くせもの英単語帳―あなたのうろ覚えを完全退治!

著者 :
  • 小学館
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784095110035

作品紹介・あらすじ

音・和製英語・スペル・多義語・同音異義語・日本語訳の6つの点から、間違えやすい「くせもの英単語」をクイズ形式で紹介。正しく覚えて、使いこなすためのコツが満載。

感想・レビュー・書評

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  •  Part 1は「音が似ているけど違う」というprincipleとprincipalとかproceedとprecedeなど。Part 2はいわゆる「カタカナ英語」にまつわる表現で、smoke-freeの意味、home pageとweb siteの違い、など。Part 3は綴りが似ているadaptとadopt、flightとfrightなど。Part 4は単語の持つ意外な意味。address, badly, giftなど。Part 5は発音が同じで綴りも意味も違うという、healとheel、roleとrollなど。そして最後のPart 6が最も数が多くて、訳は同じだけど意味が異なるという、byとuntil、includeとcontain、agoとbeforeなど。全部で100。
     最近似たような、受験生向けの英単語本『まとめて覚える似たもの英単語』というのを読んだが、それよりも親切丁寧、イラストも面白くて、普通に読める1冊。わりとオーソドックスな内容で、語源や韻を踏む単語を挙げて、分かりやすく提示している。「楽しく覚えられればそれに越したことはない。と言うか、こんなややこしいことを真面目にやってられるか、というのが本音だ」(p.3)ということで、英語嫌いにならずに読み終えられるのが一番大きい。ユーモアやこじつけもあるが、著者は「英語史研究家」で英語史関係の本も他にたくさんある人なので、内容的にも安心して読んでいいと思う。
     面白かったのはbald「はげた」とbold「大胆な」。「驚きなのは、このboldが昔はbaldとつづられていたことだ。『はげた』と『勇敢な』が同じスペルではまずい、ということでboldに変えた」(p.66)らしい。でもAlec Baldwinにあるように、家名には昔のbaldが残っている、という話が面白い。「彫る」のcarveと「曲線」のcurveもややこしいけど、これもartistやcarpenterなど木を彫りそうな人の単語のつづりと関連させれば覚えられる(p.72)、とか、そういう風な「年の功」みたいな覚え方が載っているのがいい。同じようにbutterflyがflutterする(p.84)、とか。flatterではなく。crashはcarを連想させて、あと「ガチャン」の母音と同じ(p.74)、と覚えるらしい。ちなみに分かりやすいと思った説明は「crushは硬が軟を、重が軽を『押しつぶす』とき」で、「clashは硬と硬が同等の力で『ぶつかり合う』を表す。glass(ガラス)やmetal(金属)を連想」(同)というのも、そこまで言える英語の先生がいたら生徒も分かりやすいだろうと思う。あとin spite ofとdespiteの話で、in despite ofという形がある(p.100)というのを知らなった。さらに言えばdespise(軽蔑する)の変形、と言うのも、言われてみて気づいた。「うまい説明」としては、「affect:せきをする→infect:菌が入る→effect:熱が出る」(p.102)で、これを覚えておけばperfect、というやつ。あと生徒に訳させてみたい文もいくつかあったが、例えば He is an eminent surgeon with a large practice.(p.134)とか、こういう話をサラッとしてみたい。
     単調になりがちな単語の本で、わりと面白いと思った本。(19/06/18)

  • 面白い。英語の本来の意味が解った気がする

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著者プロフィール

英語史研究家。サンフランシスコ州立大学留学後、早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。河合塾講師、旺文社大学受験ラジオ講座講師などを歴任。おもな著作に、『生英語で鍛える英文法』『絵解き式 読まずにわかる英文法』『ネイティブが使う英語・避ける英語』『ウソのようなホントの英文法』『英文法のカラクリがわかる』『リズムと語源でスラスラ覚える英単語』(以上、研究社)ほか多数。

「2015年 『困ったときの 英会話ごまかしフレーズ120』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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