死体の経済学 (小学館101新書)

  • 小学館 (2009年2月2日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784098250172

感想・レビュー・書評

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  • 葬送とか、それにまつわる業界のお金の話。結構勉強になるし、タブー視されているものほど人間興味が湧いてしまうのだなと改めて思った。
    面白かったのに、全然感想書いてないまま終わったの悲しい…

  • 社会

  • 業界がオープンになることの弊害はあるが、今後の展開にはまだ可能性があるように思う。今までどこか他人任せにしていた「死」について、またその現実的な対応について考えさせられる。

  • 読んでおいて損はない

  • この世に生まれた人は誰でもいつかは死ぬわけなので、葬儀(死体)にまつわるあれこれは知っておいた方がよい話の1つである。ところが、やはり事が事だからか、おおっぴらにあれやこれやと尋ねにくいことも手伝って、思いのほか葬儀のことなど何もしらない。この本を読んでみいると初めから終わりまで、ほう、なるほど、と思うことばかりだった。

    本書が書かれたのは2009年、つまり今から10年ほど前ということになる。当時において変わりつつあることが色々と書かれていたのだが、今はまた状況が違うのだろうか?とても気になるところだ。

  • 文字通り、死体の処理と葬式の金勘定について正面から書いた本。
    どちらかというと業者側からの視点ではあるが、それでも非常に勉強になった。

  • ビジネスとしての、葬儀の裏側がみれそうだからと興味を持ちゲットした一冊。
    いやいや面白い話、興味深い話のオンパレード。数年前の本だからさらに進んでいってるかもしれないけど、広がりつつあるとか新しいとかの技術の話が知れて良かったなぁ。お金云々は別問題として、私がもしお葬式をやる運びとなった時には、性根のいい葬儀屋さんにお世話になりたいなぁと思った次第であります。著者のあくなき探求精神に脱帽。

  • 誰でも人生の最期にお世話になる葬儀関連にまつわる本。
    明朗会計ではない死に関係する出費。
    言い値がまかり通っていたのは、突然の訃報から短時間で事を進めるために、検討する余地が無いのも要因の一つ。
    一つの知識として読んでおきたい本。

  • タイトルは買うのをためらってしまう感じがあるが、お葬式のビジネスモデルを明らかにするという新たな試みで読んでいてとても面白い。
    結婚式同様、葬式も不透明なビジネスだなぁと思っていたがそれも変わりつつあるという話であったり、「おくりびと」は意外と最近のビジネスなんだな、とか。死は誰にも訪れるものなので、読んでおいて損はありません。特に「終活」中の人にはご一読をおすすめしたいものですが、下手に身内にすすめるとそれはそれで面倒な事になりますわな。

  • 葬儀、遺体保存、納棺師、遺品整理、腐乱死体消臭など、人の死に絡むビジネスのルポ。
    葬儀屋の価格体系が不明瞭とは、かねてから言われているが、昨今の時勢を反映して、明朗会計や格安プランの流れが見られる。「儀式」が「サービス」として値付けされるのも、複雑な気持ちになるが、一方で「死に様」の多様化に伴う、ニッチ市場開拓と、そのための技術開発も大したものである。消臭やエンバーミングなど、結構エッジな技術の応用がビジネスになる場合もあるが、何よりも「死体に触れるサービス」という考えに、商機があるのだろう。

  • 「おくりびと」が話題になってから納棺師を志願する人が増えたらしい。本作の受賞により納棺師が世に知られるようになったとはいえ、葬儀屋業界において未だ不透明な部分は多い。本著は著者が足掛け五年におよぶ取材を通して葬儀屋ビジネスについて記したものである。

    ① 情報の非対称性

    親族の遺体を公園などに遺棄するというようなおぞましい事件の報告が近年多発している。彼らは動機について問われると葬儀を行う金がなかったからという。確かに葬儀の費用は231万円と一般的に安いものではない。しかし最近では料金プランも多様化し数万円の割安プランなど選択肢の幅はひろがっている。にもかかわらず未だに葬儀に高いイメージが根強いのは葬儀ビジネスの閉鎖性によるものであろう。田舎では未だにお坊さんと同じように葬儀社に心づけという形で渡すことも少なくない。加えて病院が葬儀屋を紹介することもあり選択肢を狭めている。一方でこの様な閉鎖性が逆にお葬式の「儀式」としての側面を強めるとの声もあり一概に閉鎖性を否定することも難しい。ただその「金ではかることの出来ない」点のみを取り出し不当な利益を得やすいことも事実である。

