山本周五郎中短篇秀作選集〈2〉惑う

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 18
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096772027

作品紹介・あらすじ

"あるべき"姿と"ありたい"姿。その狭間で、人はなにを見出すのか。生誕100年の時を超え、いま新たに蘇る珠玉の作品の数々。

感想・レビュー・書評

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  • 「泥棒と若殿」
    子供の頃から苦労をし、初めて泥棒に入った古屋敷には、三日も食わずで死のうとしていた若殿がいた。泥棒・伝九郎は、若殿・成信に飯の支度をし、そのための銭もかせぎ、一緒に暮らし始めた・・・。
    伝九郎、良い人過ぎるよ。

    「おたふく」
    おしずは、長く貞二郎(彫金師)を思っていた。妹が嫁ぎ両親も亡くなり、しばらく一人で暮らして、三十二になった。思いもかけず、貞二郎と結婚することとなる。長く思い続けていた間、貞二郎の彫金の作品を集め、男物の高価な着物を買い、着ている姿を思っていた。その高価な品物を見た貞二郎は他の男がいるのだと、思い込んでしまう。酒に溺れる貞二郎と、そんなことは思いもせず、恥ずかしくそれらの品物についてはぐらかすおしず。
    純粋すぎるおしずに振り回される貞二郎…。

    「妹の縁談」
    前作のおしずの妹・おたかの縁談話。
    おしずさん、天然過ぎ。

    「湯治」
    縁談話の続き。結婚前に姉妹と姑、仲人(?)の女だけで湯治に行こうという話になる。しかし、世を変えると偉ぶり、家族から金を巻き上げてきた姉妹の兄が現れて・・・。
    受難なおしずさん。

    「なんの花か薫る」
    岡場所のある店で働くお新。その店に刃傷沙汰を起こし、逃げ込んだ房之助。お新は仕事仲間の菊次に客に惚れてはいけないと釘をさされる。礼に現れた房之助はお新を嫁にすると言い、お新も身を清めるため、半年客をとらずに過ごした。だが、祝いだと店に来た房之助は、「結婚の話を本気にしたのか」と笑い、元々の許嫁との縁談の話をして帰っていく。
    女の敵、房之助(`ロ´)!

  • 2015年10月刊。晩秋、金五十両、泥棒と若殿、おたふく、妹の縁談、湯治、しじみ河岸、釣忍、なんの花か薫る、あんちゃん、深川安楽亭、落葉の隣りの12作品。タイトルに「惑う」とあり、鬱な話が3編は、それほど楽しめませんでした。しかし、釣忍や、おたふく物語は(おたふく、妹の縁談、湯治)読み応えがあり、ああだこうだと気持ちが揺れるところが、面白かったです。

  • 他の短編集で「おたふく」を読んで気にいっていたのだが、3部作のうちの一つだったんだ。
    おしずさんにそんな悲しい境遇だったなんて知らなかった、幸せになってよかった。
    私もおしずさんのように、不幸を明るく笑いとばせる人間になりたいなぁ。

  • 、『晩秋』『金五十両』『泥棒と若殿』『おたふく』『妹の縁談』『湯治』『しじみ河岸』『釣忍』『なんの花か薫る』『あんちゃん』『深川安楽亭』『落葉の隣り』の12作品。

  • 近くの図書館の周五郎作品は大分古く,しかも傷んでいる。そんなとき,この短編集に出会った。「おたふく」はもちろん,「晩秋」「なんの花か薫る」など名作だらけ。

  • 「惑う」・・・現代に生きる我々がこの言葉を使う時は、どんな時だろう?
    この小説の「惑う」は、現代が忘れた「惑う」です。

    鉄平さん、志村屋さん同様に、
    「おたふく」「妹の縁談」「湯治」の三部作(?)が絶品だと思います。

    江戸って、いい時代だなあ。
    いやいや、この「清貧」の心、今だって持って生きることは可能なはずです。
    何を読もうか迷ってる御仁、惑わずこれを召し上がれ!

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