山のタンタラばあさん

  • 小学館 (2006年9月1日発売)
3.90
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Amazon.co.jp ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784097261018

作品紹介・あらすじ

ずっと東の山のてっぺんの、一本のタラの木の下に、タンタラばあさんは住んでいます。魔法使いのタンタラばあさんは、山の人気者です。 冬の終わり、タンタラばあさんの「起きなさい」という声に春が目を覚まします。ある日、タンタラばあさんは、よもぎの葉っぱでスカートを作りました。そのスカートをはいて、ふわふわと空を飛びます。すると、そのスカートのおいしい匂いにさそわれて、スカートをツンツン突っつくカラスがいました。そして、カラスのおうちにお茶をしに行きました……。 タンタラばあさんの小さな魔法は、山のみんなをあたたかい気持ちにします。没後13年を経ても、色あせない安房直子さんのふしぎな世界が広がります。

感想・レビュー・書評

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  • なんて心地よくほんわかあたたまる物語りなんだろう。

    タンタラばあさんの話。
    ずっと東の山のてっぺんの、一本のタラの木の下に、タンタラばあさんは住んでいる。
    タンタラばあさんの小さな魔法は、山のみんなをあたたかい気持ちにしてくれる。

    タンタラばあさんの姿が現れるのを待ちわびながら読み進める。やっと登場したと思ったら…「え?!タンタラばあさん小さくないっ?!」娘は思わずツッコミを入れる。笑
    童話のような不思議な世界。タンタラばあさんの穏やかですべてを優しく受け入れてくれるような魅力にすっかり惹きこまれた。

    それに、読みきかせで安房直子さんの文章を朗読するのがなんとも心地よかった。いいなぁ、安房直子さんの使う日本語。
    安房直子さんの他の作品もぜひ読みたいな。

    • 松子さん
      ひろ、おつかれっ
      優しくて楽しい雰囲気…、
      やっぱり、たんたらひろさんだ(^^)
      昨日、早く仕事が終わって帰りに図書館に寄ったら
      しまってた...
      ひろ、おつかれっ
      優しくて楽しい雰囲気…、
      やっぱり、たんたらひろさんだ(^^)
      昨日、早く仕事が終わって帰りに図書館に寄ったら
      しまってた_:(´ཀ`」 ∠):
      いつもは金曜日がお休みなのに、昨日は月に一度の休館日、くぅぅー
      また時間みつけて、図書館で絵本探してみるね
      娘ちゃんの、ちっさ!の部分も楽しみ
      2025/05/21
    • ひろさん
      まつもおつかれさま~っ
      たんたらひろさんです 笑
      そっかぁ~!せっかく寄ったのに残念だったねぇ
      もし見つけたら、ぜひタンタラばあさんの魅力を...
      まつもおつかれさま~っ
      たんたらひろさんです 笑
      そっかぁ~!せっかく寄ったのに残念だったねぇ
      もし見つけたら、ぜひタンタラばあさんの魅力を味わってね♪
      そうそう「わたしとげぼく」読んだんだけど、とってもよかったよ!ありがとねっ(๑>ᴗ<๑)
      2025/05/21
    • 松子さん
      うん!たんたら雰囲気味わいたい!
      ここのコメント書いた後に、げぼくに気付いた汗
      あっちもこっちも、コメント、失礼しましたぁー
      うん!たんたら雰囲気味わいたい!
      ここのコメント書いた後に、げぼくに気付いた汗
      あっちもこっちも、コメント、失礼しましたぁー
      2025/05/21
  •  読み終えて、ああ、これは安房直子さんの物語だと感じられた、人と動植物たちに加えて自然までも仲間に加えたような、共に生きていこうという温かさに、こんな世界で暮らせたらいいなと、つい思ってしまう。

     まあるい山のてっぺんにあるタラの木の下にある家に住む、タンタラばあさんが魔法使いであることを、その辺に住む動物たちは、みんな知っている。そして、その魔法はとてもささやかなものでありながら、効果は絶大で、なおかつ楽しい気分にさせてくれる、そんな優しさが含まれているからこそ、みんな忘れることができずに彼女を慕っているのだろう。

