悪魔のりんご

  • 小学館 (2006年11月21日発売)
3.89
  • (21)
  • (19)
  • (24)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 153
感想 : 30
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784097260011

作品紹介・あらすじ

悪魔のおじさんを、いい人と勘違いしてしまう女の子。女の子は、悪魔が置いていった毒入りリンゴを、おじさんのためにとっておこうと考えます。そんな女の子の優しさにふれて、悪魔が悪魔ではなくなってしまうお話。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宇野亜喜良さん繋がりで、こちらも載せておこう。
    以前こちらに載せたことのある【日本の神話】の著者さんでもある「舟崎克彦さん」の文章に、宇野亜喜良さんが挿絵をつけたもの。
    舞台は木枯らしの吹きすさぶ荒野。表紙の背景に描かれているのはラクダである。
    年老いた悪魔と、母親とはぐれたジプシーの少女が登場するという、国籍不明のお話。
    絵の持つ雰囲気もあって、全体にふわふわと不思議さがつきまとうが、お話そのものはとても温かい。

    老いて魔力も薄れた腹ペコの悪魔が、母親とはぐれたと言うジプシーの少女と出会う。
    面白いのは、この悪魔の内面の葛藤。
    少女を食べてしまいたい欲望と思いやりとの間で心がせめぎ会うのだ。
    まぁ、悪魔も神様の使いなのだから、困ったときは神様に相談もするのだろう。
    それだけ、この少女の優しさにほだされてしまったというわけ。
    激しい葛藤のあまり、選択を少女に委ねるべく、悪魔は毒りんごに姿を変える。
    ところが少女は空腹を耐えしのんで、悪魔が帰るのを待っている・・

    おや?宇野さんの悪戯かなと思う箇所がいくつもある。
    荷物をひとつも持っていないのに、タンバリンだけ持っている少女。
    そもそも、ジプシーの子が彷徨う砂漠ってどこ?
    そんな場所で、たわわにりんごが実るものか。ところが、実るんである。
    悪魔が流した涙が泉になり、その泉のほとりに育ったりんごの木には、たくさんの実が実るというのだ。母親と無事に再会した少女は、その泉のほとりで暮らし、幸せな家族を持つ。
    悪魔は、りんごの木になれて後悔などしていないことだろう。
    そして少女は、大人になっても悪魔を待っているという。
    本当に、読めば読むほど不思議なお話。
    前述した【きつねのぼんおどり】とはまた違った、宇野さんの幻想的で魅力あふれる絵に、ちょっぴり酔いそうになる。
    ラストの1ページの文章と挿絵が微妙にミスマッチな気がするが、他の方の意見も聞いてみたいな。

    約10分。高学年くらいからの方が理解しやすいかも。
    寺山修二さんがお元気だったら、このお話を喜ばれたのかもしれないな、なんて。
    第13回(2007年 ) 日本絵本賞受賞の一冊。

  • 〝木枯らしの吹きすさぶ荒野。お母さんと逸れてしまい、途方に暮れている少女の前に、年老いた悪魔が現れた。気立ての優しい少女は、オジサンが悪魔だとは知らず、差し出された林檎(毒入り)を、食料を探しに行ったお爺さんのために、とっておこうと考え、いつしか眠ってしまい…〟少女の優しさにふれて、悪魔が悪魔ではなくなってしまう、人情味あふれるお話絵本。

  • 絵本なんだけれど、童話のような素敵なお話。
    宇野亞喜良さんの絵が舟崎克彦さんのお話とマッチしていて相乗効果で雰囲気をさらに盛り上げてくれてくれている気がします。
    お腹の空いた悪魔と、母を探しお腹を空かせたジプシーの少女。
    少女を食べたい悪魔と、純粋無垢な少女のやりとり、ふわっとした空気感、読後感が良かったです。

  • 素敵な絵本。切なくてあたたかい世界でした。
    お話と挿絵がぴったり。
    悪魔が鼻を杖で支えてるのはダリかと思いました。
    りんごの木、よく見なくても悪魔の顔が付いてて、少女を見守る事になったんだなと思うと心にじんわり何かが広がります。少女はおじさんを待ち続け、おじさんはどこにも行かなかったんだなぁ。。

