二度めの夏、二度と会えない君 (ガガガ文庫 あ 11-8)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094515329

作品紹介・あらすじ

この夏、俺は、君を二度失った。

きっと、「好き」という言葉は罪だった。

森山燐(もりやま・りん)は生まれつき不治の病を患っていた。
俺は、それを隠して高校生活を送っていた彼女を好きになってしまっていた。高校最後の文化祭で、一緒にライブをやり、最高の時間を共に過ごし――そして、燐は死んだ。

死に際の彼女に、好きだ、と――決して伝えてはいけなかった言葉を、俺は放ってしまった。
取り乱す彼女に追いだされて病室を後にした俺には、一言「ごめんなさい」と書かれた紙切れが届けられただけだった。

あんな気持ち、伝えなければよかった。
俺みたいな奴が、燐と関わらなければよかった。

そして俺は、タイムリープを体験する。
はじめて燐と出会った河原で、もう一度燐と出会ってしまった。
ずっと、会いたいと思っていた燐に、あの眩しい笑顔に再び……。

だから、今度こそ間違えない。
絶対にこの気持ちを伝えてはいけないから。

最後の最後まで、俺は自分の気持ちを押し殺と決めた。
彼女の短い一生が、ずっと笑顔でありますように

アニメ化企画進行中の『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』原作者:赤城大空が贈る健全青春ラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 普通こういうのって、“告白できなかったのを後悔し続けて過去に戻って告白する”だと思うんですけど

    これは真逆で、“告白したのを後悔し続けて過去に戻って告白しない”なんですよ。

    まあ、そのおかげで燐は幸せに人生を終えられたのでよかったのでしょうか?


  • 『娯楽』★★★★★ 10
    【詩情】★★★★☆ 12
    【整合】★★★☆☆ 9
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★★☆ 4
    「可読」★★★★☆ 4
    「作家」★★★☆☆ 3
    【尖鋭】★★★☆☆ 9
    『奥行』★★★☆☆ 6
    『印象』★★★★☆ 8

    《総合》73 B

  • 学生タイムリープ物ですがめちゃくちゃに運命を変える事はぜすに唯一の後悔を無かった事に行動する作品。表面は甘酸っぱいがどんどんビターになりいつのまにか終わっていました。

  • 青春

  • 『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』というとんでもない小説と同じ著者とは思えない爽やかな作品。
    夏っぽいし、絵も素敵だし、SFっぽいタイトルで買い。

    しかし、あまり盛り上がらなかった印象。
    タイムスリップの設定を使いこなせておらず、文章・構成も決して良くはない。
    ラノベっぽい。
    「ボーイ・ミーツ・ガール→青春→ヒロインの死」という単純な青春小説だからそれっぽく見えるが、単純だからこそ質を上げるのが難しいのだろう。

    実は燐もタイムスリップしてきているのではないかと読み進めたが、全くそんなことはなく、特に衝撃のない展開が続いていく。
    あらすじがほぼすべて。
    ラストもかなりあっさりしている。。
    「同じ気持ちだった」なら、どうして1回目に取り乱したのか、どうしてそれを自ら伝えてしまうのかという矛盾もでてくる。

    「ヒロインが死ぬ」という共通項を持つ『君の膵臓をたべたい』を最近読んだことも盛り上がらなかった要因だと思う。

    夏っぽさも、思ったほどはなかった。
    夏に期待しすぎだろうか?

  • 「バンド」「難病」「タイムリープ」とラノベでは、かなり鉄板な設定の構成。 
    死の直前に告白したことを後悔している主人公が、彼女と出会う直前の夏にタイムリープ。 
    今回は、後悔しないような展開にしようと努力する。 
    まぁ、甘酸っぱい青春ストーリーです。 
    本当にタイムリープしていたのか脳内妄想なのか? 
    私的には、楽器屋の店長と学校の教頭の過去が知りたい・・・ 
    青春を追体験したい人にはおススメです。 

  • 主人公の人間性の練り込みがもう一息という感じだが悪くはない。

    全編を通し切ないタイムリープ物。それでも希望を垣間見せ、そして語りすぎない終わり方はなかなか良かった。

    ただ、人に勧めようと思うフックは別にないかな

  • 切ない青春物語ではあるが、いまいち乗り切れなかった感・・・。実写映画化決定だそうです。
    あらすじ(背表紙より)
    突如転校してきた森山燐は不治の病を患っていた。俺は彼女と共に、ライブを演り、最高の時間を共に過ごし…そして、燐は死んだ。俺に残されたのは、取り返しのつかない、たったひとつの後悔―決して伝えてはいけなかった言葉。俺があんなことを言いさえしなければ、きっと、燐は最後まで笑顔でいられたのに…。―二度めの夏。タイムリープ。俺はもう一度燐と出会う。あの眩しい笑顔に再び。ひと夏がくれた、この奇跡のなかで、俺は自分に嘘をつこう。彼女の短い一生が、ずっと笑顔でありますように…。

  • タイムリープものを追いかけてみたくなり手にとりましたが、中・高時代に読んでいれば感じ方が変わっていたのかもしれません。良くも悪くもピュアであった物語でした。

  • タイムリープ、不治の病ときてバンド、文化祭とぷんぷん匂い立つ要素をこれでもかと並べつつ、話の焦点はきっちり絞って綺麗にまとめている。

    そもそもタイムリープ自体が奇跡としか言えないのだけれどそれ以上の野暮は無く、一度目の失敗を繰り返さないように、最高の形で死を迎えてもらうただそれだけのために努力する主人公の姿が痛々しくも、忘れられない後悔をした経験があれば共感を覚えることができるだろう。

    どうするのが一番正しかったのかはわからないし最良ではなかったかもしれないが、遠くない別れのためにお互いの気持ちを伝えない、という二人の選択がより深いところで気持ちが通じあっていたのだ、ということを寂寥感とともに読者に教えてくれる。

    読後感もよく、久しぶりに良い新作を読んだと思えた。

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