花びら姫とねこ魔女

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 105
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784097265238

作品紹介・あらすじ

気まぐれなお姫さまの“とくべつ”な物語

昔々、あるところにとても美しくて気まぐれなお姫さまがいました。何でも特別でなくては嫌というわがままさです。ある日、妖精たちの怒りをかい、呪いをかけられてしまいました。その呪いを解く鍵が“とくべつ”な猫にあると聞き、“とくべつ”な猫をさがして回ることにしました。そして、そこら中から猫をさらってきたので城の中は猫だらけ。お姫さまの城には、百足やらトカゲの召使いがいて、猫の世話をしています。お姫さまにとって“とくべつ”な猫は、見つかるのでしょうか?

【編集担当からのおすすめ情報】
『オン・ザ・ライン』で昨年、課題図書になった朽木祥さんの新作です。「書く作品、書く作品、読者を裏切らず、心の奥まで響く」と評され、朽木さんの作品を心待ちにしている読者が数多くいます。ファンタジー、広島、YA……と、その作風は、固定のイメージを持たないのが、魅力といえるでしょう。本作品は、初めての物語絵本です。朽木ファンタジーの世界を、こみねゆらさんが可憐な絵で表現しました。物語は、ファンタジーではありますが、「自分にとって特別なこと」とは何なのかという普遍的テーマが主題となっています。
ねこがたくさん出てくる物語として、ツイッタ―で愛猫の写真を募集したところ、たくさんの応募がありました。送った人には、それと分かるようにすべて描き込まれています。乞うご期待!!

感想・レビュー・書評

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  • >昔々、あるところにとても美しくて気まぐれなお姫さまがいました。
    何でも特別でなくては嫌というわがままさです。
    ある日、妖精たちの怒りをかい、呪いをかけられてしまいました。
    その呪いを解く鍵が“とくべつ”な猫にあると聞き、“とくべつ”な猫をさがして回ることにしました。
    そして、そこら中から猫をさらってきたので城の中は猫だらけ。
    お姫さまの城には、百足やらトカゲの召使いがいて、猫の世話をしています。
    お姫さまにとって“とくべつ”な猫は、見つかるのでしょうか?

    朽木祥さん作とのことで楽しみに読みました。
    こみねゆらさんの繊細な絵も素敵♪
    文章量多めの絵本で読み応えがありました。

    とても美しかった花びら姫が妖精の怒りを買って老婆の姿に変えられるのですが、落差があまりにも激しくて驚きました。

    他の人には魅力がなかったとしても、自分にとっての「とくべつ」が大事。
    サン少年と猫のマシロのおかげで花びら姫が「とくべつ」を見つけられて元の姿に戻れたこと、本当によかったと思いました。

    猫がたくさん登場するので猫好きには特におすすめ♪

  • 絵も少女漫画のようだし、もっとアッサリとしたお話とおもっていたら、長い。
    Mは途中で怖くなり「明日、明日ね」と本を閉じた。
    それっきりになりそう。

    自分は「とくべつ」が許されていると信じる花びら姫。
    お料理も洋服も何もかも「とくべつ」でなくては。
    でも実はありきたりなパンケーキ(とはいっても、お城のシェフのパンケーキだからかなり美味しそう!)が大好きで、夜にコッソリ、妖精への感謝のパンケーキを食べてしまう。
    怒った妖精たちは花びら姫を醜い老婆の姿に変えてしまい・・。

    老婆になっても花びら姫はなかなか変わることができなくて、どんどん心を閉じて、館に閉じこもってしまう。
    このあたりがとても現実的。
    ただ魔法がとけました!っていうのではない展開。
    後半に出てくる猫と少年がとても可愛くて、少年のお母さんの心情にもニヤニヤしてしまう。
    さて「とくべつ」ってなんでしょう?

    「やっべ、パンケーキ食っちゃったよ。やっちまった。」
    「うん、ここまででいいや。もう最後なんとなくわかったし」(S9)
    チビちゃんたちは結局最後まで読めず。

  • 美しいお姫様が出来心で妖精のごちそうを食べて、醜い老婆に変えられてしまう・・・。元に戻るためには、「特別なねこ」が必要で・・・

    ちょっと「美女と野獣」に似ているかもしれないけど、面白かったです。誰かにとって特別なものでも、他の人から見れば普通に見える。一人一人の価値はバラバラだけどそこが面白いんですもの。

    この本を読んだ子にも自分にとっての特別が見つけてほしい、と思わせる作品でした

  • こみねゆらさんの絵に惹かれて読んでみました。
    絵本としては少し長めです。
    お話自体はおとぎ話の古典的なエピソードを集めたもので目新しくはありませんが大変美しい物語です。
    醜さと美しさ、絶望と希望、残酷さと優しさの相反するものが存在しています。
    お姫様にあたえられた試練は自分にとって特別なものを探すこと。それがいかに難しいか、思い知らされたとき、お姫様だけでなく自分自身もきっと何かがかわります。それは心なのかもしれません。

  • 朽木祥さんの今までの本とは、まったく雰囲気が違っていて、ちょっとびっくり。
    こみねゆらさんの絵が、ぴったりだなぁ。

  • 自分がありきたりでなく特別なのは、周りの人のおかげだということ。特別なのははりぼてでそれを失った時、どんなお姫様でも心を自ら閉ざしてしまう可能性があるということ。
    とくべつなねこを探すお話のなかで、とくべつとはどういうことかお姫さまと一緒に考える。
    お姫さまにとっては変わったところもなく地味でとくべつでなくても、家族にとってとくべつに光って立派で大切に見える。お姫さまがお話の中でたどり着いたそのとくべつということの意味は、お互いに大切に思っているということ。自分を見つめ直してみる良いきっかけを与えてくれます。

  • 3日間で読み聞かせ

  • とても美しくて気まぐれな花びら姫。
    自分が着るもの食べるもの、美しい自分に見合った『特別』なものでなければならない。
    ある日妖精の為に作られたパンケーキを食べてしまい妖精の怒りをかい醜い老婆に変えられてしまう。
    呪いを解くには特別なネコを探さなければならない・・・

    イラストに惹かれて借りてみました。
    ストーリーはよくある童話でしたが文章が多く読み応えありました。
    イラストが本当にキレイで満足の一冊でした^^

  •  妖精たちを怒らせた花びら姫は、みにくい老婆の姿に変えられてしまう。元の姿にもどるためには、「特別なねこ」を探さなければならない。

  • こみねゆらさんが描くツンとすました女の子が好き。
    髪飾りには小粒の真珠、首飾りには大粒の真珠、ドレスのウェストはきゅっと絞って、肘から広がる姫袖はかろやかに、スカート裾のドレープはふんわりと、織り込まれた花の模様は青いリボンでラッピング。これがお姫さまでなかったら何をお姫さまと呼んだらいいのでしょう。花びら姫の纏うドレスには必ずどこかに花があしらわれていてどれも素敵。

    “とくべつ”を見つけた彼女の足元には“ありきたり”な花が咲く。でも“とくべつ”輝いて見える。自分のすぐそばにあるささやかな幸せをみつけたくなる。
    《2014.01.10》

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著者プロフィール

広島出身。被爆2世。
デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞、産経児童出版文化賞受賞。その後『彼岸花はきつねのかんざし』(学習研究社)で日本児童文芸家協会賞受賞。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞受賞。『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞、福田清人賞受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。ほかの著書に『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『月白青船山』(岩波書店)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)などがある。
近年では、『光のうつしえ』が英訳刊行され、アメリカでベストブックス2021に選定されるなど、海外での評価も高まっている。

「2023年 『かげふみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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