よくわかる仏像の見方: 大和路の仏たち (アートセレクション)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096070024

作品紹介・あらすじ

手が千本、顔が11、目が3つ-仏像はなぜこんな形をしているのか?素朴な疑問から仏の造形・仏の心までやさしく解き明かした仏像鑑賞の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 見仏記と並行して見るのが楽しい。

  • なぜ、奈良に行く前にこの本を読まなかったのか。
    近くまで行っていなかがら、見逃した素敵な仏像がこんなにあっただなんて…。

    この本は、1体につき4〜5枚の大きな写真を掲載してあり、かつ、すごく仏像が魅力的に撮ってあって、見応えがある。説明もやさしく、入門者の見る写真集としては、完璧じゃないでしょうか。

    繰り返し写真を眺めてしまう良書。

  • 2002年11月9日読了。

  •  東京国立博物館平成館で「国宝 阿修羅展」が開催中。テレビでも「阿修羅」像の姿を映し、繰り返し宣伝していた。GWに行こうと思いネットで調べたが、もの凄い来場者の数ということで、すかっり腰が引けてしまった。入場制限はかかるし、売店の阿修羅像フィギュアも完売してしまうほどの盛況らしい。仏像は静寂の中で見たい。そこで、図書館に行って、写真が豊富な仏像の本を探して、本書を見つけた。初心者にはピッタリの本だった。やさしく、わかりやすい解説に好感を持った。たとえば、「阿修羅」像。悪神だった阿修羅だが、改心して仏教徒になりお釈迦様を守っている。元は悪神だったためこわい顔をしていた。お釈迦様の説法に聞きほれるうちに童心に戻って少年のような表情になったのが、興福寺の阿修羅像なのだという。真摯なまなざしが、説法に聞き入っている様子を見事に表現している。からだは細く弱々しい。筋肉というものを削ぎとって、戦う意志のないことをあらわしているらしい。つまり、からだ全体で仏教徒になりきった姿なのだそうだ。顔が三つ、手が六本。密教的表現で、これにもわかりやすい解説があった。博物館に行くのをやめたかわりの本であったが、実に素晴らしかった。そうそう、心動かされた像をもうひとつ。興福寺の「無著・世親像」(鎌倉時代の木造・彩色。国宝)。この「無著(むちゃく)像」の目を見てほしい。やや前かがみの姿勢、肉の落ちた頬、そして、涙を溜めた潤んだ瞳は、見る者に多くを語る。

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著者プロフィール

大阪生まれ。1940年東京美術学校彫刻科卒業。美術院国宝修理所長、東京芸術大学教授、吹田市博物館長、天台宗愛宕念仏寺住職等を歴任。1941年から三十三間堂の十一面千手観音の千体像をはじめとして、全国各地の国宝、重要文化財1300体の仏像修復にたずさわる。1952年37歳で得度、1955年愛宕寺の住職となる。1983年母校の東京芸術大学教授を退官。社会人を対象にした仏像彫刻を造る講座の指導を始めるなど、仏教を通しての宗教活動を積極的に行う。1983年仏教伝道文化賞、1986年天台座主山田恵諦猊下から「天台大仏師法印」号を授与される。著書:『仏の世界観』『やさしい仏像の見方』、『ほとけの顔』、『仏像の再発見』、『祈りの造形』など他多数。

「2019年 『ほとけの姿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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