     それは彼女が、「東の風よ、ふっと吹け」と言うだけで、たちまち風が生まれ、それに「つぼみの花をゆりおこせ」と加えると、今度は風が彼女の声でそれを伝えることで、やがて訪れる春の到来には、まるで彼女が風と木々たちとの間で仲立ちをしているような、あるいは、春というバトンを次々と渡していくような、そんな彼らと同等の立場に人がいられることの喜びを感じられて、そこには安房さん自身の憧れもあったのかもしれない。

     また、そうした憧れは、タンタラばあさんを頼って、よく動物たちが彼女の家を訪ねてくることや、それとは反対に、彼女が彼らの様子を気遣う姿からも分かるようであり、更に木々やシャボン玉が歌ったり口笛を吹くという表現は想像してみると、なんて素敵なんだろうと、それを共有したい気持ちにもさせられたことには、そんな安房さんの世界に、私も憧れる気持ちを垣間見るようであった。

     そして、本書のもう一つの読み所として、タンタラばあさん自身の素敵な人生も共に描いており、普段の着物姿に飽きた彼女が、たまにはオシャレをしたっていいだろうと思い立って作ったのが、よもぎの葉っぱを縫い合わせたスカートと、レンゲの花を使った薄桃色のブラウスであり、それに着替えて空を飛んでいたら、よもぎの匂いにつられたカラスに突っつかれる事態になりながらも、その後の彼らの「お茶にしましょう」の言葉が気になって、ちゃっかり後をついていって一緒に御馳走になるのが、なんだかとても可愛らしい。

     しかし、そうした服装でおやつの時間を過ごすという状況が、魔法使いの彼女にも女の子の頃があったことを思い出させて、しかもそのきっかけが現代に於ける悪い印象とは遠くかけ離れた、カラスであることにも切なくさせるものがあったが、そこで、かつての自分を木から見下ろしたタンタラばあさんの心象風景を描いた出久根育さんの絵には、あんな頃もあったねという悲しさよりも、女の子とタンタラばあさんとが今日という日まで、確かにずっと繋がっているんだという感慨を抱かせてくれたようで、それはタンタラばあさんの背の高さが、まるで小人のようであることからも、子どもに近い存在としてお互いが似通っていることを表しているとも思われたからなのだが、それでも安房さんの『女の子のつもりをやめて』という表現には、とても胸に迫るものがあった。

     それから安房さんの物語には、やはりこの人の絵が最もしっくりくると、改めて思わせてくれたのが、出久根さんの叙情的なそれであり、冬の終わりに降る『ふうわりして、やさしい雪』も出久根さんが描けば、まさにその表現通りとなり、一面雪景色なのに冬の寒々しさは全く感じさせない、そんな淡い質感と柔らかい木々の影が、とても効果的に感じられた。

     また、そうした出久根さんの安房さんの思いを汲み上げた絵には、タンタラばあさんや動物たちとの優しい関係性も描かれており、それは、赤い目と長い耳が何とも可愛らしいウサギと囲炉裏を囲む様子や、空を飛ぶタンタラばあさんに寄り添う二羽の小鳥と、更にそれを草むらから見上げる二匹の猫、それら全てが、さり気なく対等に描かれている点には、きっと出久根さんも安房さんの望む世界が見えているのだろうと、そんな感慨を私に抱かせてくれた。

     更にそんな思いは、時間と共に変化していく自然の絵によく表れており、タンタラばあさんが何故夕方のシャボン玉が好きなのか、その理由も肯けるくらい、出久根さんの描く夕焼けの風景は三色の独特の層を成した、そのあまりに切ない郷愁感漂う美しさに心を奪われてしまい、反対に夜の風景の、漆黒に閉ざされた寂しさというよりは、藍色と青色をそれぞれに引き立たせた穏やかで優しさ漂う雰囲気が心地好く、それらには、まだ私の知らない自然の素晴らしさがあるようで、そんな現実と幻想の狭間に於ける、素敵な夢を見せてくれた出久根さんの絵は、まさに安房さんの心に描いていたものとも見事に調和することによって、このような物語を生み出した意義を更に高めさせてくれたのだと、私には思われたのである。

  • 安房直子さんの創作童話ですね。
    絵は、出久根育さん(1969年、東京生まれ)
    銅版画、油彩画などの個展を開く一方、絵本・挿し絵・装画などを手がける。プラハ在中。
    四話の連作作品です。


