まんげつの夜、どかんねこのあしがいっぽん

  • 小学館 (2016年1月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784097266228

作品紹介・あらすじ

さみしいノネコのたのしいお話

山に暮らしていたひとりぼっちのノネコ。ノネコは、さみしくなって山をおりることにしました。けれども、でっかい犬に追いかけられて、ノネコはびっくりして、土管の中に逃げ込みました。ところが、なんと、土管から体が抜けません。
なぜかというと、ノネコは、山で、毎日毎日お料理を用意して、お客を待っていたのですが、だ~れもやってきません。しかたないので、ひとりで食べてしまっていたので、いつの間にか狸みたいに大きくなってしまったのでした。
土管にはまったノネコが、じたばたもがいているところに、猫たちが集まってきました。その日は、まんげつの夜。それから、なにが起きたかというと・・・・・・。

児童文学の数々の賞を受賞している朽木祥の最新作、子どもから大人まで、ほろっとする絵物語です。

猫好き画家の片岡まみこさんが、すてきな版画で、物語を描いてくださいました。

【編集担当からのおすすめ情報】
ひとりぼっちでさみしかったノネコは、食いしん坊。食べても食べてもお腹がいっぱいにならないような気がしてました。そして、いつの間にか狸みたいに大きくなってしまったのですが、それは、なんとも人間のようです。
読み終わったときに、心が満たされる、そんな物語です。

感想・レビュー・書評

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  • 朽木祥さんの絵本ですね。
    朽木祥さん(1957年、広島県生まれ)児童小説家、作家。被爆二世。様々な賞を受賞されています。
    絵は、片岡まみこさん(1968年、東京生まれ)版画家、コルク人形作家。

     ノネコは、山のねぐらに、ひとりぼっちで暮らしていた。山には猫のお客はめったにやってこない。
     ノネコは、〈もしかしたら、お客があるかもしれないからな〉と、ごちそうをつくるけれど、くる日もくる日も、ひとりぼっちだったので、じぶの作ったごちそうを、いつもひとりでたいらげた。
     ノネコは、いつのまにか狸みたいにおおきくなってしまったのだ。
    ノネコは、思いきって、山をおりてみることにした。
     さいしょに出くわしたのひ、でっかい犬だった。
     犬はノネコを見つけて大はしゃぎ。ノネコに向かって、すごい勢いで走ってきた。
     ノネコは土管にとびこんで、死にものぐるいで、からだをおしこんだ。
     犬が、あきらめて、去ってったけれど、ノネコは土管からぬけられなくなった。
     こんどは、猫たちがやってくるけれど、たすけてはくれない。ノネコは泣きたくなってきた。
     やがて、とっぷり日が暮れた。
     大きなまんげつがのぼるころ、原っぱには、たくさんの猫たちがやってきた。猫の集会だ。
     ノネコの土管のまわりに集まってきた。
     「まんげつのよーる!」
     「どかんねこが、いっぴき!」
     土管をたたいて、歌いだした。
     「ほろほろほろ、どかーんねこがいっぴきー、ほろほろほろ♪」たん、たん、たん!
     「まんげつのよーる!」
      たん、たたん!
     「どかんねこがいっぴき!」
      たん、たたん、たん!
     すると、土管がゆるんで、猫たちが、ノネコを土管から引きずりだした。

     ノネコは、猫たちを、山の家でごちそうをするやくそくをします。まんげつの夜の集会に、ノネコも参加して猫たちとの友情がうまれます。

     片岡まみこさんの可愛らしい版画が、物語をやさしい表現します。
     ユーモアあふれる、心温まる物語ですね。
    (この絵本は、メメさんの本棚登録で、ネコの愉しい絵本だと知りまして、読んでみました。
     メメさん、ユーモアと愉しいネコたちの集会で、まったりとしました。ありがとうございます(^_^)v)

