永遠の詩 (全8巻)1 金子みすゞ (永遠の詩 1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096772119

作品紹介・あらすじ

彗星のように現れて消えていった天才童謡詩人、金子みすゞ。いのちの尊さや宇宙の真理をうたい永遠に輝きつづけるその童謡詩を、現代仮名遣い、鑑賞解説付きで収録。

感想・レビュー・書評

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  • 金子みすゞさんの詩集ですね。
    みすゞさんの詩はおりにふれて目にする事はありましたが、短いなかにも心惹かれるものの多いのに感心していました。
    今、こうして詩集として声に出して読んでみると、みすゞさんの宇宙が私の命のなかにも響きます。
    50篇の作品が紹介されています。

    蜂と神さま

    蜂はお花のなかに、
    お花はお庭のなかに、
    お庭は土塀のなかに、
    土塀は町のなかに、
    町は日本のなかに、
    日本は世界のなかに、
    世界は神さまのなかに、

    そうして、そうして、神さまは、
    小ちゃな蜂のなかに。

    みすゞさんはとても真実を汲み取る力が強かったのではないでしょうか。
    みすゞさんの生涯は悲しい結果に終わったようですが、みすゞさんの命は詩編を通して生きつづけますね。
    なにも書かなくても、みすゞさんの素晴らしいさは、詩にふれることで揺さぶられます。
    みすゞさんの作品を探しあてられた、解説の矢崎節夫さんに深く感謝いたします。
    言葉に言い表されない感動と温かさをもたらしてくれる、みすゞさんの作品は永遠の輝きがありますね。

  • 「おはじき」
    空いっぱいのお星さま、
    きれいな、きれいな、おはじきよ。

    ぱらり、とおはじき、撒きました、
    どれから、取ってゆきましょか。

    あの星
    はじいて
    こう当てて、
    あれから
    あの星
    こう取って。

    取っても取っても、なくならぬ、
    空のおはじき、お星さま。


    <解説より>
    みすゞが瀬戸崎尋常小学校に入学した1910年(明治43)ハレー彗星がやってきた。大接近する5月19日未明、彗星の尾が地球の大気に影響を与えて、空気が十分間なくなる、といううわさが立ち、日本でも、空気をためるために自転車のチューブが飛ぶように売れたという。本好きのみすゞは、星や宇宙に関する本を読んで、想いを広げていたにちがいない。


    「小さなうたがい」「美しい町」「木」「日の光」「さよなら」「見えないもの」「さびしいとき」「女王さま」もよかったです。


    金子みすゞ(かねこみすず)
    1903年(明治36)~1930年(昭和5)。
    大正末の童謡界に彗星のように現れ、西条八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と称賛されたが、26歳の若さで自死。没後、半世紀以上を経て、遺された手書きの童謡集が発掘され、この世によみがえった。

  • 衝撃的すぎて、読後倒れるかと思った・・・
    まど・みちおを読んだときを思い出す。
    素通りしてきて、自分は今まで一体何をしてきたのか・・・
    ---
    「降りる子は海に、/乗る子は山に。//船はさんばしに、/さんばしは船に。//鐘の音は鐘に、/けむりは町に。//町は昼間に、/夕日は空に。//私もしましょ、/さよならしましょ。//きょうの私に/さよならしましょ。」(さよなら)
    ---
    「蜂はお花のなかに、/お花はお庭のなかに、/お庭は土塀のなかに、/土塀は町のなかに、/町は日本のなかに、/日本は世界のなかに、/世界は神さまのなかに。//そうして、そうして、神さまら、/小ちゃな蜂のなかに。」(蜂と神さま)

  • なるほど、素晴らしい詩なのかもしれない。だけど、今は疲れて読み解けない、考えられない。

  • 金子みすずの作品に、うるさくならない程度のメモがつく。読みやすい。

  • 20180624 作者についての事前情報だけが入っていたので素直に読めなかった詩もある。詩と向き合う時は素直に受け取るだけで色々な雑念は無視することから始めようと思う。永遠の詩シリーズは気持ちの問題だが全部読めば分かることもあると思う。

  • 普通に過ごしているうちは目に入ってこないものたちに向ける、優しい眼差し。
    金子みすゞの詩は、そんな慈しみに溢れています。

    日常の風景を美しく切り取る作家の言葉も好きだけど、こんな風に見えなかったもの達の素朴な美しさや佇まいをたった数行で示してくれる詩人の言葉にも、いつの間にか胸を突かれる歳になったんだなァ(笑)。

  • なんだか心の中が空っぽで、そんな時、詩なら素直に読めるかなと思い、かねてから気になっていた金子みすゞさんの詩を読みました。殺伐として目の前だけに一生懸命になって見えなくなっていたもの、ことが見えてきて、読了後、心があたたかくなりました。見落としていることがたくさんある、それに気づけて良かったです。

  • 図書館より。
    懐かしくて借りました。

    小学生の時、学校の授業で取り上げられた記憶がある。
    彼女の詩は分かりやすくて、ハッとするものが多い。

    彼女は26歳で亡くなっている。
    ついに私も、彼女の年齢を越えようとしている。

  • 【詩をたのしもう(日本編)】
    日本の近・現代詩史に燦然と輝く詩人たちの作品を選り抜きでご紹介します。
    新学期、新生活にお気に入りの詩人をみつけてみませんか?

    <閲覧係より>
    金子みすゞ(1903-1930)。
    大正後期から昭和にかけて隆盛した童謡界に現れ、26歳で儚く消えていった童謡詩人。
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    所在番号:911.568||エイ||1
    資料番号:10205737
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著者プロフィール


山口県生まれの童謡詩人(1903~1930)


「2018年 『混声合唱組曲 みんなを好きに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金子みすゞの作品

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