律令国家と万葉びと (全集 日本の歴史 3)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096221037

作品紹介・あらすじ

「日本」という国の成り立ちと万葉びとの生活誌。

感想・レビュー・書評

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  • 飛鳥奈良の文化

  • KH3a

  • 飛鳥時代から奈良時代ぐらいまでの
    日本が国家体制を少しずつ作り上げていく期間を取り上げている。
    政治関係は最低限しか書いてないので、
    事前にある程度教科書的な知識を入れておかないと困るかも。
    当時の人々がどうやって暮らしていたのか、このあたりが細々書かれていている。
    遣隋使、遣唐使を経て、日本が試行錯誤しながら
    国として形を整えていく感じがよく分かる。

  • この巻では、日本の古代史の中でも過度期の初期の飛鳥・奈良時代を解説されています。

  • 飛鳥、奈良時代の400年は、日本という国家が確立し、整えられていく時代。暦や文字、年号が使われ、国による支配体制が確立していったのがこの頃。

    仏教が朝鮮半島から伝わり、東アジアとの外交かが始まったのもこの頃で、現代にも生きているあらゆる制度や仕組み、技術が生まれた。

    遠い過去の歴史を紐解き、原点を知るのに役立つ歴史が記されている。

  • 中央図書館で読む。再読です。前回、どこで読んだのか記憶がない。このシリーズは、珍しく読破できそうです。この手のシリーズものを読破したことはありません。その意味で、非常に珍しいです。それだけ、暇なのでしょう。興味を持ったのは、日本の官僚制です。歴史の教科書では、内発的な理由で、官僚制は整備されたと指摘されています。しかし、この本は別です。外交交渉のためだと指摘している。対隋交渉は失敗しました。何故ならば、国内制度が未整備だからです。官位すらないのです。どんな権限があるのかすら分かりません。隋から見れば、文明国ではありません。そのため、日本は、官位を整備しました。その官位も、時代とともに、変化しました。最初は、韓国風でした。これは、韓国の影響が強かったからです。それに対して、中国風になります。交渉相手が変わったからです。こう考えると、格式の意味が理解できます。律令は建前に過ぎないのでしょう。

  • 後発の日本の通史のシリーズだけに、意欲的な巻が続く。

    律令制=官僚制国家の土台となったテクノロジーである文字・暦・歴史から話を始め、東アジアの交流史や民衆史等を横目に見つつ、当時の社会状況を描く。

    「国家」の成立過程とその変容を、いかに政治史上の固有名詞に頼らずに叙述するか。わたしは著者の目論見は、成功しているように思えた。

  • 奈良時代あたりを中心に当時の人々の生活文化を中心に描いている。個人的には当時の政治状況が知りたかったから、ちとミスマッチだった。

  • 扱っている時代は5世紀から9世紀まで。
    歴史的な出来事や人物を特に取り上げたわけではなく、この400年で人々がどのように変化していったのかと言う点を説明してます。
    史料のみならず、発掘された考古遺物の写真もしようされ、当時を生きた人々の息遣いが聞こえてきそうな内容です。

  • 飛鳥・奈良時代。
    朝鮮半島から中国へと国交の重点が次第にシフトしていく時代。
    日本は律令国家として地方を支配下に治め、次第に「国」として機能し始めていく。
    その中で、地方の豪族が国家の一機関に変貌していく様子や、戸籍や税制、役人のはじまり等、
    今回も豊富な資料をもとに解説されている。
    冠位十二階の制度による上級官人と下級官人の格差。
    既得権を守るためにできたような蔭位の制。
    税収をピンハネする地方役人。
    どっかで聞いたことがあるような事柄が1000年以上も前、役所の制度が出来た途端に起こっている。
    そりゃ、今更庶民が騒いだところで役人が変わるわけないよなーと変に感心してしまった。

    この本に聖徳太子や蘇我親子は登場しない。
    歴史の再確認のためにこのシリーズを読み出したがこの辺りが少し残念だ。

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著者プロフィール

1964年、福岡県生まれ。1988年、東京大学文学部国史学専修課程卒業。1999年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、学習院大学教授。 ※2023年1月現在
【主要著書】『地下から出土した文字』(山川出版社、2007年)、『律令国家と万葉びと』(小学館、2008年)、『大伴家持』(山川出版社、2015年)

「2023年 『律令制諸国支配の成立と展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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