    ずっと東の、まあるい山のてっぺんの一本のタラの木の下に、タンタラばあさんは住んでいます。
    「おもしろい人だよー。だって魔法つかうんだもの」っの、動物たちは、みーんな知っています。
    タンタラばあさんの小さな魔法は、山のみんなをあたたかい気持ちにするんです。

    安房直子さんの童話は、民話の面影があり、ほんわりと愉しいファンタジーをかもし出します♪
    出久根育さんの、柔らかなほのぼのとした、やさしい幻想的な絵が、物語を飾ります。
    (この絵本は、メメさんの素敵な本棚登録で読みたくなりました!とてもまったりと心が温かくなるお話でした。メメさんありがとうございました(´ー`).。*・゚゚)

    • メメさん
      ありがとうございます。(*´︶`*)
      素敵な図書館ですね〜(*´ω`*)児童書では(古いシリーズになりますが)、学研から出版されていた愉しい...
      ありがとうございます。(*´︶`*)
      素敵な図書館ですね〜(*´ω`*)児童書では(古いシリーズになりますが)、学研から出版されていた愉しいシリーズがあります。(図書館にあるといいのですが、、、)
      ウォルターホッジスの『空とぶ家』や、今でも出版され続けているものでは、ミヒャエルエンデの『魔法のカクテル』もお薦めですよ〜(*´ω`*)(その他にも愉しい本が沢山ありますが、重さもありますので、ゆっくり一冊ずつ楽しまれることをお勧めします(*´︶`*)ご参考まで)
      仕事の日は身体が疲れていますので、一度休んでから夜中の読書を楽しみたいと思います。(まだやる事がありますが、、f^_^;それではまた〜 
      よい睡眠をおとりください♪

      2025/04/22
    • ひだまりトマトさん
      ありがとうございました( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
      『空とぶ家』と『魔法のカクテル』も、図書館にありましたので、ブクログの読みたい本...
      ありがとうございました( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆
      『空とぶ家』と『魔法のカクテル』も、図書館にありましたので、ブクログの読みたい本に登録しました。
      図書館から取り寄せてみたいと思いますp(^-^)q
      今は、自宅にある積ん読本が「私らはどうなってるの?」と、言われている(気がします)ので、少しずつ読んでいきたいと思っているのですが、実は今日も通販で四冊頼んでしまいました(笑)
      マイペースで楽しみましょう♪
      また、教えてください(*- -)(*_ _)ペコリ
      疲れをゆっくり癒されて、良い読者と安らかな眠りを得られますように………(’-’*)♪
      2025/04/22
    • メメさん
      共感しかありませんね。笑笑
      次々と届く本たち(*´ω`*)。積読さんは、読まれるタイミングを待ってくれているのだと思います。(そう思う事にし...
      共感しかありませんね。笑笑
      次々と届く本たち(*´ω`*)。積読さんは、読まれるタイミングを待ってくれているのだと思います。(そう思う事にします。)
      受け取る喜び、運んでくれる方にも感謝です。
      、、、パート頑張ります。笑笑
      ではでは、本日はこの辺で〜(*´ω`*)

      (図書館にも行かねば。(*´ω`*))
      2025/04/22
  • 『山のタンタラばあさん』
    作 安房直子(あわ なおこ)
    絵 出久根育(でくね いく) 

    図書館で安房直子さんの別の絵本を探していて目にとまりました。
    ちょっと気になるタイトルと、表紙には小さな可愛らしいおばあさんが木の枝に座り、鳥やリスに囲まれて温かな紅茶も美味しそうですね。思わず顔もほころびます。(*´︶`*)

    表紙を開くと、袖の解説からもうワクワクと♪
    “ずっと東の、まあるい山のてっぺんの、一本のタラの木下に、タンタラばあさんは住んでいます。
    「おもしろい人だよー。だって魔法をつかうんだもの」って、動物たちは、みーんな知っています。
    タンタラばあさんの小さな魔法は、山のみんなをあたたかい気持ちにするんです。“
    そして、心地よいテンポの四つの愉しいお話が始まります。

