光琳、富士を描く!: 幻の名作『富士三壺図屏風』のすべて

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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096823576

作品紹介・あらすじ

尾形光琳、新発見作品の謎を解き明かす!

2020年秋、それまで一部の研究者の間でしかその存在を知られていなかった尾形光琳の幻の名作が、日本で初公開された。そこに描かれていたのは、堂々たる富士山! 日本美術史上でも極めて人気の高い絵師=光琳が、日本の象徴=富士を描いていたなんて!
はたしてこれは本当に尾形光琳の真筆なのか? 今、なぜこんな大作が世に出てきたのか? そもそも尾形光琳はなぜ、ここまで大きな富士山の絵を描いたのか?
さまざまな話題や議論を巻き起こした『富士三壺図屏風』を、江戸絵画研究の第一人者で、日本美術史研究の権威、小林忠氏がさまざまな琳派作品との比較、新たな文献を用いての検証のもと、見事な論理展開で真贋鑑定。
さらに、尾形光琳が、富士を主題にした大作を制作するにいたる、その背景と、尾形光琳の中に秘められていた思想性にまで、大胆に切り込む!
次々に謎を解き明かしていくスリリングな論証の連続! そして最終的に到達する驚くべき結論!
日本美術史を塗り替えかねない“世紀の新発見”と、そこにまつわる謎解きを、最新の撮影技術で独占撮影した、美しい図版をふんだんに掲載した紙面とともにお届けいたします!


【編集担当からのおすすめ情報】
1,2020年に日本で初公開された、尾形光琳の新発見作品『富士三壺図屏風』を、日本の美術書籍で初めて掲載しました。
2,紙面を構成する作品画像は、最新の撮影技術で高解像撮影したものです。原寸掲載など大胆な紙面デザインで、尾形光琳の超絶な筆さばき、その息づかいまでもが、手に取るようにわかります。
3,新発見作品『富士三壺図屏風』の右隻と左隻を、それぞれ贅沢な両観音ページで掲載しています。琳派の新名作となる本作品の全容をご堪能ください。
4,次々に解き明かされていく真贋鑑定、尾形光琳の制作意図・・・まるで、日本美術のミステリー書でもあるかのような、謎解き構成をお楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • 【独占撮り下ろし掲載】尾形光琳、新発見作品の謎を解き明かす!『光琳、富士を描く! 幻の名作『富士三壺図屏風』のすべて』 | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/news/401022

    光琳、富士を描く! | 小学館
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09682357

  • 予備知識なく感覚だけで絵を見るのも心楽しいことだけど、こうやって解説をしてもらってあらためて絵を見るのも、面白い。
    #小林忠先生 のわくわくしている心持ちが伝わって、こちらまで高揚する。琳派とはなんぞやということを教えてもらい、絵の細部をひとつひとつ解説してもらい、日本美術史の中での特異点を指し示してもらう、なんとも言えない面白さ。あとはいつの日か、実物を見てみたい!

  • 尾形光琳が富士の屏風絵を描いていた。
    「富士三壺図屏風」六曲一双の屏風。18世紀の京都で晩年を迎えた尾形光琳が、江戸滞在期に世話になった豪商、冬木家の注文に応えるように描いた大作。

    右隻は紺色に金の線で描かれた小波に緑の島を前に金箔を背に雪の富士。左隻は黒じ金の筋の荒々しい大波に三つの緑と茶の岩が波間に屹立する。波に飲み込まれそう。こんな屏風のある日本間に立ってみたい。

    右隻左隻とも折り込みで全図があり、裏頁には波の原寸大が。別ページには雪の富士と緑の山の原寸大も。原寸を眼の前にしては、その迫力、波が迫ってくる。

    2020年8月には表具の修復を兼ねて日本に里帰りしたというが、色彩は鮮やか。個人蔵。

    著者の美術史家・小林忠は2015年3月にアメリカ、フィラデルフィアで開催中の狩野派展を見るため渡米したニューヨークでこの「富士三壺図屏風」と初めて出会う。この作は「尾形光琳作と結論づけるまでには至らず」とする琳派専門の美術史家もいる。が林氏は同じ尾形光琳の「松島図屏風」との比較や他の富士を描いた作品との比較、署名と印象などから検証。なによりもこの作品の、細部に至るまでのあまりにもみごとな筆致に光琳作である、とする。

    アーティゾン美術館「琳派と印象派 東⻄都市文化が生んだ美術」展、2020年11月14日[土] - 2021年1月24日[日]でこの「富士三壺図屏風」が展示されたようです。

    2021.7.21初版第1刷 図書館

  •  図書館の新着コーナーで手に取った。
     著者が2015年に米国ではじめて本作「富士三壺図屏風」に出会い、さらに2020年に日本で再会を果たした時の感動が伝わってくる。
     さらに著者の尾形光琳の画力に対する畏敬の念というのか信頼感というのか、原寸大にしてその筆致の細部を読者に見せ、その凄さや感動を共有したいという思いもひしひしと伝わってくる一冊だ。
     いい本に出会った。

  • この屏風の素晴らしさ具体的に、情熱的に伝わってきました。掲載されているたくさんの美しいカラー図版も実物大もあり至れり尽くせりで、地の文のフォント大きめなので読みやすいです。「さあ、いらっしゃい」と名作が向こうから迎えに来てくれたような印象でした。

  • 人気絵師光琳が描いた、堂々たる富士の絵の謎を解く

    〈内容紹介〉
     2020年秋、日本美術史上高い人気を誇る尾形光琳の幻の名作が、日本で初公開された。その名作とは、大きな富士山を描いた『富士三壺図屏風』である。
     なぜ光琳は大きな富士山を描いたのか。その謎に迫る。

    〈おすすめポイント〉
     最新の撮影技術で撮影された『富士三壺図屏風』の図版が、美しく迫力満点です!

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著者プロフィール

1941年東京生まれ。東京大学美術史学科卒業、同大学院修士課程修了。東京国立博物館絵画室員、名古屋大学助教授、東京国立博物館調査室長・情報調査研究室長を経て、現在、学習院大学教授、千葉市美術館館長、美術雑誌『國華』編集委員。
若冲はじめ玉堂・抱一など研究対象の豊富な近世絵画、春信・歌麿・北斎らが絢爛と活躍した浮世絵、それらの研究を主導し、独自の小林史観を確立。伊藤若冲の魅力をいち早く公に紹介したり、はじめて「春画」を学術研究の対象として扱うなど、その功績は大きい。

「2010年 『江戸の絵画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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