    • ひだまりトマトさん
      メメさん、こんばんは(*’ー’*)ノ
      朽木祥さんの絵本は、猫たちに癒されました(笑)
      急な冷え込みは、腰痛には大敵ですねρ(・・、)
      ほどよ...
      メメさん、こんばんは(*’ー’*)ノ
      朽木祥さんの絵本は、猫たちに癒されました(笑)
      急な冷え込みは、腰痛には大敵ですねρ(・・、)
      ほどよく温かくして、お過ごしくださいp(^-^)q
      こちらは、明日まで晴れ間が出るようです♪
      台風の影響が明後日から出そうですね(辛)
      こんばんは、まったりと読書で癒されて、良い睡眠をとられますように…(´ー`).。*・゚゚
      明日が善い一日になりますように……(’-’*)♪
      2024/10/30
    • メメさん
      ひだまりトマトさん、おはようございます。
      明日から雨のようですね、、気温の変化に体調を崩されませんようご自愛ください。(*´︶`*)
      今日も...
      ひだまりトマトさん、おはようございます。
      明日から雨のようですね、、気温の変化に体調を崩されませんようご自愛ください。(*´︶`*)
      今日もよい一日になりますように♪
      2024/10/31
    • ひだまりトマトさん
      メメさん、おはようございます(^_^)v
      こちらは、気温が二十度前後です(^_^;)
      秋らしくなってきましたね♪
      寒さ対策もされて、お過ごし...
      メメさん、おはようございます(^_^)v
      こちらは、気温が二十度前後です(^_^;)
      秋らしくなってきましたね♪
      寒さ対策もされて、お過ごしくださいp(^-^)q
      善い一日でありますように……(’-’*)♪
      2024/10/31
  • 『まんげつの夜、
    どかんねこのあしがいっぽん』
    作 朽木祥(くつきしょう)
    絵 片岡まみこ

    作者の朽木祥さんは、広島市生まれ、被爆二世とあります。今までに出版された絵本や児童書で、数多くの賞を受賞されています。“その作品は、ファンタジーからリアリズムまで多岐にわたる。“(紹介文より抜粋)

    高岡まみこさんは版画家、コルク人形作家。ページ毎に、にゃんこたちの版画絵が描かれていて、ストーリーととてもよく合っています。とても素敵な挿絵になっていますよ〜(=^ェ^=)

    【カバー袖の紹介文より】
    「ひとりぼっちのノネコは食べてばかり。さみしいと、心のかわりにおなかをみたしてしまう。
    とうとう、ノネコはともだちをさがしにでかけた。まんげつの夜は、猫たちの特別な夜。
    たん、たん、たん!
    「まんげつのよ〜〜〜る」
    たん、たたん!」
    さてさて、なにがおきるのでしょうか?」

    山のねぐらに一人ぼっちで暮らしていたノネコ。〈もしかしたら、お客があるかもしれないからな〉とたくさんお料理を用意しては、ひとりでたいらげ、いつのまにか狸みたいに大きくなってしまいます。
    そして、ある春の日に、いよいよさみしくてさみしくてたまらなくなり、思い切って山をおります。

    最初に出会ったのはでっかい犬。犬は猫が大好きで追いかけてきますが、ノネコの方は嬉しくない。必死で逃げて、野原のちょうど真ん中あたりにある素焼きの小さな土管の中へー。

    〈やれやれ〉ほっとしたのも束の間、お腹は土にめり込んで、しっぽの先と前足が、かろうじてかたっぽでるだけ。ーノネコは土管にはまってしまいー
    さてさて、どうなることやら。笑

    通りかかった猫たちの反応、それに対してさらに寂しさを増すノネコ、やがてとっぷりと日が暮れます。満月の夜です。土管の周りで猫の集会が始まります。
    ーノネコの知らぬことながら、ノネコのはまっている土管こそが、満月の夜の檜舞台だったんですー

    集会に集まる猫たちの主張、真ん中にある土管にはノネコがはまっていますので、ノネコを思いやりながら、“たん、たたん、たん!“ 鉢割れの猫が肉球で控えめに土管をたたいてー「これくらいなら、だいじょうぶかな?」ーノネコの方も「だいじょうぶ、だいじょうぶ!」
    今度は茶虎の猫が大きな声でー「まんげつのよーる!」「どかんねこが、いっぴき!」みんな、どっと笑います。最初はちっとも楽しくなかったノネコも、リズムにあわせて、次第に愉快になっていきます♪
    さぁ、無事にノネコは土管から脱出できるかな〜?

