国境のない生き方 -私をつくった本と旅- (小学館新書)

  • 小学館 (2015年4月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784098252152

作品紹介・あらすじ

ヤマザキマリの名言満載、体験的人生論!

14歳で1か月間、欧州を一人旅。17歳でイタリアに留学し、どん底のビンボー生活も経験。様々な艱難辛苦を経験しながらも、明るく強く生きてこられたのは、本と旅、人との出会いのおかげでした!
この新書に登場する本は、三島由紀夫に安部公房、『百年の孤独』のマルケスに、『蜘蛛女のキス』のブイグ、漫画界からは手塚治虫に藤子・F・不二雄、つげ義春に高野文子など。
旅は、欧州一人旅に始まって、キューバ、ブラジル、ヴェトナム、沖縄、地獄谷のサルの温泉などが登場。
膨大な読書経験と、旅の記憶、強烈な半生に支えられたヤマザキマリの人生論は強くて熱い! 本書に登場する、ヤマザキマリの名言をさわりだけ紹介します(一部、要約しています)。

「ガンガン傷ついて、落ち込んで、転んでは立ち上がっていると、かさぶたは厚くなる。その分、たくましくなる」
「他人の目に映る自分は、自分ではない」


面白くて、勇気が湧き出る体験的人生論です!


【編集担当からのおすすめ情報】
発売前の本書の原稿を読んだ人から、すごい反響が寄せられています。曰く、「『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリさんって、こんなに教養人だったの?」
「ヤマザキマリさんの半生自体が、漫画みたい!」などなど。「漫画になりそうな劇的な半生」と、「驚くほどの教養人」「心を揺さぶるような言葉の持ち主」といったイメージは、どれも私の想像をはるかに超えていました。ぜひ、本書でご確認ください。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

多様な経験と教養に裏打ちされた人生論が展開されている本書は、著者のヤマザキマリが14歳での一人旅から始まる自立の物語を通じて、人生の深みを感じさせます。彼女の体験は、ビンボー生活や旅のエピソードを交え...

感想・レビュー・書評

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  • ヤマザキマリさんの本は『歩きながら考える』に続き二冊目ですがこちらの方がダイレクトにひびきました。

    ヤマザキマリさんの半生がぎゅっと凝縮されているのだから当たり前かもしれません。
    これからこの本を読んで社会に出られる若い人が羨ましいと心から思いました。

    お母様はシングルマザーでオーケストラのヴィオラ奏者。
    14歳の時にヨーロッパをひとり旅し、17歳でイタリアに留学して絵の勉強を始められます。
    そして隣の部屋のイタリア人の詩人ジュセッペと出会い、多大なる影響を受けパゾリーニの映画をすべて観ます。
    そして27歳で息子のデルス君を出産します。
    ジュゼッペとは別れます。
    日本に戻り、デルス君を育てるために、イタリア語の講師などをしながら猛烈に働き、漫画家としてデビュー。
    そして35歳で13歳年下のイタリア人ベッピーノと結婚。

    人、旅、本が大切なのがよくわかる体験談でした。
    この本は必然性があって読んでいる人には必ず刺さる部分があると思いました。

    私にとってそれは、マリさんの読書歴であったかもしれませんし、人や土地との付き合い方だったかもしれません。


    P104より
    パゾリーニにしろ、プリウスにしろ、いろんな政治的な軋轢の中で生きてきた人たちですから、そこで押しつぶされないために、現実をバリバリ咀嚼する丈夫な胃袋を持っていたと思うんです。
     彼らが持っていた膨大な知識量は伊達じゃないんですね。彼らにとって教養っていうのは、単にひけらかすためのお飾りじゃなくて、現実を生き抜くための具体的な力、進むべき道を切り開くための飛び道具みたいなところがある。
     知識をそこまで鍛えあげるには、やっぱり、自分ひとりで抱え込んでいたのではだめで、常にアウトプットして、人とコミュニケーションすることが必要。
     これは私もイタリアで痛感したことですが、教養を高めるといっても「自分はたくさん本を読んだからいいわ」という話ではないんですね。見て読んで知ったら、今度はそれを言葉に転換していく。
     これって日本人に欠けているところではないかと思います。
     さまざまな国籍、文化、背景を持った人たちが一緒に生活している場所では「言わなくてもわかってくれる」はあり得ない。ヨーロッパの社会においては「自分の考えをアウトプットする」は必須の能力でもあるんです。
     ただし、それはいわゆるディベートとは違う。自己主張して、相手を圧倒することではないし、まして優劣や勝ち負けを競うものでもない。考えていることをアウトプットすることで、彼らは、教養に経験を積ませているんです。そうして、教養をブラッシュアップして、深化させていく。
     日本にも、60年代くらいまでは、こういう知識人がいたと思うのですが。


