- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094530810
作品紹介・あらすじ
これは、涙で始まり、涙で終わる物語。 全身が塩に変わって崩れていく奇病「塩化病」。その病で母親を亡くした少年・三枝八雲は、小学校の音楽室でひとりの少女と出会った。美しく天才的なピアノ奏者であるその少女の名は、五十嵐揺月。鍵盤に触れる繊細なその指でいじめっ子の鼻を掴みひねり上げ、母親の過剰な期待に応えるべく人知れず努力する。さまざまな揺月の姿を誰よりも近いところから見ていた八雲は、我知らず彼女に心惹かれていく。小学校を卒業し、ますます美しく魅力的に成長した揺月は、人々の崇拝と恋慕の対象となっていった。高校に進学する頃、すでにプロのピアニストとして活躍していた揺月はイタリアへと留学してしまう。世界を舞台にする揺月と、何者でもない自分との間にある圧倒的な差を痛感した八雲は、やがて小説を書き始める。揺月との再会はある日唐突に訪れた――その再会が、自分の運命を大きく変えるものになることをその時の彼は知る由もなかった。これは、涙で始まり、涙で終わる物語。第16回小学館ライトノベル大賞にて、最高賞である大賞を受賞。ゲスト審査員を務めたアニメ監督・磯光雄氏は、「審査なんかとんでもない。美しい物語をありがとう」と、本作へ最大級の賛辞を送った。
感想・レビュー・書評
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今年の小学館ライトノベル大賞(5年ぶり)
舞台は福島県郡山市
幼なじみの少年と少女の人生を語る物語
一本の映画をみたような深い読了感と脱力感。ページの中にこれ以上ない生命力を感じる作品はいまだかつて読んだことはない、傑作。
タイトル回収の時、本当にがち泣きした。
審査員はこう言った。
『一つだけ不満があった。タイトルがダサい。なんかどこかで聞いたようなタイトルで、ストイックな作風の作者が、この作品の主人公のようになにか読者に媚びた妥協をしたのだろうと思っていた。思っていたのに、ラストまで読んでその意味がわかって泣いた。最後まで読むとこのタイトルしか無かった。』
しばらく読みなおす事はないだろう。決して分厚い本ではないのだがそのくらい疲れた。また数年後に会おう。映画館で
これは涙で始まり、涙で終わる物語。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わたしはあなたの涙になりたい
著作者:四季大雅
発行者:小学館
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
facecollabo home Booklog
https://facecollabo.jimdofree.com/
小説家。福島県出身2022年「わたしはあなたの涙になりたい」で第16回「小学館ライトノーベル賞」の大賞を受賞しデビューを果たす。 -
紛うことなき名作。
「ラノベ」の枠組みで、ここまで大いなる感動を味わえる作品は他に無いと思う。誰もが絶賛することが納得の、素晴らしい作品でした。
時間が飛び飛びに展開する作品で、各時間軸におけるエピソードが終盤に向かって収斂してゆく様は見事。
奇抜な展開は無く、正直ほぼ予想通りの展開であったのだが、それにも関わらず感動を得られたのは、ひとえに、登場人物への共感しやすく描かれているからであろうか。
塩化病から、塩の街(有川浩)を連想し、なーんとなく避けていたのだが、正直、勿体なかった。 -
物語的には面白かった。
少し残念なところは、地元に寄り添って地区名や場所の名前を出しすぎて、福島県の地理がまったくわからない人にはあまり優しくないような気がした。
また、冒頭で世界に数例と言っていた塩化病を主人公が2回も体験するのも作り物感が増して泣けなかった原因かもしれない。 -
913-S
ラノベ別置 -
私にとっては美しく無邪気(真っ直ぐ)な恋愛小説?でした。
あちこちで、泣けるというレビューがあるように泣ける要素は盛りだくさんですが、この手の話をいろいろ読んで耐性がついているからか、泣けず。
ただ、大切な人がいつも当たり前みたいに側にいてくれることの幸せを実感できる作品だと思いました。
そして、大切な人をなくしても、幸せに生き続けること。
きっといなくなった大切な人たちの願いはこの作品のようなものなんだろうなと思いました。
↓以下、本作品のpopに私の感想が引用された部分です。ガガガ文庫様、素敵なpopにご引用いただきましてありがとうございました。
『いつも当たり前のようにいる大切な人はいつか必ずいなくなる。大切な人との時間は大切なんだと改めて思える作品です。』(ジジ)
四季大雅の作品
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