新編日本古典文学全集 (67) 井原西鶴集 (2)

  • 小学館
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (622ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096580677

作品紹介・あらすじ

珍談奇談・人間模様を巧みな構成と語り口でつづる、西鶴の傑作短編集。

好色物で人気を得た西鶴は、一躍京都・大阪・江戸三都を席巻する流行作家です。ここに収録したのは、その脂ののった時期の短編集で、三作合わせて九五話。 西鶴の鋭い人間観察と豊かな表現は、それぞれの登場人物を躍動させています。とりわけ自己主張する女性は、倫理的には否定されるにもかかわらず、今に思えば魅力的ともいえます。家来との仲を糾弾され自害を迫られても、恋は不義にあらず、死ぬ理由がない、とつっぱねる武家の姫。早死にした姉たちを弔えという勧めにも知らん顔、尼になるくらいなら、と家出してしまう末娘。――彼女たちの自我に喝采を送るのも、読み手に許された自由です。 「男色」と聞くと、一瞬ひるみますけれども、近世も初めの頃は、アブノーマルでも何でもなく、女色・男色どちらも当然、という健全な(?)時代であることを念頭におけば、ラブ・ストーリーとして読めなくもありません。アブナイ陰の世界でなく、貞節・嫉妬・三角関係・心中といった定番のテーマが堂々とくりひろげられます。 まあ、週刊誌でも読むつもりで本を開いてください。狐狸・天狗から人形まで登場する怪異譚、レイプあり乱交ありの女色男色、殺人・心中・敵討ち、ジャーナリズムにのった西鶴の、旺盛なサービス精神は読む者を飽きさせません。

感想・レビュー・書評

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  • 「西鶴諸国ばなし」怪奇譚のようでもあるが、全体に文も短く軽い。読みやすくて面白かった。まあ序がすべてを語る。
    「熊野の奧には、湯の中にひれふる魚あり。筑前の国には、ひとつをさし荷ひの大蕪あり。豊後の大竹は手桶となり、若狭の国に二百歳の白比丘尼の住めり。近江の国堅田に、七尺五寸の大女房もあり。丹波に一条二尺の乾鮭の宮あり。松前に百間つづきの荒和布あり。阿波の鳴門に、竜女のかけ硯あり。加賀の白山に、えんま王の巾着もあり。信濃の寝覚の床に、浦島が火うち筥あり。鎌倉に頼朝の小遣張あり。都の嵯峨に、四十一まで大振袖の女あり。
     これをおもふに、人はばけもの、世にない物はなし。」
    話半分で面白おかしく読んでくれって読み物。しかし、四十一まで大振袖の女ってここのオチだけ妙にリアルで、流石は西鶴。
    4-7、さっくりと注で「鯉の口を性の処理に使っていたのである」とかあって目を剥く。人外恋愛ぶちこんできただけあるなあ‥‥「惣じて生類を深く手馴れる事なかれ」ってそうじゃないだろ。もっとやってることやばい奴だろとつっこみたい。

    「本朝二十不孝」親不孝の羅列と思いきや、三人の姉がお産で死んだ為、菩提を弔いたいと出家を願う四女までも嫁にやり同じ運命をたどらせた親なども。やはり暗澹としていてあまり面白い読み物ではなかった。江戸時代はこんなふてえ輩がいるのか、と他人の不幸の類で読まれたのだろうか。

    「男色大鑑」男女物出て来るとこちとらBL読んどるんだぞ????は????ふざけんなって過激派腐女子が顔を出すあたり我ながら業が深い。しかしまあ総じて萌えとかはなく。男同士の契りなりを重んずる義の話が多かったような。その中で4-3が萌えました。船遊びの様子・若衆がかわいい上に、その若衆が元服するまでは待って差し違える兄分の友人達、???その関係は一体???って感じでどちらかというとこの謎心中に興味が湧く。割合当時の衆道の関係をきちんと把握してないためにわからなかった話も多かったかもしれない。後悔。

  • 井原西鶴の男色の話が読みたいんです。
    が、どこにも売ってないし図書館行くより手元に置いておきたいし

  • 稚児さんが凄い。エロい。

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