- Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096772140
作品紹介・あらすじ
傷つきやすい魂は、中也節とよばれる独特のリズムにのって、喪失の海をさまよう。やさしく、やるせなく、時に残酷に。稀代の天才詩人が遺した傑作詩を、現代仮名遣い、鑑賞解説付きで収録。
感想・レビュー・書評
-
中原中也の詩集ですね。
私の中也との出会いは、解説の川上未映子さんと同じく中学校の国語の教科書でした。トラウマのように、詩と言えば中也を彷彿します。
実際は中也の詩の深い意味を理解していたとは言えず。蝶のイメージが強烈に焼きついて私の心に住み着いただけようでした。
中也の詩集をあらためて読んで、中也の内包の格闘を解説の高橋順子さんと共にふれる事が出来たように思えます。
もちろん、宮沢賢治さんと同じようにすべてを思い至れる訳ではないので、中原中也さんの詩を吟じてみて感じたままに私流に想い受け止めてみました。
永遠の詩のシリーズは、作家の作品から選び抜いた作品集です。選択がとても好ましくとても気にいってしまいました。
一つのメルヘン
秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があって、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射しているのでありました。
陽といっても、まるで硅石か何かのようで、
非常な個体の粉末のようで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音をたててもいるのでした。
さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
淡い、それでいてくっきりとした
影を落としているのでした。
やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、
今迄流れてもいなかった川床に、水は
さらさらと、さらさらと流れているのでありました……
中原中也さんの詩集を少しずつ読み起こすきっかけになりそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
-
nejidonさんも、詩がお好きなんですね(*^^*)
私は、最近読み始めました。
立原道造は、友人の影響で読み、こちらの本棚にも1冊だ...nejidonさんも、詩がお好きなんですね(*^^*)
私は、最近読み始めました。
立原道造は、友人の影響で読み、こちらの本棚にも1冊だけ置いてあります。
一番好きなのは、黒田三郎さんです♪2019/09/27 -
まことさん、大変失礼しました<(_ _)>
立原道造の本もちゃんと見つけられました。
高校生の頃読んで、「水引草」の存在を知り、そこから...まことさん、大変失礼しました<(_ _)>
立原道造の本もちゃんと見つけられました。
高校生の頃読んで、「水引草」の存在を知り、そこから山野草好きになった私です。
今も庭に増殖中です・笑
黒田三郎さんもいいですね。
よけいな語りがないところが、詩を読む楽しさだと思っています。2019/09/28 -
とんでもないです(*^^*)
立原道造は友人がかなり好きみたいで、手紙に添えて、毎回詩が送られてきていました。
彼女も、植物が好きなので...とんでもないです(*^^*)
立原道造は友人がかなり好きみたいで、手紙に添えて、毎回詩が送られてきていました。
彼女も、植物が好きなので、きっと紹介したらnejidonさんとすごく気が合いそうな方です♪
黒田三郎さんは中学の頃から好きな方です。
私は字の細かい本をたくさん読みすぎたときに詩を読むとホッとしたりしています(^^;2019/09/28
-
-
詩というものに馴染みがないのだけど、
永遠の詩シリーズは、そんな私でも読みやすくて、この本をきっかけに八木重吉など詩を好きになるきっかけを得ている。
装丁も綺麗で、解説も読みやすく、
中也がどんな人生を歩んで詩をつくってきたのかということが分かる。
川上未映子のあとがきも、中也ファンの心境がよく表されていて、いい。
生々しくて、痛々しい言葉、
リズミカルで反芻したくなるような美しいリズム、
あやうさ、
いいです。
-
(2023/07/01)
-
教科書に載っていたものしか知らなかったので、改めて解説もついたものを読む。リズムが良くて何度も繰り返し口ずさみたくなるのが歌みたい。今でも好きな人が多いのがわかる気がした。
-
冬の風のような頼りなさと、雪のような弱さと、それゆえのうつくしさを感じました。夢想の世界にとんでいってしまうものもあれば、自分の弱さに素のままに向き合っているものもあって。自分の生涯を雪にたとえたものが象徴的だなと思いました。はたして彼は、自分をよごれっちまった雪のように思っていたのでしょうか。
-
【詩をたのしもう(日本編)】
日本の近・現代詩史に燦然と輝く詩人たちの作品を選り抜きでご紹介します。
新学期、新生活にお気に入りの詩人をみつけてみませんか?
<閲覧係より>
中原中也(1907-1937)。
30歳の若さで病死した中也は、繊細で傷つきやすい青春の悲しみを独特の調べとともに謳いあげています。
-------------------------------------
所在番号:911.568||エイ||4
資料番号:10205740
------------------------------------- -
中原中也は高校の授業で取り上げられて少し気になっていた詩人。
やっと「永遠の詩」シリーズで見つかったので読みました。
「頑是ない歌」「湖上」「雨が、降るぞえ」あたりが気に入りました。
後は七五調のもいいですね。
今度はもう少しちゃんとした詩集も読んでみようかな。 -
「私はその人生に、椅子をなくした」
気持ちの流れは、ここから始まったと思う。