    P252より
     だから思うのですが、みんな、持っている地図のサイズを変えてみたらいいと思うんです。基本にする尺度を変える。
     自分が暮らしている町でもなく、国でもなく、自分が生きているこの地球、この地球で生きているありとあらゆる生き物、そういうすべてをふくんだ宇宙、そこまで地図を広げていったら、ものの考え方や見え方も変わるんじゃないか。
     単純に地球があって、太陽があって、この環境の中で生きていける生命体として、私たちは命を授かったのだから、まず「生きてりゃいいんだよ」。これが基本。
     生きてていいから、生まれてきたんですよ。
     それなのに、なぜ生きていくのかとか、仕事がどうとか、人間関係がどうだとか、私にいわせれば、そんなものは、あとからなすりつけたハナクソみたいなものです。

     もっと、ただの生き物みたいに、生きることそのものに夢中になったらいい。
     あとからくっつけたいろんなものを、とっぱらって、囲いの外にでてみる。
     一度でも出てみれば、きっとわかると思います。
     この世界が、どんなに広いか。生きることは、そうやってあらゆる扉を開け放つこと。
    生きる場所をここだけに限定することはない。用意されたものを生きるのではなく、もっと、人は多元的に生きていくことができるんじゃないか。
     そうして、何の囲いもない荒野を往くのなら、遠くの富士山を見ていけばいい。
     私は、いつも、そんなふうに思います。遥か遠くに美しいものを想い描くことができるなら、人は足元にある小石は気にならなくなるから。もう先に進むしかない。

     私も、まだまだ一か所にとどまる気はありません。
     人間は動く生き物なんだから、移動するのが当たり前。旅をするのも当然のこと。
     生きているからには、感動したいんです。感動は、情熱のガソリンですから。ガス欠になると途端に頼りない人になっちゃうので、まだまだ動きますよ。どこまでも!

  • ブクログを通して初めて知ったヤマザキマリさん。
    『テルマエ・ロマエ』という作品を観たことがない私には、何の予備知識もなかったマリさん。
    14歳でひとりでヨーロッパ?行かせた母も母だが、よく戻ってきたなと思う。自分で考え、自分で判断して生きていく彼女の自立がスタートした旅だったに違いない。
    読んでいてベースに北海道の大自然を感じる。人は自然の中で生き、生かされているのが伝わってくる。ピラニアが棲息するアマゾン川で泳いだことにもなぜかビックリしなかった。黒澤明監督のソビエトの探検家の話や安部公房さんの本、三島由紀夫さんの本の話にも惹かれた。
    地球人として生きる彼女からたくさんのエネルギーをいただいた!

  • 図書館本
    この本は手元に残しておきたい本なので、購入します

    ヤマザキマリさんの
    感受性、経験値の多さ
    本の知識と読み方
    移動することが当たり前
    フットワークの軽さ
    基準の地図が「地球」サイズ
    人との縁を大切にするところ

    読めば読むほどかっこよくて!
    こんな風に考えられる人になりたいと憧れます

    自分との差を感じます
    小さく生きてきました

    今からでもできる経験はしたいと思うし、前よりチャレンジしたい気持ちは増えてる!
    だから、自分の小さな成長も認めようと思った

    恐怖を感じなくなった飛行機に乗って、子供と一緒にまた旅をしたいなと思った

  • 「教養ってなに?」
    ある日突然娘に聞かれました。学校の課題だそうです。
    「・・・」
    もちろん答えられないので、静かにスマホで検索検索〜
    『個人が社会と関わり、経験を積み、体系的な知識や知恵を獲得する過程で、人格全体の訓練を行い、蓄積される人間観、世界観、自然観などの価値観の総称』
    『学問・知識を(一定の文化理想のもとに)しっかり身につけることによって養われる、心の豊かさ』だそうです。

