AVビジネスの衝撃 (小学館新書)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 168
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252312

作品紹介・あらすじ

AV業界の内幕を抉る驚愕のルポルタージュ

アダルトビデオは性行為を晒すことで対価を得るメディアである。ビデオデッキの普及、バブル時代とリンクして、AVは急速にメジャーになった。当時は、女優のギャラは安く、メーカーだけが巨額の利益をあげていた。怪しい人間が跋扈し、女優らを食い物にしていた輩も少なからずいた。
バブル崩壊と時を前後して盟主であった村西とおる監督率いるダイヤモンド映像が倒産。混沌とした中でセルビデオが登場、それまでのレンタルAVと対立の構図ができあがる。ここで何が起こったか?想像を絶するような出来事が頻発していた。そして、衝撃の結末を迎える。
現在はどうか。かつてのビジネスモデルは崩れ、簡単に利益が上がらない構図となっている。当然、女優のギャラは下落する一方で労働量は増え、求められる技術は過激の一途を辿っている。そんな業界にも関わらず、AV女優になりたい女性の応募が殺到。今や人気単体女優は容姿端麗であることは当然、一流大学在学中といった付加価値のある女性でなければ採用されないのが現実だ。
村西とおる、松本和彦、安達かおるといった時代を引っ張ってきた監督や現役女優や男優らが実名で登場。内幕を赤裸々に語る。


【編集担当からのおすすめ情報】
著者の中村さんは長年にわたり、AV業界を見続けてきたスペシャリストです。様々な経験をし、多彩な人脈を持っています。今回、AV業界をビジネスという視点で描いたのが本書です。私自身、AV業界を取材したこともありましたが、全く知らない驚きの事実が多数、含まれています。かつて「現役女子アナのAV出演」が話題になりましたが、それで驚異の売上げが立ち、出演の真相も明らかにしています。35年のAVの歴史を知ることができる一級品のドキュメントです。

感想・レビュー・書評

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  • アダルトビデオ業界について、ビジネス目線で書かれた本。

    現状はアダルト業界も数社の寡占状況のようで、売上も右肩下がりということで、非常に厳しい世界の様だ。

    歴史をさかのぼると、ビデオデッキが一般家庭に広まる頃(80年代後半)、世の中のバブルと共に、法整備も締め付けもないまま、アンダーグラウンド業界として巨額の利益を出していた。

    そのころの村西監督のバブリーな生活と、ある意味グイグイ進んでいくビジネスの強引なやり方がドラマチックであった。

    タイトル通り、業界を外側から客観的にみた記述であり、作り手、出演者の都合や、何故かかわっているかというような、掘り下げをしている本ではない。

  • 2019年10月25日読了。アダルトビデオのビジネスの黎明期から2015年時点の状況を業界観察・関係者インタビューなどから迫る本。イスラーム国について語るかのようなタイトルだが、中身は確かに衝撃的。AVビジネスはとにかく利益率が高く初期の参入者は皆ウハウハ、ヤクザもヒモも入り乱れる魑魅魍魎な業界だったがソフト・オン・デマンドが「顧客第一主義」を掲げサービス競争になったこと、インターネットの発達などにより業界は瀕死寸前であることなどがよく分かった。かつてパッケージ商品を購入していた自分も今は無料動画でエロを見ているわけだから、業界の衰退に一役かんでいるとも言えるか…。ただ冒頭から巻末まで、村西とおる監督の陽気さ・バイタリティは救い。この人がいなければ、日本のAV業界の発達や独特の「明るさ」は育たなかったのではないか。

  • ライターとして長年AV業界の取材をおこなってきた著者が、業界の関係者たちへのインタビューを通して、AVの歴史を回顧している本です。おなじ著者による『職業としてのAV女優』(幻冬舎新書)と一部かさなる内容もありますが、AV女優に焦点をあてたものではなく、ビジネスとしてのAV産業の盛衰をたどっています。インタビューがおこなわれているのは、AV監督の村西とおるや二村ヒトシ、女優の小室友里や立花はるみ、男優の太賀麻郎や森林原人などです。

    AVの草創期から、90年代から2000年代におけるレンタルとセルの抗争を経て、いまやAV業界は斜陽産業となっていると著者は語ります。長年この業界を見つづけてきた著者自身の実感が、そうした評価の背景にはあるのでしょうが、かつてのアングラなビジネスだった業界の健全化が進み、顧客の声に答える作品が届けられるようになった現状を単に衰退と呼ぶことには、戸惑いを感じてしまいます。