    ② かつてのビジネスモデル

    葬儀屋の主な業務は「レンタル業」「遺体に触れるサービス」「運搬」「販売」「専門業者への手配」の五つである。かつての葬儀業においては前者二つが主な収入として機能していた。遺体を冷やすドライアイスは基本的に工場の排気より生成されるのでほとんどタダ同然で手に入る。しかし葬儀ビジネスにおいては十キロ1万円で取引されている。また祭壇のレンタルは元値が300万ほどで耐久年数は十年ほどであるのに、レンタル料は50万~100万程度であり利潤が大きい。暴利ともいえそうな価格設定だが、近年では祭壇の個人発注や後述するエバーミングなどの導入によりこのようなモデルは揺らぎ始めている。

    ③ エンバーミング

    エバーミングとは遺体の血液を抜き代わりにホルマリンを主とした保存液を注入し劣化を防ぐ技術である。エバーミング自体は海外では普及しており新しい技術ではないものの、日本では全体に占めるシェアは非常に少ない。近年ではドライアイスを使った場合よりも自然な状態を保つことができ50日程度も耐えられるとのことから技術的に再評価されている。加えて感染症などのリスクも低下する。とはいえ設備と教習に月100万円ほどかかり料金は20万~30万と利益は少ない。ゆえに導入の増加はゆるやかであるが組合は積極的にエンバーミングの推進を行っている。

    もう一冊がヘビーだったので軽いものをと手に取ったが、雑学的な知識や筆者の体験談はそれぞれ興味深かった。しかし経済学と冠している割には数字も口伝の不正確なものが多いように感じた。

  • 葬儀業界の実態を垣間見れた本だと思いました。

    葬儀に係るお金のことや、葬儀屋さんのもうけのからくり、遺品整理、遺体防腐スプレーなど・・・

    ただ葬儀屋さんのもうけのからくりだけを扱っていなかったので、個人的には面白かったです。

  • 葬儀業界に勤める者からすると、呆れてしまう内容でした。

    よくこの内容で、
    「足かけ5年の取材」「徹底ルポ」なんて言えたものですね。
    本当に取材をしたのでしょうか??

    指摘したいところは、山のようにありますが、
    (それこそ、1ページに1箇所はおいおい!と感じるくらい)
    大きいところは以下の2点です。

    (1)地域の特定があやふや
    葬儀費用の総額は地方によってビックリするくらい差があります。
    寺院に納めるお布施の額も同様です。
    それなのに、葬儀費用は高い高いと一体何を基準に言ってるのでしょうか?
    東京からやってきたご遺族が、費用が予想の半分で済んだ!
    と驚いて帰っていったことなんて、何度もあります。
    あと、笑っちゃったのが「太平洋ベルト地帯など大きな化学プラントの多い地域の葬儀社ならば、ほぼタダ同然で入手」したドライアイスを一日3万で売っている!というくだりです。
    その地方羨ましいですねー(笑)
    全国の葬儀屋の一体何パーセントがその恩恵にあやかれるのでしょうか??
    我々東北片田舎の葬儀社では、ちゃんと仕入れてます。
    遺族への請求は一日5キロの使用で、6千円ですのでご参考までに。

    いったいどこの地域に焦点を当てたのか知りませんが、
    それならそれでどの地域なのか明記すべきだし、
    これが日本すべての葬儀屋の実体だ!!と主張するのであれば、
    調査がお粗末すぎます。

    (2)葬儀屋の位置付けをカン違いしてる
    葬儀屋を慈善事業とでも思ってますか?サービス業ですよ。
    悲しんでいる遺族と対比させて、金儲けしようとする葬儀屋を一方的に悪者にしないで欲しいです。
    蝋燭・線香を仕入れるのにもお金がかかります。
    24時間体制で病院からの搬送を請け負うための待機従業員に手当が必要です。
    搬送車のガソリン・ホールの光熱費だってタダじゃあありません。
    利益を出して、よりよいサービスにつなげたいんです。
    一企業として、あたりまえのことでしょう?
    問題なのは、遺族の無知につけ込んでふっかける一部の悪徳葬儀社ですよ。