    また娘が聞いてきます
    「じゃあ、教養のある人って誰?」
    「・・・ 池上彰さんとかカズレーザーさんとか?」
    私はしどろもどろで答えます。
    「あ~ そうねえ〜 そうなるよね〜」
    娘の返答に少し悔しい気がしました。

    先日、この本を読んで娘とのやりとりを思い出しました。
    そうだ!これが教養ってことなんじゃないの!
    本を読み、映画を観て感じる、考える。そして多くの人と話し合う。旅や日常の生活で多くを経験し、感じ、考える。そしてそれら全てを人生を楽しむ糧とする。人生の困難や岐路に立ち向かう糧とする。

    娘〜!ヤマザキマリさんも教養のある人だよ!

  • ヤマザキマリ初めての自伝。文章は上手い。上手いのはマンガだけではなかった。音楽家のシングルマザーに育てられ、北海道の自然で成長し、イタリアで青春を過ごし、シングルマザーとして日本に帰る。10足のワラジを履いて、そのうちの一つで大当たり。でも日本に満足しない。

    特異な体験がある。特異な視点がある。それを支える教養がある。卓越した文章力がある。一冊の自伝で終わらず次々と本を書いているのは当たり前だろう。

    もう山ほど引用したいんだけど、適当なところで切り上げる。

    ⚫︎(人間以外の生き物に出会うと)向こうから「あ、人間が来た」って目で見られたくない。一応、人間の袋はかぶっているけど「私はあなたたちと同じなんですよ」って、生き物と生き物として付き合える仲でいたい(21p)
    ⚫︎「ジャングル大帝」も「ニルスのふしぎな旅」と同じで、人間を素晴らしいものとして描いていない。(略)別に人間嫌いではありませんが、ディズニーみたいな人間礼賛、キリスト教的倫理観バンザイみたいな作品はどうも肌が合わないというか、惹かれない。(23p)古代ローマ時代においては、キリスト教もまだカルト新興宗教のひとつ。
    ⚫︎(母親は)「他人の目なんて気にしなくていい」というのは、子供たちにはずっと言っていました。「他人の目に映る自分は、自分ではないのだから」(35p)。
    ⚫︎(14歳のひとりヨーロッパ旅行は)私を根本から変えた。何より自分で考え、自分で判断することを覚えた私は、言われるまま、何も考えず何かを受け入れることができなくなっていました。(67p)
    ⚫︎イタリアの「ガレリア・ウプパ」というギャラリーで、討論の仕方を学んだ。「私はそうは思わない」と言うことは、別に相手を否定することじゃない。納得したい、相手のこともきちんと理解したい。対話というものはそこから始まるものでしょう。(83p)須賀敦子さんのイタリア・ミラノのコルシア書店に集う人たち(60年代)を読むと80年代の私たちと似ている。
    ⚫︎同棲相手の破綻生活、屋台お店の倒産、借金、そして妊娠。もう死のうと思った。そして出産。そこでカーンと、ゴングが鳴った。マンガ「mini」に「彼女のBOSSANOVA」を描き、努力賞の10万円を貰って日本に戻った。(143p)
    ⚫︎背景で語る、絵全体で物語る。つげ義春さんがそうで、水木しげるさんがそう。だから、「プリニウス」はそれを目指した。1人じゃ無理だから、とり・みきさんを誘った。キャラクターを描くよりも、彼を通して古代ローマの闇の部分、人間の不条理を描いてみたいと思った。(168p)
    ⚫︎私にとって「失敗」は、ダメージ・ポイントじゃないんですね。失敗が増えれば増えるほど自分の辞書のボキャブラリーが増えるわけですから、「やっちまった」「しまった」と思って、またやり直しっていうのは、死ぬまでやっていいと思うんです。(略)そうやって失敗を繰り返しているうちに、やがて分厚くなったかさぶたがはがれる時が来る。「ああ、自分はカッコつけていたな」とか、薄皮が一枚一枚剥がれるみたいに余分なものがとれていった時に「ああ、失敗は、どれもいい経験だったな」と思える時がきっとくる。(174p)
    ⚫︎私はいずれ沖縄について、彼らについて描くことになるでしょう。(232p)

  • 「テルマエ・ロマエ」の作者、ヤマザキマリさんの自伝的エッセイかな?

