先生とそのお布団 (ガガガ文庫 い 10-1)

著者 :
  • 小学館
3.76
  • (10)
  • (3)
  • (9)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 100
感想 : 12
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094517101

作品紹介・あらすじ

まだ「何者」にもなれない「誰か」へ――。

家に猫がいる者ならたいてい「うちの猫は特別だ」という。
だが彼とともにいた猫は本当に特別だった。
九年間、小説を書くときにはいつもそばにその猫がいた。その猫がいなければ小説なんて書けなかった。
彼は猫を飼っていたわけではなかった。ただ猫とともに暮らしていた。
――本文より抜粋
これは石川布団という作家と、人語を解す「先生」と呼ばれる不思議な猫とがつむぎ合う苦悩の日々。
企画のボツ、原稿へのダメ出し、打ち切り、他社への持ち込みetc...
様々な挫折と障害に揉まれながらも、布団は小説を書き続ける。
時には読者に励まされ、時には作家仲間に叱咤され、ひとつひとつの出来事に、一喜一憂していきながら、素直に、愚直に、丁寧に、時にくじけて「先生」に優しく厳しく叱咤激励されながら――。

これは売れないライトノベル作家と「先生」とが紡ぎ合う、己が望む「何か」にまだ辿り着かぬ人々へのエール。
優しく、そして暖かな執筆譚。
カクヨムで話題を呼んだ、奇才・石川博品の同名短編小説を、大幅加筆修正した完全版。
イラストは『バッカーノ!』『異世界食堂』など、各所で活躍中の人気イラストレーター・エナミカツミ。


【編集担当からのおすすめ情報】
『後宮楽園球場』(「このライトノベルが凄い!2015」5位)『メロディ・リリック・アイドル・マジック(「このライトノベルが凄い!2016」6位)など、話題作を出し続ける実力派。本作では、彼の作家半生とも思えるようなストーリー展開が見所です!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  この作家さんの本を読むのは2冊目となる。石川布団(もちろんペンネーム)という売れないラノベ作家と、人語を解し本までも読む猫の「先生」が織りなす日々を描いている。あたためていた企画が出版社の都合でボツになったり、原稿にはダメ出しを食らったり、シリーズが打ち切りになったりもする。これって、よくあることなんだろうか。

     それでも書き続ける布団。作家という職業の悲哀というか、哀愁が感じられる。本書は、カクヨムで短編小説として公開したものを、加筆修正して長編化したもの。ほほ私小説らしい。

  • 半分くらいは、石川先生のリアルな経験なんだろうなぁと思う。
    あるいは、今までに読んで「個性的で面白い、少ない巻数で終わったのが惜しい」って感想を抱いたラノベの作者さんのほとんどはこういう苦い経験を積み重ねてきた人たちなのかなぁ、なんて思ったりもした。
    じんわりと心に残ってふとしたときに思い出すようなお話でした。

  • ラノベなのに文学。
    「ラノベについてのラノベ」というメタ的なところも含めて好みでした。
    ただ、同時に、これはラノベとしてはなかなか売れないだろうとも思います。

  • 自叙伝を暈してラノベにした作品。また続編が出るぐらい執筆していると嬉しい。

  • 全1巻。
    『後宮楽園球場』の作者による、自身の作家人生を綴ったようなライトノベル。与えられた希望に夢を見て無惨に打ち切られることの繰り返しの悲哀に満ちた日々だけど先生によって癒される。読んだ私も癒される。
    売れっ子女子大生作家との関係がとても居心地が良い。

  • 文芸に一家言あって喋る猫と,売れないライトノベル作家の話.終始どういうテーマなのかよく分からなかったというのが率直な感想ではあるが,物書きをしている人には沁みる内容なのだろうか?ただ,こういう感覚自体は戦前あたりの日本の小説で感じるものに似てもいる.ラノベとはまた違うジャンルな気がするし,おもしろいわけではなかったが,こういうものもありだなあとは思う.関係ないが地名が中途半端に捻られていたので,現実にあるモチーフをイメージさせたいのか,架空の場所を想定しているのかで混乱した.

  • ラノベレーベルから出てるとは思えないような内容だった。この作家さんのファンだったら楽しめるのかもしれないけれど、私はこれを初めて読んだのであんまり……という感じだった。すべてがあっさり味って感じ。

  • 先生と呼ばれる「しゃべれる」猫と暮らす「お布団」的ライトノベル作家のお話。先生の目線が非常にぬくくて愛しい。先生が大好きなお布団もかわいい。

  • 谷しかないな。
    つまらん。

  • うう、先生……。
    くうっ石川博品め…猫は…猫は卑怯だぞ…!

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

小説家。1978年生まれ。『耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳』で第10回えんため大賞優秀賞を受賞しデビュー。著作『四人制姉妹百合物帳』(星海社)、「耳刈ネルリ」シリーズ、『ヴァンパイア・サマータイム』(KADOKAWA)、『後宮楽園球場』(集英社)など。

「2015年 『明日の狩りの詞の』 で使われていた紹介文から引用しています。」

石川博品の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×