  • 最初にお断りしておくと、本書は「ビジネス書」です。タイトルにある「衝撃」とは何かというと、大きく分けて二つあるのではないかと思います。一つ目は、1980年代の黎明期から1990年代の全盛期まで、魑魅魍魎の世界だったこと。そして二つ目は、2000年代以降の凋落ぶりです。最後に、本書の提言と私の提言です。

    http://naokis.doorblog.jp/archives/av_business.html【書評(18禁)】『AVビジネスの衝撃』〜その過去と未来 : なおきのブログ


    <目次>
    第1章 儲かりまくった狂乱の日々
    第2章 AV業界の周辺に暗躍する怪しい面々
    第3章 モザイクの向こうのAV女優
    第4章 「毎日セックス漬け」AV男優という職業
    第5章 「レンタル VS セル」逮捕者続出の仁義なき戦い
    第6章 国境を超えるアダルトビデオ
    あとがき

    <メモ>
    電機メーカーの役員が裏ビデオ制作
    ダイヤモンド映像(1992年倒産)の村西とおる、ソフト・オン・デマンド(1995年)の高橋がなり、ブルセラビデオのぶっかけを作った松本和彦、薄消し奥出哲雄
    美人をかき集めたダイヤモンド映像
    人材派遣で性行為をさせるのは違法行為
    ダイヤモンド映像、年商100億円、衛星放送に失敗し、45億円の借金で倒産
    出仕元は怪しい面々ばかり、命が危ない
    マスターテープを担保に取られ、裏に流される
    ビデオ安売り王(1993年〜佐藤太治
    レンタルビデオ(ビデ倫系)とセルビデオ(インディーズ系)
    小室百合 薄消し
    2000年以降、SOD、DMM、プレステージの3社で寡占化
    採用率は企画女優で14%
    立花はるみ
    AV女優は8000人
    AV男優は80人
    ギャラは1万円〜5万円
    ハメシロ時代
    AV男優 太賀麻郎
    森林原人
    ぶっかけからBUKKAKE
    AV出演後に日テレ系TV局に入社、炎上、
    麻生香

    中国で大人気
    プロダクションの人材不足
    違法コピー、海賊版で映像ではビジネスにならなくなりつつある。
    AKB48のように、ライブで稼ぐ
    握手券
    昼は淑女、夜は娼婦
    日本人女性の優しさ、かわいらしさ
    中国人女性のがさつさ
    表面的な美ではない


    2016.10.22 読了

  • <b>90年代レンタルセル戦争の果てに現代のネット社会でAVは滅びる</b>

    「職業としてのAV女優」と同じ著者である。
    レンタルセル戦争を主なトピックスとして当時の業界を代表する人々のロングインタビューを絡めたルポ。
    直近の業界構図に興味を持って手に取ったが、駆け足気味である。
    「職業として〜」よりも少し進んだ2010年代の記述があるのはよい。
    ただし、相当、悲観的な展望のようだ。

    ・ネット流通は大手3社の寡占状態。
    →大企業化、暴力団排除、大卒採用などの健全化
    ・ネット流通の作品を米国から予測
    ストリーミング、最短5分程度、複数のAV女優出演のオムニバス方式、ジャンル細分化に対応
    →古き良き時代の作家性は削ぎ落とされる。
    →素人投稿サイトが混然一体になっていく
    ・著者は直接的に記述していないが、中国などでのAV女優イベントは、一時的なものとしか思えない。