    少女時代から世界中を旅したり、暮らしたり、またその時々で読んだ本の思い出と共に紹介されています。

    紹介された本は読んだことあるけど、あまり好きではない本もありましたが、マリさんの生き方や物の考え方が好きだなぁ。

    すべての経験を力に変えている感じ。
    私も何事にもチャレンジしてみて、失敗ではなく経験ととらえられる人でありたいと思いました。

  •  17歳のとき単身でイタリア留学。ピラニアがいるかも知れない川で泳ぐなど、破天荒な行動で、人生を謳歌しているヤマザキさん。彼女を題材にして、余裕で一冊の小説が書けるような、波瀾万丈の生き方をしています。私にはとても真似できません(笑)。しかし、旅には出たいなとは思いました。

    【心に刺さった言葉】
    ・私はよく「それって、もし宇宙人が見たら、どう思うか」って考えることがあるのですが、そうすると私たちって、みんな「地球人」だし、生物学的に見たら、誰もが「人間」という生き物になる。「それって地球人として、どうなのよ」という感覚は、どこかに持っていたいと思うのです。
    ・人間に愛されることも大事だけれど、この探検記のデルスみたいに、何よりも地球に愛される人になりなさい。地球が、お前には生きていてほしいと思うような人間、そういう生き物にならなけゃいけない。そうすれば、きっと自然がお前を守ってくれるよ。たとえ台風に遭っても、どんなに孤独でも、自然がきっとお前を生かしてくれる。
    ・たまには自分よりもうんと大きくて手ごわい自然を体いっぱいに感じて、人間は、なんてちっぽけなんだとあらためて思い知った方がいい。そうすることで、何か諦めがつくというか、振り出しに戻ったかのような気持ちになれるんじゃないか。
    ・「ああ、月がきれいだ」っていうだけで生きる喜びを感じられる自分と「もう死んだ方がいい」というくらいの不条理な闇を見つめている自分と。一方があるからこそ、もう一方も深く味わえるのだと思います。
    ・ガンガン傷ついて、落ち込んで、転んでは立ち上がってというのを繰り返しているうちに、かさぶたはどんどん厚くなっていきます。かさぶたがいっぱいできれば、皮膚も分厚く、たくましくなるんだから、かさぶた上等。どこどこつくっちゃえばいい。そうやって失敗を繰り返していくうちに、やがて分厚くなったかさぶたがはがれる時が来る。「ああ、自分はカッコつけてたな」とか、「人からどう見られているか、体裁ばっかり気にしてたな」、とか、薄皮が一枚一枚はがれるみたいに余分なものがとれていった時に「ああ、失敗は、どれもこれもいい経験だったな」と思える時がきっとくる。そのためには、経験と時間が要る。

  • テレビで拝見し魅力的な方だなと思っていた。《テルマエ・ロマエ》も観たが原作者とは知らずにいた位の認識度だった。
    初めて本を読み、沢山の経験の元に醸し出された魅力だったのだなと思った。読んでみたい本、観たい映画がいくつもあった。
    ※早速(ノスタルジア)鑑賞


  • 何度かTVでお見かけしたことがあるヤマザキマリさん
    失礼ながら何ひとつ作品を読んだことがなくテルマエ・ロマエも映画をチラっとTV放映で観た程度なのであるが…
    この方のコメントを聞いていると、間違いなく自分の好きなタイプの女性であることがわかった
    そのうち、この方はどんな人生を歩んで形成されたのかしら?と好奇心が沸々
    …とタイトル的に非常に惹かれるこちらを読んでみることに

