- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098250059
作品紹介・あらすじ
「小泉構造改革は、何を日本に残したか。過労死も自殺者の数も、餓死する人の数も増加しているし、東京など大都市にスラムが出現する日はそう遠くないと僕は思う」(森永)。「学力格差が地域間格差に直接つながっていく。一番学力が低い学区が公表されているので、そこに住むことを避けるんです。その結果、それが地価にも響いて下がってくる」(尾木)。自然現象でも歴史的必然でもない"ニッポンの格差"の真実を二人の論客が経済と教育の両面から、明快に解き明かす。
感想・レビュー・書評
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教育と経済の格差について社民的価値観から語られているが、対談本なのでよく言えば読みやすく、悪く言えば内容は薄く、学術的でもない。入門書として読む分には悪くはないが、各々の主張に左翼的偏りがある事を予め留意して読む必要はあるだろう。
本書の特徴は各々の体験談というか裏話的な事柄にいくつか興味深い点がある事である。その中でも、なぜ学者が体制側に付くのか?(政府批判ができないのか?)という点に関して、官庁から最新データをいち早く入手できるので、それを分析すれば頭を使わなくても世界初の論文を書く事ができるメリットがあるという指摘は興味深い。学者達は名誉と引き換えに魂を売っているのか?それとも研究のために面従腹背で割り切っているのか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2007年のリーマンショック前に行われた尾木ママと森永卓郎さんの対論。題名には教育格差とありますが、それ以上に小泉政権が打ち出した構造改革による新自由主義経済政策を徹底的に批判する内容。
それから10年、さらに格差が広がった現代日本を、改めて二人に論じてほしいです。 -
経済と教育の関係について情報が得られる。
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尾木先生と森永さんの対談集で読みやすかったです。とくに森永さんはテレビとの印象が違って、いっていることが勉強になりました。
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2008年に出された本なんだよね。かれこれ5年前。5年後にも関わらずあのころよりはますます状況が悪くなって行っている気がするんだけど。
本当に教育格差って恐ろしいんだってことを実感した。こわすぎる。こんな格差社会の中で生きて行くなんて、人間不信になっても仕方ないかもって思う。
そして、教育と経済がこんなにもぴったりとくっつき合っている分野だってこともわかった。
これをふまえた上で、私は博物館教育という分野から何ができるんだろう? -
何かが おかしいと思っていたことを
社会のしくみを踏まえて 説明してくれています
明るい未来につながりますように -
尾木ママと森永卓郎の二人が現在の日本の社会、教育の問題点について語る。
教育格差の問題というより、日本社会全体の格差の問題とそれを固定化してしまう現在の教育の問題について語られる。
非常に反体制的な発言ばかりで驚くが、お茶の間でよく見る二人がここまで語らなければならないところに現在の日本の危機がよく現れていると思う。 -
「格差」、よく聞く言葉です。
その格差について、尾木氏は、
"自然現象"でも"歴史的必然"でもないからです。きわめて人為的、政策的、つまり政治が主導して生んだ格差
だと指摘しています。
そう指摘されて初めて気がつきました。
そういうことに気がつく人材を育てていくことが大切だと思うし、
「政治が主導して生んだ。それはおかしいではないか、そんな社会はおかしいではないか。」と「権力者の行動を看破できる教養や知性」を持つ人材を育てていくことが大切。
そこに、今の教育界に蔓延している競争原理主義は必要ないと私は思う。
政府は一握りのエリートがいればそれで十分、あとは物申さぬ国民を作ろうとしているけれど、そんな政策に騙されることなく、考えることのできる子どもを育てていきたい。 -
今の日本の教育格差について、著者二人が対談形式で論じる。特に印象的なのは、日本の階級が固定化されてきているという事実。今の社会的格差は江戸時代よりもひどいとも言えるそうだ。一度落ちたらそこから這い上がるのが難しい現代の日本。それをいかに乗り越えていくか、そのヒントが書かれた本。
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現実に教育を受けていても、受けさせていても、
その評価は良く分かっていなかったことを実感。
習熟度別クラスの真実を知って、怖くなった。
教育とは、流し込むことではないことが分かった。
著者プロフィール
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