日本文化の多重構造: アジア的視野から日本文化を再考する

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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096261156

作品紹介・あらすじ

柔軟性と多様性。「焼畑農耕」「照葉樹林文化」「稲作文化」をキーワードに、アジア的視野から俯瞰する。佐々木高明「日本文化論」総集成。

感想・レビュー・書評

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  • 焦点は水稲耕作文化で,著者は学者としての自制心から敢て推論を控えているフシがあるのだが,稲作文化の発祥発展地域であるアジアでは非常に多種多様なコメ文化が存続し,渡来当初の古代日本から中世末期にも,その多様性は健全に存続していたことを豊富で新しい資料から分野横断的に語る.
    特に環境親和性の高い農法としての焼畑農業に関する考察は極めて興味深い.また,ハレの聖餐たる「モチ」の粘り嗜好とは,遥か古代に日本列島にこれを持ち込んだモチゴメ文化圏の名残が継承されたものではないかという控え目な推論は非常にエキサイティングである.そして,それがどうして今の日本に見られるような排他的水稲文化に集約されて行ったのか…は書かれないが,これは私の関心のありどころであって本書の責ではない.

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著者プロフィール

出席者
佐々木高明(前・国立民族学博物館館長/財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構理事長)
野村義一(北海道ウタリ協会前理事長)
榎森 進(東北学院大学教授)
加藤一夫(静岡精華短期大学教授)
常本照樹(北海道大学教授)
大塚和義(国立民族学博物館教授)
尾本惠市(国際日本文化研究センター教授)
吉崎昌一(静修女子大学教授)

「1997年 『アイヌ語が国会に響く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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