    「私をつくった本と旅」こちらが副題だが、もうハッキリいってこれがすべて
    そう、本と旅で出来上がった人であった(笑)

    指揮者であったお父上は病気で他界されており、シングルマザーのヴィオラ演奏者の母親と妹の3人家族であったマリさん
    ミッションスクールに通う深窓令嬢だったお母様にヴィオラで人生に転機が!
    北海道交響楽団に初の女性団員として(両親から勘当同然の身で)縁もゆかりない地へ降り立つことに
    そしてマリさんは北海道の大自然と本で育つ

    ◆お母様の生きる姿勢から得たこと

    ~見えない壁を突き破る
    世界がどんな広いか
    自分のいた場所がどんな場所だったか
    世界はこんなにも美しい
    生きるのは喜びであり、情熱である~
    身をもって教えてくれたお母様

    さらに続きがある
    ~他人の目に映る自分は自分ではない
    人からどう見られようと
    自分が志しを持って生きているなら十分やっていける
    想像力とは孤独の賜物、個性の源泉~
    (ふぅ、素晴らしすぎますねぇ 私は全く逆に育っているため、羨ましい限り)

    ◆海外留学で得たこと

    母の代理で14歳(!)一人ヨーロッパ旅行
    そして絵の勉強のためイタリア(フィレンツェ)留学した17歳
    暗黒の青春時代だったそうな
    ライフラインを止められる、その日食べるものにありつくが精一杯の貧乏な留学時代
    そんな中、文壇のサロンが拠り所となる
    メンバーには亡命者も多い
    貧しいながら、文学の話を延々と語り合う仲間たち
    時には喧嘩もしながら、自分の意見を言い対話の醍醐味を思う存分味わう
    イタリア式アウトプットにより、人と人が限りなく近づくための寛容性を身につける
    ~膨大な知識量、教養はひけらかすお飾りではなく、現実を生き抜くための具体的な力、進むべき道を切り開くための飛び道具~
    (頭でっかちになってはいけないのです 知識はため込むものではなく使うためのものですね)

    飄々ともがき続ける
    もがき苦しむ自分に酔うことなく
    自分が体験した不条理な出来事を、どこか哄笑し、突き放してみせる
    (こうありたいなぁ カッコいいなぁ)


    ◆「本」について
    ちょっと脱線するが、私も大好きなガルシア・マルケスの「百年の孤独」が登場
    あの本の凄さを言語化していただけているので紹介したい
    ~生まれては消える泡のようにはかない
    しかしながらその人は確かに生きてそこにいた…という実在感が迫る
    すべてを俯瞰してみせることで、人間の最も本質的なものをこんなにも生々しく浮かび上がらせることができるなんて!
    剥き出しの人間そのもの、前も悪もない、人がこう生きるしかないという原初的な姿がありのままに描かれている~
    (おおお、私が体感したことを代わりに言語化してくださる人がいるとはなん素晴らしいことだろう)

    たくさん本を読むだけではダメ
    見て読んで知ったら言葉に転換していく
    アウトプットすることで教養に経験を積ませていく
    教養をブラッシュアップして深化させていく
    (これねぇ、なかなか周りの本好きがいないと難しい が、それをいかにアウトプットするかを考えることって大切でワタクシ只今模索中)


    ◆人生最悪の時から得たこと
    息子を出産した27歳
    毎日の借金取り立て、そして死さえ考えた時期

    失敗はダメージポイントじゃない
    失敗が増えるほど自分の辞書のボキャブラリーが増える、経験が増える
    傷ついて、転んでは立ち上がるうちにカサブタは分厚くなり、たくましくなる
    そして薄皮が一枚一枚剥がれるみたいに余分なものがとれていく
    経験と時間がいる、点が線になり…腑に落ちるときがくる


    いや~哲学だ
    それなのにスカッとします
    傷つきながら迷いながら悩みながら…自分の足で大地をしっかり歩いた人のご意見は心に響く
    失敗続きで落ち込んでいる人、人生に迷いがある人、勇気が足りず悩んでいる人、テンションが上がらない人、
    (わたしのように)省エネで生きているあなた(笑)…そんな人たちにおススメ
    そして、読んだら何かを得ます
    前向きになれます
    何よりも元気と勇気が出ます
    (省エネモードをオフにしよっと)

    安部公房「けものたちは故郷をめざす」、三島由紀夫「豊饒の海」、小松右京「日本沈没」読まなきゃ
    チェ・ゲバラに関する本も…
    ワクワクするなぁ



    • 5552さん
      ハイジさん、おはようございます!

