- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094514216
作品紹介・あらすじ
少年と魔女の娘の世界を敵に回した孤独な旅
武器職人の父親と幼い妹と3人で暮らす少年ネロの平穏な日々は、国王軍の襲撃により唐突に終わりを告げる。
妹を背負い森へと逃げ込んだネロは、踏み入れたら二度と戻れない「不帰の谷」を抜け、とある古城へとたどり着く。そこで死の床に伏した魔女と、その娘・アーシェと出会った……。
魔女の存在が忌み嫌われる世界で、少年と魔女との間で交わされた約束。それは死んだ妹を生き返らせてもらうことを交換条件に、魔女の娘を安全な地へと護送することだった。魔女に恨みを持つ人々や魔獣たち、さらには魔女を戦争に利用しようとする軍隊……。
少年ネロは魔女の娘アーシャとともに、世界を敵に回すという辛く危険な旅に出る。少年と魔女の少女の恋と成長を描く冒険ファンタジー小説。
感想・レビュー・書評
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全3巻完結。
魔女っ娘アーシェの作為ゼロのあざとさに参りました。2巻のアーシェの背中からハグ&「いつもあたしを守ってくれてありがとう」。尊い。
善人であっても、良いことをしても、魔女と一括りにされて嫌われ、迫害される。世界の残酷さを表した作品です。
助けた人達と、死人軍を引き連れ向かい合うアーシェのシーンは名画のようです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
流石にネロの父親に掛けられた冤罪は滅茶苦茶すぎる。
追ってから逃れるためとはいえ、妹を連れて不帰の谷へと逃げ込む勇気はすごいと思った。
ミドナの文様もイラストよりももっと蔦状のものだと思っていた。
防腐の結界の張られている保存庫が冷蔵庫よりも有能すぎて、一家に一室?欲しいと思わさせられた。
アーシェの死霊魔術もすごいと思うが、固有魔術以外の魔術は使えないのだろうか?
そこだけが疑問。
確かに昔の魔法使いたちの所業は酷いと思うが、だからといって今弾圧され、迫害されているのは理不尽なように思える。
モーガンが敵ながらかっこいい。同じ女でも惚れる。
たとえ利害の一致だけであっても、アーシェと共に旅へと出ようと思ったネロはすごいと思う。
角人という存在にも興味がわいた。
続きが気になる。 -
童話的ファンタジー世界。旅立つところで1巻が終わるため、尺の短さがもったいなく感じる。作者の前シリーズよりは全然好みで良い感じ。
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素晴らしい一巻だった。これは続巻をぜひとも買いたい作品である。
常々、物語(で語る作品)は切実でなければならないと思っているのだけど、この作品はそうした切実さをもってシリーズのプロローグを描いている。無駄な語りもなく、視点の移動もスムーズである。それぞれキャラの心情の描き方にもぎこちなさが全くない。上手いの一言だ。
夏休みの宿題の読書感想用に挙げても良いだろう、良質なジュブナイルファンタジーである。表紙買いして良かった。 -
父親が重罪人として殺され、息子である主人公ネロも兵士に追われるところから始まります。逃げていくうちに古い城にたどり着き、そこで魔女の母娘に出会います。ネロは死んでしまった妹を生き返らせるために、魔女の娘・アーシェと旅立つことになります。
ストーリーや設定はわりとよくあるものですが、宝物庫で番人に襲われたり、城に追手の兵士が来たり、といろいろなことがおこり、話のテンポが良かったです。主人公が周囲をゆっくりにする魔剣を持って戦う場面は、面白かったですし。
また、城から出たことがなく外の世界に憧れていて、ときおりずいぶんと幼なくなるアーシェが可愛らしかったです。そのアーシェが悲しむ場面があるのですが、そこは読んでいる方も少し悲しくなりました。
物語は城を旅立つ所で終わるのですが、前作と違って続きが出る予定だそうなので、楽しみに待つことにします。 -
大人同士の陰謀に巻き込まれて森に逃げん込んだ先で、人間が忌み嫌う魔女に出会うという話。この巻は冒険のスタート地点に立つところまで。にしても未消化の伏線が多い。つまらなくはなかったけど★2つなのは、前作『森の魔獣に花束を』と展開がほぼ一緒だから。
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”その世界は誰かを嫌わずにはいられない
誰かを嫌うことで世界はかりそめの安定を得る”
『その日彼は死なずにすむか?』『森の魔獣に花束を』の小木君人最新作。
ナンバリングされてませんがシリーズ展開予定のようですね。
単巻でバシッと来るほどの名作パワーはありませんでしたが、これは十分に良作。
魔女が嫌われる歴史を持った雰囲気あるファンタジー世界で、
世界から逃げ出した少年と、世界に憧れる少女が出会う物語。
本作は序章と言っていい内容でした。
残りの詳しい感想は以下のブログにて。
『アキネ会の日常』
魔女は世界に嫌われる(けーた)
http://blog.livedoor.jp/akinator/archives/29503899.html