サンタクロースを殺した。そして、キスをした。 (ガガガ文庫 い 11-1)
- 小学館 (2020年6月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094518535
作品紹介・あらすじ
クリスマスを消すため僕は少女の恋人になる
聖夜を間近に控え、街も浮き立つ12月初旬。先輩にフラれた僕は、美しく輝く駅前のイルミネーションを眺め、どうしようもない苛立ちと悲しさに震えていた。
クリスマスなんて、なくなってしまえばいいのに……。
そんな僕の前に突如現れた、高校生らしい一人の少女。
「出来ますよ、クリスマスをなくすこと」
彼女の持つノートは、『望まない願いのみを叶える』ことが出来るらしい。ノートの力で消すために、クリスマスを好きになる必要がある。だから――
「私と、疑似的な恋人になってください」
第14回小学館ライトノベル大賞、優秀賞受賞作品。
これは、僕と少女の奇妙な関係から始まる、恋を終わらせるための物語。
【編集担当からのおすすめ情報】
第14回小学館ライトノベル大賞にて、その独特かつ突き抜けた作風により、優秀賞を受賞。
圧倒的な筆力によって描かれるその「青春」は、心の痛いところを抉るような苦さがあり、ここちよい甘さも備えています。
ぜひ一度、手に取って体験してみてください!
感想・レビュー・書評
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作品の世界観や設定、各キャラクターの背景やノートを使ったギミックなどよく練られていて非常に面白い作品でした。
特にノートの文字が赤くなる演出はより物語をドラマチックに演出していたと思います。
タイトルにある
「サンタクロースを殺した」とは「キスをした」とはどういう事なのか、後々分かってきますが、それがこの作品にとってかけがえのない意味となる言葉であり感動します。
あとがきで作者の方も書かれていますが、これが経験に基づいた話なら、確かにこれだけ強い想いを込めて書き換えれば心に残る何かになるかと思います。
そういえば今更気づいたのですが、僕に力を貸してくれる登場人物達は過去を憂いたような発言をしていました。
過去と現在、現在を生きる中で過去の痛みも背負って行く……その体験が今の大切さを教えてくれるような。
そんなメッセージ性を感じました。
ありがとう御座いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1冊。
実際にある地理の中で固有の名前を持たない登場人物。現実にあり得る辛い状況にいる少女と現実にいそうな自分辛いんだ感に浸っている端から見たらリア充大学生。こいつのダメ具合と少女の可愛さが際立った作品。ガガガらしい一作。 -
最高でした。退廃的で切ない話が好きな人にオススメする作品です
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913-I
文庫 -
丁寧な描写と、ストーリー展開で引き込まれました。
ラジオドラマ等で聴いてみたいなとも思いました。 -
面白かったです。
名前が出てこない登場人物しかいないというのも、ストーリーに合っていて問題なく読めました。
ラストの場面では、辻褄が合っていく感じと思ってもいなかった事実があり、読み応えがありました。 -
考えながら読む小説は疲れる。けれど、誰かの強い感情を文字にして鈍器にして殴ってくるこの小説を私はまだ半分も理解できてない。大人になってしったかぶって麻痺してしまったかもしれない。何度でも読みたい。良い作品に出会えた。
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暗い話が嫌いな人は、あまり好みではないのかもしれない