恋の名前

  • 小学館
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096814369

作品紹介・あらすじ

疲れたこころを癒やすうつくしい恋の言葉集

あなたはどれくらい恋のことばを知っていますか?

恋草、恋水、下恋、恋結び、思い川、心の熾、空なる恋、恋痛し……。

なんていっぱい!なんて驚かないで。本書には、恋の名前470項目720語、恋の写真165点、恋の詩と物語20篇があふれています。

つらいときほど、誰かに恋をしたくなるもの。そんなとき、ぜひこの本をめくってみてください。恋とは、枯れかけた人生に水やりをするようなものなのですから……。

【著者プロフィール】

高橋順子(たかはし・じゅんこ)
詩人。1944年生まれ。佐藤秀明との共著『雨の名前』『風の名前』『花の名前』は発売以来重版を重ねるロングセラーにしてベストセラー。

佐藤秀明(さとう・ひであき)
写真家。1943年生まれ。北極、チベットなど、世界各国の人々と自然をテーマにした作品を発表。近年は、故郷新潟の限界集落の撮影を続けている。







【編集担当からのおすすめ情報】
「恋というのは人生への水やり」。なんとすてきな言葉でしょうか。
男であっても、女であっても、子どもでも、老人でも、いくつになっても恋をすれば、人生はいきいきと脈打ち始めます。
疲れている人、落ち込んでいる人ほど、この本を読んでほしいと思います。

感想・レビュー・書評

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  •  詩人・高橋順子と写真家・佐藤秀明のコンビによるワンテーマ歳時記――「まほろば歳時記」シリーズの第4弾。
     これまでに出た『雨の名前』『風の名前』『花の名前』は、いずれもロングセラーとなり版を重ねている。
     
     本書は、詩歌や小説などに登場する恋にまつわる言葉を集め、解説をつけた“恋の歳時記”である。
     オールカラーで、佐藤秀明による美しい写真が全編を彩る。

     合間に、古今の歌人・俳人が実人生で経験した恋を小説仕立てで描いた「恋の私がたり」(見開き2ページの短いもの)が、11編収められている。これもなかなか読ませる内容だ。高橋順子は本格的に小説を書いたらよいと思う。

     高橋さんは昨年、伴侶の小説家・車谷長吉を亡くされたばかり。本書を書き進めながら、亡夫との恋の日々を思い出さずにおれなかったことだろう。そう思うと切ない。

     本書を読んで改めて思うのは、日本の「恋の文化」の豊穣さ、裾野の広さである。恋を語り、綴るための日本語の、なんと多彩で豊かなこと。

     登場する、恋をめぐる美しい言葉の例を挙げる。

    「春負(はるまけ)」――恋わずらいのこと。春は恋の季節だから、ということだろう。

    「解語(かいご)の花」――超絶美人のこと。並外れて美しい女性を、「人の言葉を解する花」に喩えたのである。元は、唐の玄宗皇帝が楊貴妃を指して言った言葉。

    「恋の瀬踏(せぶみ)」――相手に気があるのかどうか、確かめる行為。「瀬踏」とは、川に足を踏み入れて深さを確かめること。

     本書を読んで知った、メモしておきたいような知識もいくつか挙げる。

    ・中国語では、配偶者・恋人のことを「愛人(アイレン)」という。

    ・「相対死(あいたいじに)」――元禄時代、近松門左衛門らの世話浄瑠璃の影響で男女の心中が美化され、流行したことから、将軍吉宗は「心中」に代えてこの語を用いさせ、心中した男女の埋葬を禁ずるなどの禁令を出したという。
     いまの感覚だと、「相対死」のほうが美しい言葉に思える。

    ・「勿忘草」(忘れな草)の名は、恋人のために水辺のこの花を摘もうとして水に落ちた若者が、「僕を忘れないで」と言って水底に消えたという悲しい伝説に由来する。英名は「フォゲット・ミー・ノット」で、和名はそれを訳したもの。

  • 2018/08/16読了


    日本語の美しさたるや
    いろんな言葉が、恋についてなだけでこんなにも多く
    そして同じ意味でも、字面によって
    ニュアンスというか印象も変わるというもの。
    とても面白い。

  • 相変わらず写真が美しい。官能的な雰囲気もあるし古典的な表現も多くて奥深さを感じた。

  • 時々出てくるコラムと詩は、興味なかったのでスルーした(笑)けれど、これだけ「恋」に関する日本語が紹介されていると、どことなく心がほっこりする。いいね。
    NDC1類というよりは、文学(NDC9類)とか言語(NDC8類)そのものって感じ。

  • 恋にまつわる名前(言葉)について
    美しい写真とともに紹介されている。

    日本語の豊かさに、あらためて幸福な想いになる。
    まだまだ知らない美しい言葉が存在していることに。

    構成も、春、夏、秋、冬…と章立てて
    言葉が紹介されているのだけれど、
    それが、恋の始まりから終わりへ…と
    なっている。
    日本人の心にある四季は、心の移り変わりにも
    似て、哀しく美しい。

    けれど、冒頭のエッセイに、
    そんな喜び、哀しみ、苦しさも
    「人生の味のする濃密な時間です」
    と、書かれていて、
    言葉の表現する心のありようについても
    きめこまやかな日本語を身につけて
    自分のものにできる喜びを感じた。

  • ネクタイのプレゼントに「あなたに首ったけ」という意味があることを知ったのは30を過ぎてからでした(^-^) 高橋順子さん(文)と佐藤秀明さん(写真)の名コンビが紡ぐ「〇〇の名前」シリーズ、新刊「恋の名前」です。2016.2発行。月、風、花、雨、水・・・、どれも浪漫に溢れてますが、「恋の名前」で浪漫も最高潮に~! 手元に置いておきたい作品です。「惚れて通えば千里も一里」「鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身をこがす」「花の色は移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに」和歌などが添えられてるのも楽しいです。

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著者プロフィール

1944年千葉県海上郡飯岡町(現・旭市)生まれ。東京大学文学部フランス文学科卒。詩人、「歴程」同人。夫は作家の車谷長吉。1987年『花まいらせず』で現代詩女流賞、1990年『幸福な葉っぱ』で現代詩花椿賞、1997年『時の雨』で読売文学賞、2000年『貧乏な椅子』で丸山豊賞。著書に『水のなまえ』(白水社)など。

「2018年 『星のなまえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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