これが本当の「忠臣蔵」 (小学館101新書 134 江戸検新書)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 88
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251346

作品紹介・あらすじ

歌舞伎『仮名手本忠臣蔵』により、日本人の心性に深く根を下ろす「赤穂浪士討ち入り事件」。しかし、物語ではない、史実としての詳細は、意外に知られていない。二〇一一年末に著者自身が鑑定した新発見史料「茅野和助遺書」をはじめ、残された調書や手紙・日記などを徹底的につきあわせていくことで浮かびあがる、事件の真相。赤穂事件をわかりやすく、正確に解き明かす!「江戸を学ぶ、江戸に学ぶ」江戸検新書、第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「忠臣蔵」って、実は詳細知らなかった。。。そして、今さら聞けねぇ!と思っていたらぴったりの一冊。笑

    これ読んでから映画「最後の忠臣蔵」観るとしっくりきた。(この映画はフィクションですが。)

  • この本はいわゆる「忠臣蔵」ではなく、赤穂事件について時系列で詳細を書いています。何が本当で何が史実と違うのかがよくわかる。

  • 討ち入り当日は雪は降ってなかった、陣太鼓は打ち鳴らしてなかった等々、芝居と史実の差異を紹介するのではなく、信頼性の高い史料を突き合わせて事実に迫っていく内容で、赤穂事件だけでなく当時の社会通念や慣習まで見え、興味深く読めた。驚いたのは、討ち入りまで金銭の収支をきっちり付けていたところ。藩札の処理から城明け渡し、御家再興の努力から同志の纏め上げまで含め、大石はついに打つ手を誤らなかったが、成就の秘訣はこの経営感覚が根本にあったように思われる。また御家断絶後、討ち入りまで約2年間、何とか資金が持ったのは、赤穂藩が塩で比較的潤っていた事と無縁でなかった点気付かされた。先立つものは金とはいえ、成るも成らぬもやはり使い方次第らしい。

  • 『仮名手本忠臣蔵』と実際の赤穂浪士吉良邸襲撃事件の違いを、当時の手紙等各種資料から検証。日本三大仇討ちの一つと言われるが、実際に仇討ちと呼べるものだったか。吉良家側、幕府の置かれていた事情(朝廷と幕府)、事件の仕置きについて興味深い。

  • そろそろ忠臣蔵にチャレンジしたいと思いつつ何から入っていけばわからず悶々としていた時に知り得た。
    こういう説もあるが、こうこうこういう理由からこう考えるのが妥当であろう解釈が、この薄い新書の中に数多くおさめられていて信じすぎるということもなく、サラリと納得しやすい。
    今日から2読目。流した1読目と違い、強弱つけて楽しく読めると思う。

  • 副題は、赤穂浪士討ち入り事件の真相。
    新史料発見。刃傷事件が忠臣蔵になるまで。もっとも「正確」な赤穂事件。
    歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」により、日本人の心性に深く根を下ろす赤穂浪士討ち入り事件。しかし、物語ではない、史実としての詳細は、意外に知られていない。新発見史料「茅野和助遺書」をはじめ、残された調書や手紙・日記などを徹底的につきあわせていくことで浮かび上がる、事件の真相。わかりやすく、正確に解き明かす。

    山本氏の著作は、わかりやすく面白い。本書でも、松の廊下から討ち入り、切腹まで、時系列を追って解説している。浪士たちの一枚岩というわけではなかった。吉良を討つという手段は同じでも、武士の一分を守るためか、主君の仇を討つためか、家の名誉を守るためか。身分によって、価値観が大いに異なることがわかって面白い。
    忠臣蔵の理解を深めるためにお勧めの本である。

  • 中々、面白かったです。

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著者プロフィール

1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。文学博士。東京大学史料編纂所教授などを勤めた。1992年『江戸お留守居役の日記』で第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。著書は『寛永時代』(吉川弘文館)、『日本史の一級史料』(光文社新書)、『歴史をつかむ技法』(新潮新書)、『流れをつかむ日本の歴史』『武士の人事』(角川新書)など多数。NHK Eテレ「知恵泉」を始め、テレビやラジオにも数多く出演した。2020年逝去。

「2022年 『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 全16巻+別巻4冊定番セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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