千歳くんはラムネ瓶のなか (9) (ガガガ文庫)

  • 小学館 (2024年8月20日発売)
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本 ・本 (520ページ) / ISBN・EAN: 9784094532036

作品紹介・あらすじ

いつまでも色あせない、青に染まれ。


ついに藤志高祭が幕を開けた。
2か月の準備を経て、この3日間にありったけを注ぐ青春の祭典。

校外祭は優空の吹奏楽ステージ、体育祭は陽との二人三脚。応援団では、紅葉や明日姉たちと青色海賊団のパフォーマンスがひかえる。
そして最終日。俺、千歳朔こと優柔不断な王子さまは、白雪姫と暗雲姫のどちらかを選ばなければならない――。

なにもかもは掴めず、誰もが鏡に向かって問いかけている。
それでも俺たちは、たったひとつの望みにかけて、願う。

どうか今だけは。
いつまでも色あせない、青に染まれますようにと。

感想・レビュー・書評

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  • 美しくなければ生きている意味がない。自分の信念とひたすらに向き合う千歳。しかし恋愛においていついかなる時も自然体ではいられない。シリーズ前半は千歳無双を描き、後半、夏の出来事から長らく思い悩む千歳の成長が見て取れ、9巻で一つの結末を迎える。もちろんチーム千歳の面々も飛躍的に心が成長し、夏から秋にかけて忘れられない時になった。
    青春をこんなにも綺麗に切り取り、僕らが欲してやまない風景、感情を見事に読ませてくれる現代最強のライトノベルは、恋愛を通じて美しい生き方について提示してきた。
    着地の完成度が高い。

  • 自分らしさがわからなくなるけど、迷ったり周りに励まされたりしながら生きていく。

    この作品は言葉の言い回しが気障なところが多いけど、一度きりの青春を精一杯駆け抜けていく感じがして、それがまたいい。

  • どういう物語なのか
    どういう物語にしたかったのか
    どういう物語になっていったのか
    生まれ
    変化し成長し
    お互いに影響を与え合って
    今につながっているから
    一瞬を切り取る
    お祭りの三日間だけを切り取る
    始まるから
    終わりが来て
    節目になって
    次につながっていく
    この物語で大きな節目を迎えたからこそ
    その先には
    何があるのか
    何もないのか
    彼ら彼女らの未来に
    つながっていくからこそ
    物語としては先が見えたような気もするのに
    未来はずっと続いていくように感じ始める
    キャラクタの視点をしっかりと描いてくれているから
    生き生きと感じる物語

    ここまでアニメになるかな
    最後までアニメになるかな
    期待をしながら

  • 学祭本番回であり、紅葉を巡る一連のエピソードの(一応の)決着回なのだけど、それよりもやっぱりこの巻は悠月の回だよなあ。
    そして夕湖の告白からどこかヘタレていた朔がようやく”千歳朔”を取り戻す回でもある。
    その決定的な役割を悠月が果たすのだけど、朔を叱りつける彼女のなんとかっこいい事か!いやマジで惚れる。

    それにしてもこの物語に登場する女の子たちは誰も彼もズルくないんだよなあ。むしろちょっとぐらいズルくてもいいんだよと言ってあげたくなるのだけど、そうじゃないからこそグッとくるのだ。
    サックスのソロを吹く優空や、二人三脚の陽とか。
    もちろん紅葉を追いかけろと怒る悠月も。

    今回朔は”千歳朔”を取り戻すきっかけをくれた自分の合わせ鏡のような悠月を選んだけれど、緊張から解き放たれた彼女が流す涙があまりにも美しすぎてもうどうにでもなれと思った笑 
    でもこれは逆に物語のお約束として最終的には選びづらくなったような気もしてる。うーん、難しい。

    それはそれとしてやっぱり朔はモテすぎではなかろうか?爆発しろ!

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著者プロフィール

裕夢(ひろむ)
福井県出身の作家。『ラムネの瓶に沈んだビー玉の月』で第13回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞。受賞作を改題したデビュー作、『千歳くんはラムネ瓶のなか』を2019年6月18日に刊行。

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