    これで葬儀のウラ側がよくわかった!
    という意見を見ると、悲しくなってしまいますね(苦笑)。

  • [ 内容 ]
    人生最後にして最大のセレモニーである葬儀。
    平均231万円という大金を払いながら、人は葬儀費用の内実を知らない。
    タダ同然のドライアイスで1日1万円、つかいまわしの祭壇で100万円取られるのはなぜ?
    ベールに包まれた葬儀業界のカラクリをついに明かす!
    さらに、死をめぐるビジネスは葬儀社だけではない。
    映画で話題の納棺師からチェーン展開の遺品整理屋まで、最前線を行く「おくりびと」たちを徹底ルポする。

    [ 目次 ]
    序章 葬儀費用が払えずに親を山に捨てる日
    第1章 「ドライアイス」からわかる葬儀ビジネスのカラクリ
    第2章 エンバーミングは葬儀業界の「救世主」になれるか
    第3章 四川大地震で活躍した遺体防腐スプレー
    第4章 「納棺」と「死化粧」のパイオニア
    第5章 “死臭”消臭剤開発プロジェクト
    第6章 「死者の引っ越し」というサービス業
    第7章 棺業界を席巻する「中国製品」と「エコブーム」
    第8章 年間100万人超の火葬場は海へ地下へ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 人生最後にして最大のセレモニーである葬儀。平均231万円という大金を払いながら、人は葬儀費用の内実を知らない。タダ同然のドライアイスで1日1万円、つかいまわしの祭壇で100万円取られるのはなぜ?ベールに包まれた葬儀業界のカラクリをついに明かす!さらに、死をめぐるビジネスは葬儀社だけではない。映画で話題の納棺師からチェーン展開の遺品整理屋まで、最前線を行く「おくりびと」たちを徹底ルポする。

  • 葬儀業界に偏見を抱く人にオススメの入門書。

    甘口でも辛口でもなく、真実を書いている感じ。

  • 個人的には結構面白かったな、と。

  •  葬儀関連ビジネスのルポなんだけど、いやーなかなか面白かったよ。

     結構ぼろもうけな商売らしい。確かに価格交渉するタイミングがないから仕方ないもんねえ。とはいえ「死体に触れるサービス」「専門知識を駆使するフィー」ってのはそれなりにしっかり料金が発生していい内容だとも思うけど。適正価格かどうかは別に議論するとして粗利だけで議論するべきではないよね。

     しかしともかく読書の本質の一つに「見聞を深める」という項目があるとするならば、確かに見聞はふかまったなあ、というかんじ。

  • 現代の日本の葬式事情や、裏で働く方々の苦悩といったものが見えてくる。

    エンバーミングを素晴らしい技術であると思っていたが、ただ素晴らしいだけではないと思った。
    倫理問題・死体損壊罪といったものにつながるかもしれないといったことに改めて気づいた。

  • 葬儀業界の過去・現在・未来が分かり易く説明されていた。

    業界側でなく、こちら側のなんかなんでも金というか・・・自己の利益ばかり考えていて、行き過ぎた資本主義はやはりどうかな?って感じました。

    別に粗利が50%以上でもいいじゃん。ここは。

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著者プロフィール

1974年、東京に生まれる。ノンフィクションライター。学習院大学文学部史学科卒業。在学中より報道番組のスタッフとして制作に携わる。「世界ふしぎ発見!」(TBS)やドキュメンタリー番組のアシスタントディレクターとして活動後、「フライデー」記者、朝日新聞記者、「実話ナックルズ」などの副編集長を経て、現在は週刊誌や月刊誌などに取材記事を寄稿するかたわら、豊富なメディア経験をいかして企業や公共機関の報道対策アドバイザーもつとめる。IT mediaビジネスオンラインにて「スピン経済の歩き方」、ダイヤモンド・オンラインにて「情報戦の裏側」を連載中。
著書には『スピンドクター』(講談社+α文庫)、『14階段』(小学館)などがある。

「2017年 『「愛国」という名の亡国論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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