全集 日本の歴史 第11巻 徳川社会のゆらぎ (全集 日本の歴史)
- 小学館 (2008年10月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (370ページ) / ISBN・EAN: 9784096221112
作品紹介・あらすじ
幕府が開かれ100年が過ぎ、成熟したかにみえた18世紀の江戸社会。しかし、相次ぐ地震・火災・水害・旱魃・飢饉に人びとは動揺する。「公儀」の名において復興や救済を行なう幕府も財政がひっ迫し、思うように統治力を行使できない。いっぽうで民間に蓄えられた「知」の力が、幕府や藩に取り込まれたり、地域のリーダーとして活躍の場をひろげはじめる。
統治者と非統治者が真向かい、せめぎ合うなかで、獲得される知恵や工夫が次の時代への力となり蓄積されていく。転換期を迎えた江戸時代の、人びとが生きぬこうとする姿を多彩な史料からときおこす。
感想・レビュー・書評
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・人口増加と耕地拡大という観点から見れば、18世紀は停滞期。幕府や藩の財政危機が本格化したうえ、地震・噴火・洪水・火事・飢饉といった災害が頻発した。
・こうした状況に幕府は統治権限や財政基盤を強化する一方、藩や民間の力を公共事業に動員しようとした。これはやがて幕府の公共機能を低下させ、藩や民間の自立を促すことになった。
・徳川期の日本人は領主・身分団体・家という3つの関係に包まれて存在した。これらは義務と保護、奉仕と扶養の関係にあり、この関係から見放されると生活や命の保証はなかった。
・1680年に将軍となった綱吉は、門閥譜代中心の政治から将軍専制化による側用人政治への転換を行った。
・近世小氷期と呼ばれる1550年~1880年の中でも1610~1650年、1690~1720年、1820~1850年は非常に寒冷な時期だった。
・18世紀後半の宝暦・天明期は殖産興業に関して「国益」が議論されるようになる。「国益」では複数の「国」の間に「国」際関係があることが前提となるが、「国」には幕府が代表する徳川日本と大名領国の2通りの考え方があった。本多利明は海外貿易の拡大や蝦夷地開発を説き(前者)、海保青陵は藩営専売の推進を説いた(後者)。
・田沼時代の殖産興業では専売制をとることで(1)供給や価格を安定させ、(2)専売を行う座や会所から運上金をとって幕府財政の安定を図った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
襲いかかる災害に幕府の威光は危機にさらされる。
ほころびはじめた徳川幕府と成熟する民衆の力。
歴史が未来を切り拓く。
[ 目次 ]
はじめに 成熟か、停滞か
第1章 綱吉・吉宗と「公儀」
第2章 享保と天明の飢饉
第3章 田沼時代と国益
第4章 「いのち」の環境
第5章 都市と「世間」
第6章 社会の胎動
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