ものづくりの歴史にみる日本の底力 縄文土器からiPS細胞まで (小学館101新書)
- 小学館 (2011年8月1日発売)


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本 ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784098251155
作品紹介・あらすじ
日本のものづくりの強さを歴史で読み解く
歴史を動かしてきたのは、政治や経済システムや軍事力だけではない。ものをつくる技術とそれを支える科学の進歩が、大きな原動力になってきた。日本でも、縄文土器から始まったさまざまな技術革新や海外からの新技術の受容により、歴史はつくられてきた。現代から振り返ってみれば、戦後の日本には、戦前・戦中の日本人の夢が多大に織り込まれた物語がずっと影響している。そして戦前の日本は幕末に、幕末の日本は江戸に。古代からの日本の科学が文化を創り、日本人の気質と価値観が交わり政治と経済を発展させた。その積み重ねが歴史を作ってきたのである。
本書は、ものづくりの技術の進歩とそれを担った技術者・科学者の営みにスポットをあて、それが日本の歴史をどう進めてきたのかを描きだし、日本のものづくりが世界の最先端であり続けた歴史から未来を切り拓く指針を考える。
感想・レビュー・書評
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日本人とは日本になる以前からものを作ることが得意だったという説に賛同した。若い人たちにももっともの作りを目指す人が増えてもらわなければならないと思う。ものを作る事は素敵な事だし、楽しいことだと教えてあげなければならないだろう。もちろん、仕事としてもきちんと成立してもわらなければ困るわけだが。
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日本史の本という要素が強い本だったが、日本の各時代とその時代において作られた道具を焦点に当て、縄文時代から綴られていた。日本の時代区分は、縄文時代、弥生時代、大和時代、飛鳥時代…と政権の交代などによって変わっていくが、文化の転換のきっかけはそれほど多くなく、平安時代の末期に家とか武士道という考え方が生まれたあとは、それなりに文化は発展していたのだろうが転換というほどのものはなく、鎌倉時代から江戸時代まで一括りでまとめられて説明されていた。
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要するに、縄文式土器の精巧さと鉄器伝来が日本のものづくり精神の原点であって、江戸時代の鎖国中、外から入ってこなくなったことで、自前主義によるものづくりDNAが進化し、現在に至る、ってとこだろうか。しかし普通に読んでしまうと中学校の日本史教科書っぽくて、ものづくりに関するエッセンスが伝わってこないような。。。
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日本人の素晴らしさの一つにものづくりがあげられる。その原点ははるか昔,縄文時代から始まっている。貝塚はただのゴミ捨て場ではないという記述は納得である。
また,本書では書かれていないが,日本人は枠をうまく使うことができる民族だ。例えば,駅弁。箱庭に表現された美の和食である。例えば,石庭。竜安寺などは有名である。庭という限られた枠の中で美を表現できる。この枠を使った日本人ならではのセンスがものづくりに生かされている。 -
【配置場所】工大新書A【請求記号】502.1||T【資料ID】91112089
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タイトルと第一章「日本文化は一つの壺から始まった」という目次にだまされて買った。工学的な本だと思っていたのだが、よくタイトルをみると「ものづくりの『歴史』にみる日本の底力」とある。
その名のとおり歴史の本である。構成も基本的に鉄の話に過ぎない単純な歴史認識で成立している。また、明治期の近代化から、最終章まではすべてすっとばして、いきなりiPS細胞の話になる。P123のネジと鉄砲の話は、以前勉強したネジの話とつながってなかなか興味深いがそれ以外は、これといって特記するところのない本であるといえよう。
著者プロフィール
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