東京の副知事になってみたら (小学館101新書 88)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098250882

感想・レビュー・書評

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  • 外部の目線でロジカルに切る。都政を副知事の立場で支える参謀でありながら前線で戦う著者を(直接選挙で選べないが)支持したい。

  • 本書を読んでいて気がついたこと。猪瀬氏も言っているように、国ができなくても都市だからできることがあるということ。COP15が不調だとしても、平行して行われていた市長気候サミットで世界80カ国の都市からの参加があったという。世界の人口の半分が都市に住んでいる現実があるならば、国家間の交渉が不調でも、都市間の連携で出来る事は少なくないということである。その他、首都である東京の役割もまた国内において少なくないということである。ただし、東京に在住している都民の通勤の負荷や住コストの高さを強いられながら、地方は補助を受け続ける構図は改めなければならない。

  • いろいろあったけど、今更ながら読んでみる。

  • Sat, 23 Oct 2010

    面白そうだな,読んでみたいなとおもっていたら,
    縁あってご本人からサイン入りでいただきました.
    早速読んでみました.

    いきなりプロローグの文章が
    「真下から仰ぐと新宿の超高層ビルの頂きは,大道具係がつくった映画の書割のような白い雲と青い空に縁取られている.・・・・」
    と,いきなり文学的でビビった.
    こういう新書系の本で,こういう文に出会うことはナカナカないので.なんか新鮮.さすが.

    猪瀬さんが副知事になって,取り組んで来た様々な改革について書かれている.
    水ビジネス,東京五輪招致,参議院議員宿舎の建設反対,
    羽田空港のハブ化,夕張市への職員派遣など,
    どのようにリーダーシップを発揮して,猪瀬さんが都政に貢献されてきたのか
    よくわかる.
    それぞれのポイントでいろいろ論点はあるんですが,それは読んでいただくとして,,,

    京都に住む身として,本書で書かれている猪瀬さんの目から見える風景の質的な違いが,興味を引いた.

    つまり,それは東京都というものの,「巨大さ」であり.「中央との近さ」だ.
    たとえば,村山祥栄さんが政令指定都市である京都市政の問題をつづった同和問題の新書では,京都というローカリティが大いに見えた.そこにはローカルとしての京都と,対置してグローバル(大域的というだけの意味ね)としての日本・中央の観念があり,その役割分担もクリアに見えた.(・・クリアというか,明らか.)

    「京都・同和「裏」行政?現役市会議員が見た「虚構」と「真実」」

    しかし,なんだか東京都は国政に近いのだ.それは,究極的には地理的な近さに還元されるのだろうが,その見えの違いがなんとも興味を引いた.

    東京都のど真ん中にいながら,マスメディアの偏向報道と戦っているあたりも興味を引きました.
    さてさて,都知事選も近づいているので,猪瀬さんの今後には,いろいろ注目ですね.

  • 東京都職員は16.5万人。教師が6万、警察が4.5万人、消防庁が1.8万、残りが行政で4万、新宿にいるのが9千人。
    本を読む習慣がすたれると思考力が衰える。
    活字離れ対策とは読書力、対話力、言語力、そして歴史認識、その全体をいかに再構築するかということ。
    小泉さんはしがらみがなかった。
    首都公務員は国家のことも考えて働かないといけない。都庁職員が夕張に研修に行くのは良いことだろう。いかに東京の無駄遣いが多いかわかると思う。
    羽田を24時間にしないとジャパンパッシングされてしまう。
    都職員はボランティアでも日当を出して、逆ザヤしている。笑

  • 作家という割にはこの人の本を読んだことがなく、手にとったのが行政に入ってからの話っていう辞典で色眼鏡がかかっているのは百も承知ではありますが、それにしてもテレビで見たまんまの自分大好きな中身があんまりない人なのかな、と。話題作りとか選挙対策にはこういう本もいいのでしょうけど、それにしては実績が伴ってないとか思ってしまうのは言いすぎでしょうか。都知事に当選しましたが2期目はありますかね。

  • ここまで意識が違うのか?
    民と官 の差が浮き彫りになっています。

    多少大袈裟に書いてある気もしますが。

    民間からの目線が国や地方行政を
    変革する大きな要因であることに
    間違いはないだろうし、
    事業の民営化が利益の拡大や
    事業自体のグローバル化を推進させることも
    よく分かりました。勉強になる本です。

    「あいつは作家だから、一般人と考えが違うんだよ」
    そういう批判を時々耳にしますが、
    彼じゃなければ変えられなかったこと沢山ある。確かに変わり者であることに
    違いはないでしょうが、それ位がちょうど良い気もします。

  • 著者が東京都副知事時代の成長戦略が語られている。一番印象に残ったのは活字離れ対策。外国に売れるすばらしい技術があっても、対話ができなければビジネスにならない。論理的な対話技術が必要である。

    「活字離れ対策とは、読書力・対話力・言語力・歴史認識、その全体をいかに再構築するかということ。(本文より)」

    (論理的か否か)
    1.フィンランドの小学校で
    相手の言うことが分からなければ、おかしいとか間違っていると攻撃する前に、どういうことなのか?どうしてそう考えたか?教えて下さい、というべき。分かり合えない状態から自分と相手との間に理解を形成してゆくコミュニケーションが対話なのだ。(北川達夫氏)

    2.東ドイツのビジネス現場で
    交渉が日本に不利に進むのは、外国語での交渉というハンディではなく、日本側に交渉の組み立てや展開をどうすればよいか、という論理がなかったからだと気付く。国語に言語技術の指導が必要なのだ。(三森ゆりか氏)

  • 2010年に発刊。副知事時代の猪瀬直樹が一つひとつの施策にどのように取り組んだのかがよくわかる。石原都知事とのやり取りも面白い。
    東京都は国に先んじて、新しい取り組みにチャレンジしてきた。それを支えてきたのが東京都の職員であり、猪瀬直樹も本書の中で賛辞を送っている。
    東京都はときには国とも戦う。イメージでは分かっていたが、具体的にどのように戦い、国をも動かしてきたのかが分かった。
    副知事の中でも異端だった猪瀬直樹が知事になった。本書から、今後の都の方向性も垣間見れた気がする。

  • 良い本に出会ったという感じです
    この本は現東京都知事の猪瀬さんが副都知事時代にお書きになった一冊です
    作家という立場からなのか、洞察力•分析力•決断力•説得力•行動力が備わった方なので政治家にならない方がもったいない方ですね
    私の嫌いな歴史もそういう流れでこうなって行くのかと今更ながら納得の文章でした

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著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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