    (ずっと待ってばかりいたノネコは、思い切って行動したことで、ちょっぴり?嫌な思いもしましたが、その後は楽しい仲間に囲まれて賑やかな食卓を囲んでいます。)
    〈どかんねこになったのも、そう悪いことじゃなかったな〉、〈さいしょは手も足もでなかったけど〉。笑

    ノネコのちょっとの勇気と、思いやりあるにゃんこ達に、ほっこり、くすり。片岡まみこさんの素敵な版画の挿絵からも、物語がよく伝わってきます。(最後のページの、キッチンに立つ、ノネコの後ろ姿。痩せていますよね?笑)
    ちょっぴりユーモアもありながら、ほっこりとする満月の夜の出来事でした。図書館でお借りしました。ありがとうございました。(*´ω`*)

  • 版画家・コルク人形作家 片岡まみこ
    http://www.corkdoll.com/

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    さみしいノネコのたのしいお話
    山に暮らしていたひとりぼっちのノネコ。ノネコは、さみしくなって山をおりることにしました。けれども、でっかい犬に追いかけられて、ノネコはびっくりして、土管の中に逃げ込みました。ところが、なんと、土管から体が抜けません。
    なぜかというと、ノネコは、山で、毎日毎日お料理を用意して、お客を待っていたのですが、だ~れもやってきません。しかたないので、ひとりで食べてしまっていたので、いつの間にか狸みたいに大きくなってしまったのでした。
    土管にはまったノネコが、じたばたもがいているところに、猫たちが集まってきました。その日は、まんげつの夜。それから、なにが起きたかというと・・・・・・。
    児童文学の数々の賞を受賞している朽木祥の最新作、子どもから大人まで、ほろっとする絵物語です。
    猫好き画家の片岡まみこさんが、すてきな版画で、物語を描いてくださいました。

    〈 編集者からのおすすめ情報 〉
    ひとりぼっちでさみしかったノネコは、食いしん坊。食べても食べてもお腹がいっぱいにならないような気がしてました。そして、いつの間にか狸みたいに大きくなってしまったのですが、それは、なんとも人間のようです。
    読み終わったときに、心が満たされる、そんな物語です。
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09726622

  • 図書館に行った時、次男が借りてきた一冊。
    私が猫が好きだと知っていて借りた様子。
    「面白かったから、母も読みなよ」
    なんてかっこつけて勧めてくれました。

    山のなかのノネコは、毎晩ご馳走を作ってはお客さんがくるのを待っています。
    でも誰もやってこないので、そのご馳走は一匹で平らげることに。そのためにどんどん大きくなるノネコ。
    ついに“お客を待ってるだけじゃだめだ”と外にでたのですが、懐っこい子犬に追いかけられ、土管に隠れます。
    それがいけなかった。
    大きくなり過ぎたノネコは尻尾と、前足を一本出すことしかできない状態に。
    そこへ何匹か猫がやってきますが、痩せたらいいとか、楽しそうとか言われ、むっとしたノネコはだんまりを決め込みます。
    そのまま夜になり、その日は満月。
    猫の集会がはじまります。
    それもノネコのはまった土管のまわりで、、、
    果たしてノネコは出られるのか。

    ほのぼの。絵の通り可愛い猫が沢山出てきます。
    ちょっとコミュニケーションが慣れていないノネコが成長していくところも、可愛いです。
    今アニメをしている『できる猫はいつも憂鬱』のように、猫がでっかくなるなんて、かなり夢がある。夢に見たい!土管に嵌るくらいの猫って、かなりですよね。
    そのお腹に埋もれたいな、、、とこの暑い真夏にも思った絵本でした。