  • 舟崎克彦作、宇野亜喜良絵。
    繊細ながらユーモラスな絵と、静かでロマンチックな物語が合わさった上品な絵本。

  • 画は宇野亜喜良さん。

  • 皮肉めいた愛がにじんでいて、読めば読むほど好きになった本です。
    悪魔の思う通りにはならず、悪魔の思惑などなにも知らないまま幸せを手に入れた少女。
    悪魔はこの子を食べたがっているようだけど、心の奥底では、最初から少女を愛していたのかもと思います。
    自分に言い訳して、最後はりんごになってしまった悪魔。
    純粋な誰かを思う心は、悪魔の魔法より、この世の何よりも強いと感じたお話でした。

  • 悪魔は、最後、幸せになれた。
    怖いようで、あたたかい話。

    りんごも悪魔も、設定がとても良い。

  • じわじわと、ジーンとくる。すごくいい話だった。高学年の読み聞かせにいいと思う。

  • すごくいい話だ〜〜(感涙)。ネタバレになるので深くは書きませんが、どんな悪もピュアな愛情には勝てませんね。素敵なお話にぴったりの巨匠宇野亜喜良さんの絵が独特な味わいも出しており実に素晴らしい!心が洗われます。

  • 2015.11.18

    絵がとても魅力的

    闇系の話かと思ったら、あらあらまあまあまあ な話でした。

  • 4-09-726001-4 30p 2006・12・20 初版1刷

  • 絵もきれいだし、内容も悪くないんだけど、どうして「悪魔」なのか、という疑問が最後までなくならなかった。
    「悪魔」というものがキリスト教的発想なのに、描かれている悪魔はせいぜい「悪い魔法使い」。だったら魔法使いでいいじゃん。
    悪魔にする必然性が感じられない。

  •  図書館から借りました


     絵本。ファンタジー。

     ジプシーの女の子が母親とはぐれて困っている。
     そこに腹をすかせた悪魔(おじさん)がやってくる。
     女の子を食べてしまおうと思うのだが、ひとりぼっちの彼女と自分(悪魔はつまはじきにされている)の境遇を重ねてしまい、食べられない。
     おなかをすかせた女の子を、悪魔は毒りんごに化けて殺そうとする。
     だが、女の子は消えてしまったおじさんが帰ってくるまで食べないでおこうといって、手をつけない。

     翌朝、りんごは大きな木になって、悪魔の流した涙は泉になって、女の子と母親はそこに暮らす。
     女の子はりんごが実ると、おじさんに食べさせるためにジャムを作って待つ……。
     という。


     ハートフルですね。
     悪魔が哀れです。
     絵が濃いです。あくが強いのです。女の子、顔が色っぽい(まつげ長い~。

  • 悪魔の悪の心が少女によって、柔らかく優しい気持ちになっていく様子を押し付けがましくなくさらりと描いている。

  • 悪魔だった、という設定が面白かったです。
    昔は悪かったし、いまも「いいひと」にはなりきれない不器用なお年寄り。

    どのページも美しく、悪魔の表情は豊かで素敵な一冊でした。

  • 大人の絵本

  • 悪魔のおじさんとジプシーの少女のお話。
    絵もお話も子供っぽくない絵本で私は好き。

  • 本屋さんで出会いました。

    老いた悪魔「おじさん」と迷子の少女。
    悪魔の心には2つの想い。
    そうして使った最後の魔法。

    悪魔のりんごは
    少女の命を奪うのか、それとも。

    少女の無垢な想いに、悪魔の魔法は力を失い、
    1つの想いは打ち砕かれた。

    それでも、
    だからこそ、
    少女の永い営みに、在り続けることができる。

  • 砂漠を悪魔が歩いていた。
    悪魔はロマの少女にであう。


    切ないっ!!純粋な少女と純粋な悪魔の想いに目頭が熱くなりました。
    絵が怖くて少し二の足を踏んでいたんですが読んでよかったです。

全25件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

舟崎克彦  東京都生まれ。学習院大学卒業。白百合女子大学教授。「ぽっぺん先生」物語シリーズ(岩波書店)で路傍の石文学賞、『雨の動物園』(岩波書店)で国際アンデルセン賞を受賞。作品に「日本の神話」シリーズ(あかね書房)他多数。

「2013年 『クレヨンマジック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

舟崎克彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×