本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784094607116
感想・レビュー・書評
-
著者、スターリング・ノースさんは、ウィキペディアによると、次のような方です。
---引用開始
トーマス・スターリング・ノース(英:Thomas Sterling North、1906年11月4日 - 1974年12月21日)は、アメリカ合衆国の作家・文芸評論家。
日本では、1977年に放送された日本のテレビアニメ作品「あらいぐまラスカル」の原作者として知られる。
---引用終了
で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。
---引用開始
北米の大自然の中で、どこにでもいる冒険好きの少年が出会った小さな生き物。だんだら模様のしっぽを持ち2つのビーズ玉のような目をしたそのちっぽけなあらいぐまの赤んぼうは、ラスカル(やんちゃ坊主)と名づけられた…-という話で始まる、この少年とあらいぐまの愛と友情の物語は、世界各国の全ての年令層の人々に愛読されたが、この度、新たなる注釈も加え更に魅力を増して再登場した。
---引用終了
私事ですが、実家の天井裏にアライグマが住み着きまして、対策中です。
現在の日本では、アライグマによる獣害が増えているようですが、まさか自分がそれに係わるようになるとは。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2012/7/4購入
-
アニメは見ていないんだけど、エッセイみたいな味わい。物語としては物足りないが、思いがけずフライフィッシングなんかも出てきてそういう意味では楽しかった。ラストが夢の一場面みたいで、印象深い。
-
舞台となる1918年のウィスコンシンは、まだ人間の居住地はその広大な緑の海に浮かぶ小さな島のような存在でした。
スターリング・ノースが巧妙に描き出すのは、この境界線の曖昧さと、そこに潜む根源的な不安です。少年がラスカルを家に連れ帰った瞬間から、物語は静かな侵犯の物語となります。野生の領域から人間の領域への、そして最終的には人間の領域から野生の領域への。
ラスカルという存在は、この境界線の両義性を体現しています。彼は愛らしいペットでありながら、同時に森からの使者でもあります。ノースの筆致で最も印象的なのは、ラスカルの中に徐々に現れる「他者性」の描写です。夜中に響く低い唸り声、人間には理解できない探索行動、そして何より、遠くから聞こえる野生の同族の呼び声への反応。これらの瞬間において、少年は自分が愛していると思っていた存在の中に、完全に異質な知性が宿っていることを発見します。
この発見の過程には、現代の都市生活者が完全に失った感覚への郷愁があります。我々は動物を管理可能な存在として捉えることに慣れすぎており、野生動物が持つ根源的な自律性を忘れています。しかしノースが描くラスカルは、人間の愛情や配慮を受け入れながらも、決してそれに従属しない存在です。彼の中には何千年もの進化の記憶が宿っており、それは人間の教育や感情では決して書き換えることのできない領域なのです。
特に戦慄的なのは、ラスカルがじっと少年を見つめる瞬間の描写です。その瞳の奥に宿る知性は、人間のそれとは根本的に異なる論理で世界を理解しています。少年はこの視線の中に、自分には決して理解できない深い森の記憶を感じ取り、言いようのない孤独感に襲われます。愛情を注いでいるはずの相手が、実は自分とは全く異なる世界の住人であることの発見。これこそが、この物語に流れる静かな恐怖の源泉です。
ノースはまた、季節の循環と野生の覚醒を巧妙に重ね合わせています。春から夏へ、そして秋から冬へと移り変わる自然のリズムに合わせて、ラスカルの中の野生性も徐々に顕在化していきます。これは単なる成長物語ではなく、人間の時間感覚を超越した、より大きな自然の意志の現れとして描かれています。
最終的にラスカルが森へと帰っていく結末は、単なる別れの物語ではありません。それは、人間が自然界における自分の位置を再認識する物語でもあります。森は奪われたものを取り戻しに来るのであり、人間はその意志に従うしかない。この諦念にも似た受容の中に、失われた時代の智慧が宿っています。 -
アニメ「あらいぐまラスカル」の原作。あらいぐまのラスカルと少年スターリングの心温まる交流を描く。
-
CX7
著者プロフィール
スターリング・ノースの作品
本棚登録 :
感想 :
