下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (11) (ガガガ文庫 あ 11-12)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094515947

作品紹介・あらすじ

失われた全てを取り戻せ――最後の性戦!!

「そういえば“下”って漢字があるけど、あれって膣とクリトリスを同時に刺激するバイブみたいで素敵だよね! まさに下ネタの下にふさわしい漢字だよ」
「死ねだぜ」
藻女の企みを潰すために〈SOX〉が起こした戦いから、二年。
世界各地で卑猥な犯罪が多発する中、一切のヒワイが排除された極東のエデン。未曾有の大事件を無事に乗り越えた日本は、その底力を見せつけるように、世界をリードする健全ユートピアとして、健やかで美しい成長を続けていた。
――表面上は、そういうことに、なっている。
だが、この国ではもう数か月、子どもが生まれていない。
綻びは、そこかしこに存在する。それでも、ギリギリのバランスで成り立った、仮初めの「正しい」社会。
華城綾女(かじょう・あやめ)から〈雪原の青〉を引き継いだ奥間狸吉(おくま・たぬきち)。彼は藻女のつくりあげた完全なる性管理社会を打倒すべく、最後にして最大の下ネタテロ「エッチなABC」作戦を進めていた。
果たして、狸吉たち〈SOX〉は下ネタという概念を取り戻した「まちがった」未来を勝ちとれるのか――!

アニメ化もされた大人気Yトークコメディ、ついに完ケツ!!
さよならパイパイまたいつか!

感想・レビュー・書評

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  •  後述する二つの道徳の対抗物語としては既に終幕している中、最終巻は、余りテーマと関わらない点、つまり別離で落着した前巻を受けて狸吉・綾女2人が辿る結末と、2人に弾き飛ばされたアンナの再生というエピローグ風味が色濃い。


     まあこの作品の面白さが狸吉と綾女との掛け合い漫才にあったことからすると、本巻前半の狸吉の一人ボケ・突込みは少し物悲しくある一方、最後ぐらい、ちゃんと愛の言葉を交わし合う2人というのも見てみたかった気はする。
     下ネタを規制なく叫び得る社会は、男女の素直な愛情表現も包摂し許容する社会でもあるので…。
     かつ、愛し合う2人の愛情表現自体、最高の下ネタでもあるからだ(実際、睦みあう2人を傍から見ていたら、見ている側はそれを微笑ましく思いつつも、何とも気恥ずかしくなることがある)。

     
     ともあれ、「自由という道徳」と、「規律・規制という道徳」との対抗を、下ネタという斜め目線で、なおかつ大声で切り取って見せた怪作は、決して忘れることのできない一品となり得た。そんな印象の残る最終巻である。

  • 完結。最終巻にもかかわらず新キャラ登場、と思ったけど馴染むの早すぎぃ!登場人物には変態しかいなかったわけですね。狸吉が二代目「雪原の蒼」となったことで地の文に加え彼の発言そのものもリミッターが解除されており、いつも以上の全壊振りでひどいの一言(笑)やってることは体制を屈せず現状を覆すような結構ヘヴィな設定なんだがなぁ…まぁこのノリがあってこその話ですかね。最後まで全力でバカやってて何よりでした。完走、お疲れ様でした。

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