- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096221136
作品紹介・あらすじ
近世の庶民はいかにして「近代化」されたか。民衆が出会った「御一新」の苛酷なる現実。
感想・レビュー・書評
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これは楽しい。
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横浜市図書館で読む。正直、期待はずれでした。このシリーズは、いつも面白いです。ただし、この本は面白くありません。何故、面白くないのでしょう。ベテランだからでしょうか。このシリーズのライターには、ベテランもいます。しかし、この手の啓蒙書は初めてです。ですから、力が入っています。それが、読んでいて、面白いのです。それに対して、このライターは、多くの啓蒙書を書いています。そのため、他のライターのような新鮮さが欠けるのです。残念です。それにしても、この手のシリーズも、そろそろ完結です。この手のシリーズを最後まで読んだことがありません。珍しく、最後まで読むことが出来そうです。今まで、この手のシリーズを最後まで読んだことがありません。「興亡の世界史」もどうにかなりそうです。「現代思想の冒険者」、「中央公論 世界の歴史」、「講談社 日本の歴史」も読みきれるといいのですが、どうなるでしょう。
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幕末維新を庶民の観点で考察しており、学校で学ぶ歴史とは異なった側面を学ぶことができる。新鮮な切り口もあり、一読の価値あり。
四民平等が部落差別を生んだことなど、庶民レベルに考えると却って江戸時代の方が「幸福度」が高かったのかもしれない。
以下引用~
・このように、外国貿易は地域・業種・階層によってさまざまな影響を与えたが、全体としてみれば、幕末の日本経済には外国貿易にすみやかに対応して利益を上げるだけの、情報・生産・流通・資本の基盤やネットワークがつくられていたのである。
・「日本では婦人の交際上の自由が広く認められていますよ。食事の世話をして家の中が片付いたら、婦人はどこへ出かけてもかまいませんし、火鉢を囲んでお茶を飲みながら気のあう人とおしゃべりするのも自由です」と、横浜周辺と接していたマーガレット・バラは書いている。
・(廃藩置県)「もし各藩にて異議等起こりそうらわば、兵を以って撃ち潰しますの外ありません」という西郷の一喝で決着した。まことに「西郷おそるべし」というほかない。
・(明治新政府は)猿まわし・ごぜ・山伏・乞食などへの施しを繰り返し禁止した。(江戸時代は)善根を積むことで現世・来世の幸せが得られるという功徳の発想は、仏教に限らず信仰を支える重要な要素だろう。また、安穏に暮らす庶民が極貧者に施すのも「徳義」のひとつである。
・(岩倉使節団)大久保や木戸は、西洋文明国にはそれぞれ歴史的な特質や蓄積があり、留守政府のように急進的な制度改革を強行するのではなく、日本の現実にあわせた着実な施策が必要だと痛感させられていた。
・明治15年1月には軍人勅諭が出された。・・・これは天皇自身が署名し、太政大臣を介さず陸海軍卿に直接授けられた。・・・軍人勅諭は陸海軍が「天皇の軍隊」であることを明確に宣言したものだった。
・山縣は、軍隊だけでなく地方行政や治安など内政全般を主管する内務官僚とも緊密な関係をつくりあげ、やがて伊藤に対抗する官僚勢力の要となっていく。
・王政復古以来、政府の正統性を天皇に求めつつ天皇の介入を排除し、いかに合理的で安定した国家運営を行うかが政府首脳にとって最大の難問であり、伊藤がシュタインに問うたことでもあった。 -
[ 内容 ]
近世の庶民はいかにして「近代化」されたか。
民衆が出会った「御一新」の苛酷なる現実。
[ 目次 ]
第1章 幕末の激動と民衆
第2章 「御一新」の現実
第3章 自立と競争の時代
第4章 平等と差別の複合
第5章 近代天皇制への助走
第6章 「帝国」に向かって
第7章 国民・民権・民衆
第8章 帝国憲法体制の成立
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