    ・タンタラばあさんは魔法使い
     着物姿のタンタラばあさん。冬のおわりに、東の風を吹かせて春を呼びます。じっとしていられなくなり、タラの木下で“タンタラタンタラおどりだす“。そんなタンタラばあさんの家に、助けを求めて一匹のうさぎがやってきますー。小さなタンタラばあさんは、しもやけのお薬をうさぎの耳につけてあげます。そして、耳の中に魔法の息を吹き入れると、不思議なことが起こりますよ。梅の花の歌に楽しくなったうさぎの姿が、優しく描かれています。 

    ・タンタラばあさん空を飛ぶ
     ここからタンタラばあさんの装いが変わります。よもぎの葉っぱで緑色のいい匂いのするスカートと、レンゲ花でうす桃色のブラウスをこしらえます。そして、おまじないをすると空をすいすい飛んでー。口笛の練習をするモミの木と、ひばりの先生のお話です。♪
     
    ・タンタラばあさんカラスのうちへ
     空を飛ぶタンタラばあさんは、よもぎの匂いに誘われて寄ってきたカラスたちと出会います。そろそろお茶とおやつにしよう、と立ち去るカラスたち。お腹の空いたタンタラばあさんが、カラスの後を追いかけて家を覗いてみるとー。“あついいれたての紅茶に、ふっくりと黄色いカステラ“。とても美味しそうですね〜(*´ω`*)
     
    ・タンタラばあさんのしゃぼん玉
     夕方のしゃぼん玉が大好きなタンタラばあさん。麦わらにそっとしゃぼんをつけて、大きな息をして、しずかにしずかに息をはくー。夕焼け色に色づいたしゃぼん玉を見たたぬきの家族。夜になってこだぬきが、「しゃぼん玉、ほしいよー」と泣き出します。困ってしまったたぬきの母さんは、たぬきの子どもをおぶってタンタラばあさんの家を訪ねますー。

    どのお話しにも、山のどうぶつたちとタンタラばあさんの交流が愉しく描かれていて、心温まる色彩豊かな出久根郁さんの絵にも、ほっこりとした優しい気持ちになれました。春を迎える一冊にもいかがでしょうか。(*´︶`*)

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    (追記)絵を描かれた出久根育さんは、プラハ在住です。以前、感想を上げた雑誌『暮しの手帖 (32 Autumn 2024 10‐11月号) 』の猫とリンゴの木の表紙を描かれた方ですね。とても素敵な絵にまたまた魅了されました。

  • 一見かわいらしいお話のようですが悲しく感じた。タンタラばあさんは安房さん自身なのか。しゃぼん玉、三日月さままで届くといいな。

  • タンタラばあさんは魔法使い
    タラの木の下の家に住むタンタラばあさん
    動物より小さい?、東の風よ、ふっと吹け

    タンタラばあさん空を飛ぶ
    よもぎの葉っぱでスカート、レンゲの花でブラウス

    タンタラばあさんカラスのうちへ
    木の上に緑の家

    タンタラばあさんのしゃぼん玉
    大きく遠くへ飛んでいく


    よもぎで作ったスカートで空を飛ぶ話が好き。
    ファンタジー。
    夢があっていい。

  • 【読了メモ】 (150607 14:25) 作 安房直子、絵 出久根育 『山のタンタラばあさん』/小学館/2006 Oct 1st/安房直子さんが山室静氏に師事していたことを本書奥付にて知る/着物に囲炉裏に草餅。予想に反してばあさんは和の人でした。カラスのエピソードに出てきたばあさんの思い出の風景が、私にも懐かしく感じられます。

  •  カラスやタヌキは、童話や昔話では嫌われ者として登場することが多い気がするけど、そんな動物たちにも向けられるタンタラばあさんの優しさがすてき。
     いつか壊れてしまうシャボン玉、過ぎていった少女時代。ちょっとせつない読後感が安房さんらしくてよかった。あとウサギがちょうかわいい。

  • 挿絵付き童話

  • 山のタンタラばあさんは、小さな魔法使いのおばあさん。しもやけのうさぎや、歌の下手なもみの木など、ちょっと困っている森の仲間を優しく手助けしてあげています。小さなお話が集まった絵本。優しい色使いの絵がお話にとても合っています。<bR>
    【キーワード】山、まほうつかい、おばあさん、動物

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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