女神の聖地 伊勢神宮 (小学館新書)

  • 小学館 (2014年4月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784098252091

作品紹介・あらすじ

伊勢神宮と「女神さま」の不思議に迫る

125社もの神社の総称である伊勢神宮。そこには内宮のご祭神である「天照大神」、外宮の「豊受大神」をはじめ、内宮創建に尽力された「倭姫命」、美しい桜の化身とされる女神「木華開耶姫命」など、数多くの「女神さま」がおまつりされている。なぜ伊勢の地には、これほど「女神さま」が鎮座しているのか? 今年は式年遷宮の翌年で、新宮の神さまのおかげをいただく「おかげ参り」で最も賑わう「おかげ年」。三重県に生まれ、二度目の遷宮を体感した著者が女性ならではの、しなやかな感性で「女神の聖地」の秘密と謎に迫る。「日本の最高神は、天照大神という女神さまです。その女神さまがいらっしゃる伊勢の神宮。緑豊かな森に包まれた神域は、どこまでも穏やかで、心が和みます。それはどこか故郷を思わせ、優しくほほ笑む母親の懐に抱かれているような気持ちにさせてくれます。日々の中で生まれる多くの願いを、まるごと受け止めて、にっこりとほほ笑んでくれるのは、母親の慈愛を思わせる女神さまなればこそ。」(「はじめに」より)

【編集担当からのおすすめ情報】
三重県に生まれ、伊勢神宮と深い関わりを持ち、皇學館大學非常勤講師である著者が、女性ならではの視点で、「女神さま」や「神宮」と「女性」の関わりなどについて掘り下げ、「女神の聖地」を読み解く画期的な一冊です。

感想・レビュー・書評

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  •  女性という視座から伊勢神宮に迫る一冊で、その切り口が大変に面白いと思いました。
     世界的にみても神話の最高神が女神であるのは珍しいと、以前に何かの知識で知りましたが、そんな日本・日本神話だからこそ、女性という視点から見たものを読んでみたいと思っていましたので、その知的好奇心を満たしてくれる本でした。
     女性だからという雰囲気で括られていた箇所もありましたが、そういったところについてはもう少し掘り下げた考察や研究があればより満足が得られたと感じました。

    第一章 「つよからぬ」女性の力
     持統天皇という女帝の時代に始まった式年遷宮。20年に一度の建替えを繰り返すことにより永続を可能とした式年遷宮という様式に、安定性・柔軟性の女性原理を見ます。
     伊勢神宮の祭典に欠かせないアワビを採る志摩地方の海女さん。海の恵みを取り尽くさない海女さんたちの海の掟にも永続性の通底を感じながら、鳥羽市相差町の石神さんの話にも触れています。

    第二章 女たちの伊勢神宮
     斎王の歴史、式年遷宮の始まりについて、ほとんど知らないことだらけでしたので、伊勢神宮にまつわる朧げな微かさな自分の知識をしっかりと網の目のように繋ぐことができました。

    第三章 女神をまつる伊勢神宮
     神宮は、内宮、外宮、別宮14社、摂社43社、末社24社、所管社42社の計125社からなります。その神宮125社のなかで女神を祀る神社は43にのぼるといいます。
     内宮の天照大神、外宮の豊受大神をはじめ、女神に大きくスポットライトをあてて神宮をみています。

    第四章 式年遷宮
     著者は前回の式年遷宮を取材されています。間近で式年遷宮を見てこられたからこその式年遷宮の空気感や式年遷宮を支える人々についてを伝えています。

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著者プロフィール

三重県生まれ、文筆家。皇學館大學非常勤講師。三重の地域誌『伊勢志摩』編集長を経て文筆業に。新幹線車内誌『月刊ひととき』に「伊勢、永遠の聖地」を8年間にわたり連載。伊勢神宮の式年遷宮については平成5年、25年の2回取材し、伊勢神宮についての講演や執筆活動を行う。著書は『女神の聖地、伊勢神宮』(小学館新書・全国学校図書館協議会選定図書)など。三重テレビ特別番組の『にっぽんの道』をはじめ、『祈り~神と仏と』『氏神さま』の構成・脚本担当。三重県文化審議会副会長、三重県観光審議会委員など。

「2023年 『伊勢西国三十三所観音巡礼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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