  • 食べてばかりで狸みたいに太ってしまったひとりぼっちのノネコ

    友だちをさがしに山をおりると
    子犬においかけられてとびこんだ土管にはまってしまう

    おりしもまんげつの夜
    たくさんの猫がやってきてノネコの土管でうたいだすおどりだす

    版画の猫も愛らしく
    読後ほっこりの物語絵本、子どもからおとなまで

  • どかんねこのあしがいっぽん~~♪

  • >ひとりぼっちのノネコは、食べてばかり。
    さみしいと、心のかわりにおなかをみたしてしまう。
    とうとう、ノネコは、ともだちをさがしにでかけた。
    まんげつの夜は、猫たちの特別な夜。
    たん、たん、たん!
    「まんげつのよ~~~~~~~る」
    たん、たたん!
    さてさて、なにがおきるのでしょうか?

    なんとも不思議なタイトル。
    どんな話なのか楽しみにしながら読み始めました。

    ずっと一人ぼっちで寂しい暮らしをしていたノネコ。
    食べても食べてもおなかがいっぱいにならない・・・
    分かるような気がしました。
    でも、待つことをやめて自分から友達を探しに出かけたノネコの勇気は素晴らしい。
    土管にはまってしまうアクシデントはあったけれど、たくさん友達ができてよかったよかった。
    心が満たされた時、狸のようだった体も元に戻ったというのもなるほどでした。
    片岡まみこさんの版画もとても雰囲気があって素敵でした。

  • まずタイトルが目を惹く。そして表紙にはこちらを見返す猫一匹。どんなお話だろうかとワクワクする。
    山の上でひとりで暮らしているけど、ごちそう作っても誰も来ない。そんなノネコが
    町に降りてみたら犬に追われて土管の中へ。
    そう言えば子どもの頃、空き地の土管に入って遊んだなあと懐かしく思い出す。猫も子どもも潜れるところは潜るし、穴から出るものがあれば気になるよね。
    ひとりとひとりぼっちは違う。どかんねこのノネコは、ひとりで山の上に住んでいてももうひとりぼっちじゃない。
    使われる言葉も絵もユーモラスで楽しい。
    ”まんげつのよーる!”
    ”ほろほろ、どかんねこのあしがいっぽん!”
    月の光に照らされて猫たちが歌い踊る姿を見ちゃったら、もう楽しくてたまらないよね!

  • 食卓のシーンがいい。キツネ色にこんがり焼けたフィッシュケーキ(どんな味なんだろう)とか、ネコのラベルの赤ワインとか。猫好きだという版画家・片岡まみこさんが描くネコたちが可愛い。

  • リズムが小気味よいので読んでて快感

  • ねこがかわいい。

    たてがきで総ふりがなつき。
    読みやすい文章だと思うので、絵本読み聞かせから一人読みへの移行期にピッタリだと思います。

  • まあ、おもしろいかな。
    絵も文もなかなか。

  • 絵が可愛かった(ご近所の太めの猫に似ている!)ので読み始めたが、ストーリーもありきたりではなくて、おもしろかった。
    猫たちの緩い連帯がよく表れていると思う。

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著者プロフィール

広島出身。被爆2世。
デビュー作『かはたれ』(福音館書店)で児童文芸新人賞、日本児童文学者協会新人賞、産経児童出版文化賞受賞。その後『彼岸花はきつねのかんざし』(学習研究社)で日本児童文芸家協会賞受賞。『風の靴』(講談社)で産経児童出版文化賞大賞受賞。『光のうつしえ』(講談社)で小学館児童出版文化賞、福田清人賞受賞。『あひるの手紙』(佼成出版社)で日本児童文学者協会賞受賞。ほかの著書に『引き出しの中の家』(ポプラ社)、『月白青船山』(岩波書店)、『八月の光 失われた声に耳をすませて』(小学館)などがある。
近年では、『光のうつしえ』が英訳刊行され、アメリカでベストブックス2021に選定されるなど、海外での評価も高まっている。

「2023年 『かげふみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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