      マリさん、めちゃカッコイイ…。
      私のようにフニャフニャ生きてる人間には良いカンフル剤になるお方です...
      ハイジさん、おはようございます!

      マリさん、めちゃカッコイイ…。
      私のようにフニャフニャ生きてる人間には良いカンフル剤になるお方ですね。
      マリさんの生き方、哲学を、「私にはできない」と、遠くから羨むのではなく、少しでもそのエッセンスを血肉にしていきたい、と思ってしまうお方です。
      大の猫好きらしく、NHKの猫と作家のドキュメンタリー、『猫も杓子も』に出演されていて、親近感も湧きました。
      2023/05/17
    • ハイジさん
      5552さん
      コメントありがとうございます!

      生き様カッコいい方ですね
      5552さんのおっしゃる通り、それだけではなく人の心まで動かしてし...
      5552さん
      コメントありがとうございます!

      生き様カッコいい方ですね
      5552さんのおっしゃる通り、それだけではなく人の心まで動かしてしまうところが凄い
      実際私も重い腰を上げよう!という気になりました

      猫好きなのですね♪
      嬉しい限りです!
      情報ありがとうございます

      引き続き彼女の作品を追ってみたいです!
      2023/05/17
  • ヤマザキマリさんの自由な発想、自由な発言が好きだと思っていましたが、この本を読んで、どうやって今のヤマザキさんが育まれたのか、少しわかった気がした。

    特定の国ではなく、地球の住人として、世界地図を標準に考えたり動いたりする、そのパワーも考え方もステキ。
    そういう考え方ができれば、人は小さなことで悩んだりしないですむ。

    14才の娘を1人でヨーロッパに行かせるヤマザキさんのお母さんもスゴイが、様々な苦労も全ては将来の糧だと考えられるポジティブ思考はそのお母さん譲り。
    型にはまらない生き方、万歳!

  • 子供のころから現在までを語ったエッセイ。

    ご本人の破天荒な生き方に驚かされるが、そもそも親御さんがすごい。

    14歳の娘をひとりでヨーロッパに行かせてしまう。
    しかも、添乗員のいるパックツアーなどではなく、完全フリーの個人で。

    自分だったら、親の立場でも娘の立場でも、絶対にできない。

    筆者の思い出を披露しつつ、その根底にある考え方、思想というものを強く打ち出しているエッセイだった。

    同年代と生き方があわず、我が道を行くことを肯定していた筆者でも、自分と考え方の合わない若い世代を否定し、自分の考えを押しつけてしまうのだな、と最後はやや残念に感じた。

  • 国境のない生き方
    私をつくった本と旅
    著:ヤマザキ マリ
    紙版
    小学館新書 S や 7

    母と娘のせつない、泣き笑いの物語、そして、相克
    大自然と旅、そして書物が、娘を育むための大事な要素だ

    今も、自分と向き合う時は、周辺の電子機器の電源の電源を切って本を読みます
    それでも、まだ何かが足りないと思う時は、荷物をまとめて旅を出る
    生活習慣も考え方も違う人々の暮らす土地に行って、自分の生きる世界が果てしなく大きいことを確認する
    頼る人が自分以外に存在しないひとり旅では、虚栄心を傷つけるような、大失敗も恥ずかしい思いもたくさん背負わせるけど、そういった経験が後に何より強靭な肉や血になるという実感も、もれなくセットでついてくる

