誰も知らない中国拉麺之路―日本ラーメンの源流を探る (小学館101新書)
- 小学館 (2008年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098250097
作品紹介・あらすじ
「担担麺」や「天津麺」は中国にはないのか?醤油ラーメンや、味噌ラーメン、豚骨ラーメンなど日本ラーメンはどこから来たのか?日本の麺の源流を探って二十余年、中国全土の麺をくまなく食べ歩いた男の出した大胆な結論-すべてのラーメンのルーツは、山東省にあった!ここから大陸全土に通じる拉麺之路を旅し、西の果てパキスタン国境沿いのクンジュラブ峠で食べた未来のラーメン「汁入りラグメン」や、日本の「もりそば」そっくりの麺、うどんの中国逆輸出バージョンの「烏冬麺」まで、千種類以上の中華麺を食した著者が日本の麺の昨日・今日・明日を語る。巻末には著者一押しの中国主要都市麺館案内。
感想・レビュー・書評
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中国の各地へ 見知らぬメンを求めて 歩き回る。
日本のラーメンのルーツは どこにあるのか
北海道ラーメン
横浜ラーメン
豚骨ラーメンは 中国のルーツが違う。
そうめんは どこからきたのか?
うどん、きしめんは どこから来たのか?
そばは、なぜメンとしてたべないのか?
いや。いや。このたくましい探究心。
感心しました。
過橋米線の由来は、建水節などよりも見た目がはっきりする。
中国のメンは 実にいろいろある。
それを探求するだけでも、一生かかるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中国のラーメンについて知りたくて読書。
著者の熱意と行動力に脱帽。中国滞在歴も長い。残念なのは、戦後の引揚者が日本でラーメンを広めたという引き上げ元の大連や旧満州へもっと早い段階で来て調査して欲しかった。
2006年に訪れた大連のローカルラーメン屋を紹介しているが、大連や瀋陽は、歴史的に日本との関係が深い場所なので、戦後に日本のラーメンが逆上陸したものではないかと思うことがある。烏冬面のように。
それにしても、日本で本格的にラーメンが誕生して普及するまで70年ぐらいで、とてつもなく進化したが、どうして、発祥国であるはずの中国ではラーメンや麺類が発達しないのだろうか。現状でもお世辞にも美味しいとは言えない。そもそも、大連だとローカルラーメンは貧乏人が食べるもので、自家用車を持っているような富裕層はラーメンを食べないような印象がある。
もしこの仮説が正しいとすれば、日本から進出してきたラーメン店で苦戦している店があることも納得できる。ラーメン=貧乏人の食べ物というイメージが足かせになっているのかもしれない。味の蔵ラーメンや味千ラーメンなど地元の人にも食べられて成功している店もあれば、8番ラーメンや王将など撤退や苦戦している店もある。
確かに最後のエピローグで書かれている通り、日本でもトウモロコシや豆類、米を原料とした麺が登場してもいいと思う。米を有効活用して麺やパンを作ることは食料輸入率が高い日本には重要であり、研究して進化させれば、将来的に、海外へ輸出できる魅力的な商品へ成長するかもしれない。
読書時間:約1時間5分
本書は在大連領事事務所でお借りしています。有り難うございます。 -
プロローグ 蘭州牛肉拉麺に惚れ込む/第1章 「在日中華麺」の不可思議/第2章 ラーメンはどこから来たのか?/第3章 中国拉麺之路/第4章 中国にもあった「もりそば」/第5章 日本に最初に伝わった中国麺ーうどん・そうめん類/第6章 中国では、トウモロコシも燕麦も、麺になる!/エピローグ クンジュラブ峠、ラーメンロードの終点に到達/付録 中国主要都市麺館案内