼを提示する本巻は凄まじい。また、この八幡の提示したテーゼに対して、葉山の立ち位置・言動が、直接的なアンチテーゼとなっていて、話しに締まりと深みが出てくる。本作は、他の作品と違い、無駄に男性キャラクターを消費していないのが好感。

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