    気になったことは以下です

    ■本の虫

    ・振り返ると、母のプレゼントはいつも本でした

    ・図書館で手垢まみれになっている本とは違う、新品の、自分だけの本を読む喜びは格別なものがありました

    ・母は多くを語りません 言いたくないことは全部「忘れた」という人です

    ・本気でやりたいことがあると、人は強くなれる

    ・今の世の中を見まわしてみても、性善説より性悪説の方が正しい教育ではないかという気がしています

    ■暮しの手帖

    ・母が最新号を買ってくると、妹とふたりで楽しみにしていた「商品テスト」のページを開きます。

    ・これがもう、ほんとうにすごかった

    ・たとえば、新しく出たトースターの性能を比較するために、パンを4万3800枚も、焼いたりする
     自分たちはここまでやるんだぞ、ちゃんと見ているぞという気迫が否応なしに伝わってきます

    ・消費者目線に徹底した実験精神が貫かれていて、ゲラゲラ笑いながらも、圧倒されていました。

    ・母が見事だったのは、何を言われようと飄々として動じなかったこと

    ・他人の目なんて気にしなくてもいい、というのは、子どもたちにも、ずっと言っていました。
     他人の目に映る自分は、自分ではないのだからと

    ・自分の力ではどうにもならないものがあるんだということを、私は、子どもの時から、否応なしに感じて来たのだと思います

    ・人はどうしたって、生きたい道を往く

    ■自由に生きる

    ・自由に生きるというのは、その囲いを出て、まっさらで何の囲いものない場所に、ぽつんとひとり、立つことなのだと思います。

    ・もう本当にだめなんじゃないか、このまま野垂れ死にするんじゃないかと思った時、ふいに「頼れるのは自分しかない」という気持ちが湧いてきました。今の自分を助けられるのは、そこら辺を歩いている人でも、日本にいる母親でもない。他の誰でもない。私は、私を頼る
    「頼むよ、自分、頼むよ、もう、おまえしかいないんだ」

    ・ぬるい小説は、読む気になれませんでした。
     極限状態に追いやられた人間がどういう心理状況に置かれるのか、戦争文学をしらみつぶしに読んだのも、この頃です

    ■安倍公房

    ・あの頃の私のもつれた感情を説きほどくように言語化してくれたのは、安倍公房においてほかにないという気がします

    ・安倍公房の小説を読むたびに、私は自分の魂のどこかがもぎ取られるように感じていました。

    ・安倍公房は、人間なんて死んでしまえば、炭酸カルシウムになるだけだから、とよくいっていた

    ■お勧め本

    ・安倍公房 けものたちは故郷をめざす
    ・大岡昇平 野火
    ・開高健 夏の闇
    ・ガルシア・マルケス 百年の孤独
    ・マヌエル・ブイダ 蜘蛛女のキス
    ・三島由紀夫 豊饒の海

    目次
    はじめに
    第1章 野生の子
    第2章 ヴィオラ奏者の娘
    第3章 欧州ひとり旅
    第4章 留学
    第5章 出会い
    第6章 SF愛
    第7章 出産
    第8章 帰国後
    第9章 シリアにて
    第10章 1960年代
    第11章 つながり
    第12章 現住所・地球

    ISBN:9784098252152
    。出版社:小学館
    。判型:新書
    。ページ数:256ページ
    。定価:740円(本体)
    2015年04月06日 初版第1刷発行
    2019年05月21日 第12刷発行

  • 漫画家・ヤマザキマリさんの生き様とともに、彼女の人生に影響を与えた本が紹介されています。
    『テルマエ・ロマエ』や『望遠ニッポン見聞録』(幻冬舎)を読んだ際に、きっととても頭のよい人なのだろう…と思っていたのですが、本書を読んでさらにその思いが強くなりました。

    著者自身すごくパワフルな方ですが、お母様もものすごい方なのですね!
    幼少時代から今まで、著者が積み重ねてきた経験の厚みにただただ圧倒されていました。
    人生の経験値が高い人とは、こういう人のことを言うのか…かっこいいなぁ…。

    メモしておこう、と思った箇所にふせんを貼っておいたら、いつのまにか本がふせんだらけになっていました。
    くよくよしそうな時に読み返したい、ビタミン剤のような1冊です。

