飛べない蝶と空の鯱 〜たゆたう島の郵便箱〜 (ガガガ文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 178
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094513431

作品紹介・あらすじ

霧の上に島が浮かび、島々を行き交う交通手段は「空を飛ぶ」ことだけーー。
「霧妖」という魔物が棲む霧の海の上を飛び、命がけで人々の「想い」を運ぶ「武装郵便屋」の少年・ウィルと、その相棒(バディ)の不思議な少女・ジェシカの物語。

感想・レビュー・書評

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  • これは名作…!!

    いやいや、涙腺を決壊させるまでには至りませんでしたが、
    これは十二分に堪能できるロマンがそこにありました。

    展開こそ先を予想しやすい王道ストーリーですが、
    世界観や異能関連を最初に一気に説明せず、
    小出しにしながら物語を展開ささせていく
    『語りすぎない』進め方は、
    読む側をの思考を活性化させて、
    否が応でも物語に集中させてくれます。

    さらにキャラ立ちや会話の軽快さもイイと思います。
    重めの雰囲気を現代ラノベっぽく中和してくれてる。

    ところどころ引っかかってた部分もほぼ回収して、
    読み終わった後もすっきりですし。
    作者的にも僕好みの方と言えるでしょう☆

    これは続編期待ですね。ぜひお待ちしてます!!

  • 良い雰囲気のタイトルと表紙で買ったガガガの単巻。

    風が読めなくて飛ぶのが下手な主人公と、高所恐怖症のヒロイン。
    二人組の、空飛ぶ武装郵便屋の話。

    基本的にクールで強いけど少女には頭の上がらない少年と、高慢で毒舌だけど少年なしでは生きられないな少女という組み合わせは、わりと定番というか、安定のカップルですよね。結構好きです。

    ストーリーとしては、届出人の思いが込められた〈封書〉を、二人が遠くの島まで届ける冒険ファンタジー。
    空戦のスピード感とか、舞台設定を活かした魔法(霧鍵式)絡みの話とか、キャラ同士のやりとりとか、全体的によく出来ていたと思います。

    身近にいたあの老人が実は歴史に名を残すあの人だった……というのは使い古された展開ですが、きちんと王道にのっとってくれた感じで不満はないですね。

    一個だけダメな点は、最後の「歌」のシーン。それっぽい文言に何語だかわかんないような(ラテン語?ギリシャ語?ルーン?)ルビを振って、作者は何か意味があってやってるんだろうけど、読者ポカーンじゃないのそれは。
    呪文や詩にそういう表現を使うことはよくありますが、最重要なネタでそれをやるのはよくないと思う。ちょっと醒めてしまいました。

    表紙とタイトルの雰囲気からは物凄く期待値が上がっちゃうのですが、それには届かないかなという感じ。とはいえ全体的な完成度は高いと思います。一見厚さはあるけど、読みやすいので時間はかからないはず。

    評価:B

  • 霧の上を島が浮く世界。魔物の棲む霧を越え封書を届ける武装郵便屋。飛ぶのが下手なウィルと高所恐怖症のジェシカ。お互いの欠点を補いながらふたりは飛ぶ。
    王道なストーリー展開に、はまるべき箇所にピースがぱちりとはまる爽快感。謎が明かされるカタルシス。
    冒険小説の面白さを堪能しました。

  • 絵で買ってきたけどなかなかよかったです。

    とりあえずバードのおっさんはいいです。それだけに最後はさみしいですが…。

    雰囲気は好きです。
    あったかい感じと、熱い感じと。世界観も好き。

    あとキスシーンではニヤニヤさせてもらいました。ありがとうございます。バードぐッジョブ!

  • 一緒に空を飛ぼう、と約束したのは遥か昔。
    その約束を叶える相手がいなくなったのに頑張る少年と
    相棒の、空を飛ぶ事に恐怖を覚える少女。
    彼らは、今日も今日とて、怪しげな手紙を運ぶ。

    口ぶりから言っても、確実に常連さんは彼女だけ、の
    ようですが…w
    どう考えてもそのフラグがありそうな相棒少女は
    ものすごく口が悪い。
    いやでもこれぐらいの方が、いいのでは?w
    それよりも、主人公がへたれ?

    わりとヒントが出てくるので、予想しやすかったです。
    とはいえ、それは表面上系、でしたが。
    むしろそのヒントによって、違う方向から…な
    現実がひょこひょこと。
    しつこくついてくる警察官が実は…という落ちよりも
    その先にある落ちの方がびっくりです。
    いや、どこにそうなる要素が?! みたいな。
    人によって~ですから、何とも…。

    空を飛んで、さらなる向こうへ。
    空での戦闘もありますし、進む姿も想像すると
    風を感じる気がしてわくわくします。
    当然その部分も多いので、読んでいるとうっかり
    飽きてきてしまったり。
    毎度している事は違うのですけど…?

    ものすごく最初に絡んでくる双子の姉弟がいますが
    分かりやすくツンデレ(姉)です。
    最後にも出てきますが…多分このままだと
    彼女の恋は成就しないかと。
    ヒロインは近くにいるので、完全にお供え、でしょうが。

  • イラストの綺麗さと、空が舞台、という所に惹かれて読んでみました。
    テンポが良い、ライトファンタジーという印象。
    世界観が素敵です。
    ただ、主人公に面白味が足りないかな。
    一見平凡な少年という設定なのだろうけれど、もう少し個性を出すとさらに面白くなってくると思います。
    絵も世界観も気に入ったので、続き読んでみます。

  • イラストの綺麗さと、空が舞台、という所に惹かれて読んでみました。
    テンポが良い、ライトファンタジーという印象。
    世界観が素敵です。
    ただ、主人公に面白味が足りないかな。
    一見平凡な少年という設定なのだろうけれど、もう少し個性を出すとさらに面白くなってくると思います。
    絵も世界観も気に入ったので、続き読んでみます。

  • 非公開メモ

  • 「影執事マルクの手違い」シリーズの作者だったと読み終わってから気づきました。
    内容としてはまず、主人公sの掛け合いが面白かったです。設定も、ありふれたといえばそうかもしれないけれど独自の世界観も織り込まれていて楽しい。
    ただ欲を言うならば、印象が薄いと感じました。読んでいる最中は楽しいのですが、読み終わった後に残るものがない。一番の見せ場があまり見せ場になっていないとも感じました。
    とはいえ、最後の終わり方がよかったので、次を買うか買わまいかといったところです。

  • 霧の上を島が浮遊する世界で、霧妖という魔物が棲む空の海を飛び、想いを封じ込めた「封書」を運ぶ武装郵便屋の少年と相方ジェシカの物語。
    しかし、二人はある欠点があり1人では空を飛べない。
    お互いの欠点を補いながら霧に挑む冒険ファンタジー。

    イラストとの相乗効果で世界がキレイに写るし、空での爽快感は読んでいて心地よい。
    キャラも立っていて不快感ない人間関係。
    結構好きな世界観です。
    世界も広がっていきそうだしね。
    だが、地上でのとくにクライマックスでのシーン描写や世界の背景描写がどうも足りな気がする。
    あと登場人物がちょっと全員強すぎるかな?
    そのへんが気になりますね。

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著者プロフィール

『沙の園に唄って』にて、第19回ファンタジア大賞(2007年)で佳作を受賞し、作家デビュー。

「2017年 『魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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