さびしがりやのロリフェラトゥ (ガガガ文庫 さ 9-1)

著者 :
  • 小学館
4.19
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本棚登録 : 148
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094515459

作品紹介・あらすじ

「変猫」のさがら総が贈る、新青春エンタ!

ぼくらの学校には、血を吸いつくす吸血姫がいる――。クラスメイトたちのあいだでまことしやかに囁かれる噂は、真実だった。理想と現実のバランスに苦悩する高校生作家、常盤桃香は深夜の旧校舎で怪異と出会い、風変わりな姫とおかしな会話を紡ぐことになる。「汝、無礼である。如何なる理由でここを訪れるか?」「おでんを作ったので」「……おでん?」「こんにゃくもあります!」「……こんにゃく?」けれど、ふたりの奇妙な友情は、死体の出現をもって終わりを告げた。常識人的いじめっ子、自爆系宇宙ロボット、そして“正義の味方の敵”のぼく。優雅なる吸血姫を取り巻く人間関係は多角的に入り組んで、表と裏が混じりあい、複雑怪奇な青春群像劇を織り成していく。「だれもが静かに平和に暮らすだけの話を書きたかった」「いいかな? だれもそんな話は読みたくないんだ」――これはぼくたちの悩みを笑い飛ばす物語だ。そして、ハッピーエンドになるべき物語だった。『変態王子と笑わない猫。』のさがら総が挑む、新機軸の黄昏ロリポップ! 誰にも先が読めない青春ミステリアスコメディ、開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 昔と比べて、いまでは一般レーベルとライトノベルの垣根は小さくなっていると思う。
    とはいえ、ライトノベル独特の物語というものもある。
    まさに、本作はライトノベルらしいライトノベル。
    テーマは人と人との主観の違いということだが、そのことを描くために吸血鬼を登場させたり、「正義の味方の敵」という表現があったりするのは、まさにライトノベル特有という感じ。
    もしライトノベルに対して抵抗がないのなら、読んでみてもいいかもしれない。
    章ごとに印象の変わる登場人物。各章に含まれている謎が、最終章で収束していく様は、読んでいてミステリーチックで面白かった。
    こういう小説を読むのも、たまにはいいかもしれない。

  • 1冊
    ひとつのことが、何度もほかのところから書かれる作品
    さいごの言いようのない感動

    ロリ娘の、である調会話が性癖を突く

  • 主観と主観のすれ違いと重ね合わせ。同じ世界を違う主観で見るとこんなにも違っている。それぞれの真実。それぞれの想い。
    旧校舎に住まう吸血鬼、宇宙人が作ったロボット、正義の味方。
    何を信じて何のために行動するのか。想いは通じるのか。

  • 幻想的な雰囲気の中、キャラクターが生き生きと動いているところに好感を持てた。時系列と人間関係が少し複雑で、整理が必要。ラストが感傷的で好き

  • 高校生の複数視点でディスコミニュケーションなガガガ文庫風
    『変態王子』と何も変わっちゃいないのだがなぜかガガガ文庫風と思えるふしぎ
    こういうものが書けるのはわかっているので
    せっかくだから違うふうなのを書いて欲しかった
    ヒロインがロりでフェラトウで変態な目に合わせるのは好きにしていいから
    もっと変わったものを次は期待

  • 常盤さん視点の話を読んだ後、シギショアラ視点の常盤さんを読んで、こんなかわいい娘がこんな変態だなんて。。素晴らしい!とか思ったw

    主観って怖いと思えて面白かった。

  • 章ごとに異なる人物の視点から1つの物語を描く形式の小説で、その形式を最大限活かした構成の上手さが印象的だった。一方で物語の終わらせ方というか、シメ方がイマイチで、もやっとした読後感が残ってしまったのがもったいない。

  • わたしは多分、この物語を読むために生まれてきたのだと思う。

    テキスト、構成、キャラクターの生き、どれをとってもピカイチで一気読みした。柔らかなタイトルとあらすじから想像できるポップな雰囲気はとてもなくて、夜の闇の友情と心と心が分からない人とが出てくる。

    語られるのは同じことなのに、こうも主観が異なると違う物語になるのか。同じものを見ているはずなのに全然違くて、その見せ方が非常に鮮やか。だって一章からはこんなに結末ですこんな話になるなんて全くもって想像できない。

    変猫シリーズのようなポップな恋愛はないけれど、さがら総が好きなら読んで損はない。いや、読まないと損をしている。あらすじがミスリードしているのかと思うほどポップな軽さはなくて、でも重苦しいわけではなくて、語られる出来事は重いのに全然重さを感じさせない。語り口も素敵。

    デカルトやアンリマユをどことなく思い出させるところがある。我思う故に我有り。この世すべての悪。世界は主観と主観で成り立っていて、私が見ているものは私だけしか見えていないのかもしれない。彼女と言葉を交わしてもお互い分かった気になっているだけなのかもしれない。知らないどこかで何かがあって、それが日常なのかもしれない。世界はそんな風にできている。

    大変素敵な物語だった。さがら総という期待を全く裏切らなかった。変猫シリーズが好きなら間違いなくおすすめできます。初さがら総としても自信を持っておすすめできます。とても大切にしたい一冊です。

  • 主観における危うさ。主観を外から見る狂気のようなもの。

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著者プロフィール

ライトノベル作家。東京都在住。
2010年、『変態王子と笑わない猫。』で、第6回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞を受賞し、デビュー。
趣味は将棋。

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