まれびとたちの沖縄 (小学館101新書 32)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098250325

感想・レビュー・書評

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  • 以前読んだ『美麗島まで』でも感じたことだが、ヒトとヒトとのつながりや彼らの生き様から、物語のような広大な歴史像が紡がれていくところがこの著者の作品の魅力なのだと思う。一読すればすわかるが、この本には役人、研究者、宣教師、芸能人など、沖縄の歴史を彩ってきた多くの人物が登場する。私たちにもよく知られた歴史事実もあれば、なかには意外な人物同士の結び付きもあり、特に近現代の琉球がいかにして動いていったのかをイメージする手がかりを与えてくれる。
    個人的には「為朝伝説」に関する第2章が一番興味深かった。

  • [ 内容 ]
    近代沖縄の苦悩のなかで生まれた「沖縄学」。
    その父といわれる伊波普猷に決定的な影響を与えた新潟出身の国語教師・田島利三郎。
    幕末、西欧諸国の思惑と琉球王国の危機に揺れる時代に滞在したユダヤ人宣教師・ベッテルハイムの葛藤。
    琉球に源為朝がやってきたという「偽史」はいかにして生まれ、固定化したのか。
    江戸期の琉球ブームをときあかし、「異国琉球」が「日本」に取り込まれてゆく過程を描く。
    また沖縄芸能は本土でどう受容されたのかを丹念に追う。
    刺激的な日本/琉球・沖縄論。

    [ 目次 ]
    第1章 放浪先生の贈りもの 田島利三郎-「沖縄学」の父・伊波普猷。破天荒な教師との出会いが生む感動的な物語。
    第2章 為朝はまた来る?「琉球本」の系譜-歴史とは何か。中国と幕藩体制の日本のはざまで生きる琉球の実像。
    第3章 宣教師はご機嫌ななめ バーナード・ジャン・ベッテルハイム-異国船来航に翻弄される琉球。ユダヤ人宣教師の「言葉」の格闘の日々。
    第4章 レヴュウになった“琉球” 田辺尚雄/日劇ダンシングチーム-沖縄芸能はいつ、なぜ注目されたか。背景にある「国民意識」の統合とは。

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    [ 参考となる書評 ]

  • 別の視点からの沖縄論。女性の視点が新鮮。

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著者プロフィール

与那原恵
1958年東京都生まれ。96年、『諸君!』掲載のルポで編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。2014年、『首里城への坂道――鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像』で第2回河合隼雄学芸賞、第14回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。他の著書に、『美麗島まで』『サウス・トゥ・サウス』『まれびとたちの沖縄』『わたぶんぶん――わたしの「料理沖縄物語」』『帰る家もなく』『赤星鉄馬 消えた富豪』などがある。

「2022年 『琉球切手を旅する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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