  • 最近、ブクログのみなさんの感想を拝見させていただき、おもしろそうだなと思った本を読むことが多くなっています。
    この本もどなたかの感想をみて読みたいと思った本の1つです。
    わたしかな?と思われた皆様、そうです、あなた様です!いつも素敵な感想ありがとうございます。

    「テルマエロマエ」は漫画も映画も見ていたけど、
    ヤマザキマリさんのことは「テルマエロマエ」の作者であること以外ほとんど知らない。
    この本を読んで、私とヤマザキマリさんの生きている世界のスケール感が違いすぎて圧倒されてしまった。
    いろんな国に住んで、たくさん旅行をして、めちゃくちゃ読書をして。映画もよく見ている。
    自分で自分の人生を豊かにしていて素敵です。
    「テルマエロマエ」もある日ふっと生まれたのではなく、いろいろな経験の積み重ねの1つ1つがあってこそ誕生したものなのだと理解。

    もっと旅行して、もっと読書して、もっと映画を見たくなる本でした。
    私も自分の人生をもっと素敵なものにしたいです。

  • ヤマザキマリさん、そんな方だったんですね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      ビックリしますよね。
      りまのさん
      ビックリしますよね。
      2020/11/10
    • りまのさん
      にゃんこまるさん、おはようございます。以前、NHKで、ヤマザキ・マリさんを見た時も、パワフルで、素敵な方でした。この本は、まだ読んでないので...
      にゃんこまるさん、おはようございます。以前、NHKで、ヤマザキ・マリさんを見た時も、パワフルで、素敵な方でした。この本は、まだ読んでないのです。紹介文を見て、コメントしました。
      2020/11/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      にゃー
      りまのさん
      にゃー
      2020/11/10
  • 自分の考えの枠を広げる努力は必要。こういうもの、こんなものとは思わない。やりたいことをすれば良い。身ひとつでとにかく行動してみれば何かが変わる。例え失敗に終わったとしてもそれが良い経験に変わる。

  • パワフルの権化みたいな人でビックリ。
    テルマエ・ロマエの作者さんだったんですね。

    何気なく読み始めた本だったけど、たくさん得るものがあって読んでよかったなと思った。
    テルマエ・ロマエも読んでなかったのですぐに読んでみようと思う。

  • 生きるとは経験する事なんだな。視野が広がる。どんどん興味ある物に飛び込んで失敗してやるぞ!って気になる。自分で自分の人生これからいくらでも豊かにできるなと前向きに元気になれる一冊でした!エネルギーもらった!

  • 漫画の『テルマエ•ロマエ』の作者ヤマザキマリさんの本を読むのは3冊目。
    ラストの「生きてていいから、生まれてきたんですよ。」というフレーズは、単純でかつ力強い。

  • audiobook の聴き放題プランに来ていたので聞いてみた。
    ヤマザキマリさんについては「どこかで名前を見たことがある…」と思っていたら、そうかテルマエ・ロマエの作者さんか!と少し遅れて思い出した。

    漫画家の方の書くエッセイ…ということで興味を持ちながら読んだ(聞いた)。

    するとびっくり。ただの漫画家じゃない、というか、すごいバックグラウンドを持っている。
    音楽家の家庭に生まれ、10代でヨーロッパに留学したり、イタリアで詩人と交際したり。さらに帰国後も、温泉の旅番組にテレビ出演したり。
    自分が知らないだけでけっこう有名な方だったのか〜

    本書の内容については、面白い部分もありつつ、☆5というほどではないかな。
    ヨーロッパ滞在時代の哲学や文化の話は、関心・素養が無い読者にとっては少し眠くなるように思えた…笑
    まぁでも半生に関するエッセイってそういうもんだよね、とは思いつつ。

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著者プロフィール

ヤマザキ マリ:1967年東京都生まれ。84年渡伊、国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で油絵と美術史を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。16年芸術選奨受賞。17年イタリア星勲章コメンダトーレ綬章。24年『プリニウス』(とり・みきとの共作)で手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。

「2024年 『水木しげる厳選集 異』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヤマザキ・マリの作品

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