  • 風俗を専門とするルポライターによるAVに関する本。1980年代のビデオの時代から歴史的に業界を調査研究しており、詳しくわかりやすい。今は、健全なビジネスが行われていることやデフレ化してしまった厳しい経営状況がよくわかった。
    「性風俗産業はデフレ化が止まらない。AV女優を含め、AV業界に関わる者たちは、過去に経験したことのない先の見えない苦境に立たされている」p8
    「最盛期である2000年前後、軽く数百社が存在していたAVメーカーは十数年間を費やして倒産、消滅、買収、グループ化などによる再編で、大きくCAグループ、SODグループ、そしてプレステージの3社に集約されることになり、それらの寡占化されたグループで市場の7~8割を占有している。(売上高:CA129億円(2013年7月期)、SOD143億円(2014年)」p10
    「AVは女性の新鮮さが求められ、他者に出演経験のない女性ほど価値は高く、出演を重ねるほど価値は減る」p29
    「AVも今はDMMとかSODとか組織が大きくなっているし、映像倫理団体に経産省が後ろ盾になっていたり、警察OBが天下っていたり、それなりに大きな業界になっているから法律の額面どおりに摘発できないわけ」p32
    「(AV女優は、実力と努力が必要)AV女優はイベントや撮影会で直接ファンと接する機会が多いので、マナーがあるとか。ちゃんとしたものを持っていることはファンに伝わるので、人気に直結します。服装、身なり、言葉遣い、雰囲気です。どんなに素材がいい子でも外見がいいだけでは通用しません」p128
    「ここ数年、AVメーカーは深刻なまでに儲かっていない。なんとかしてギャラを抑えようという動きがあり、資金に余裕がないので、メーカー主導で単体でも100万円スタートというケースが増えているようだ」p134
    「日当が3万円以上の専業AV男優は70~80人くらいしかいないですかね。人数が少ないから同じ男優がグルグルと現場を回っている。回っている男優は平均して月25~40現場くらいは抱えているから、1日2つの現場をダブルブッキングするみたいなことも普通です」p145
    「昔から現在に至っても、AV関係者が女優と恋愛関係になることはご法度である」p161
    「(AV男優に必要なこと)性欲が強いことは大前提として、男優の仕事を継続するためにはモチベーションの持続力が必要になる。毎日毎日、セックスするわけですから。毎日、違う女優とセックスを続けることができるコツは、忘れること。どんな凄いセックス、良いセックスをしても、今日あったことはすぐに忘れる。忘れた方がいいのは、女に飽きない、セックスに飽きないから。覚えていると、たぶん飽きる。飽きたらモチベーションを保ちようがない(森林原人)」p165
    「AVの審査団体の多くは、警察OBが天下って当局との調整役をする」p206
    「ネオリベラリズムが徹底的に実行されたAV業界で起こったのは、強烈な売上至上主義と終わりのない商品のクオリティアップ、そしてサービス業としての過酷な競争だった」p212
    「村西監督は、嬉しすぎて、狂喜する中国人男性たちを眺めて、AV誕生以前の日本を思い出した」p228
    「(中国映画界)俺たちは、ハリウッドは目じゃないけど、日本のAVだけは50年たってもできないだろう」p232
    「(顔面焼けただれた苦情殺到の中国人男性と笑顔で写真撮影をするAV女優を見て)ナイスすぎます。100連発なんてやったり、お小水飲まされたり、なんて世界でたたき上げられた女の子たちの凄さにしびれましたね。彼女のその行動に中国の一般大衆はびっくりして、拍手喝采で、そういう人間力が日本のAV女優にはあるのですよ。厳しい撮影現場の中から叩き上げられて、身に着けてきたこと。お客様あっての商売という一つの哲学がなせる技ですよ」p242
    「(一番知名度ある日本人)安倍総理は訪中した際には、政府専用機のタラップを降りるとき、波多野衣と一緒におりればいいんですよ(村西とおる)」p245
    「現在は危険なAV関係者はほとんどいなくなり、刺激あるオナニーグッズとして高クオリティな映像が膨大に出回っている」p246

  • 1990年代後半AV業界で大活躍した小室友里さんは「アイドルのような扱いが気持ちよかった」と。人間、誰でもちやほやされると嬉しいもんですよね。需要があるから商売になる。AV業界も同じでしょう。ビデオデッキの普及と共に動くビニ本といわれたAVは1981年に誕生したと。1986年黒木香の「SMぽいの好き」が爆発的なヒットを。1989年松坂季実子、1990年卑弥呼、1993年飯島愛・・・、ギャラは1本が100万、1000万、数千万円にどんどん上昇したそうです。一方で「本物のレイプ撮り」も常態化してたとか。
    2004年のバッキ―事件(凌辱AV撮影で被害女性が訴え懲役18年に)でストップしたそうです。今や世の中のデジタル化、インターネットによってAVは斜陽化。ただ中国には日本のAV女優に熱狂する男性が多くこれからのビジネスと。ちょうど30数年前の日本の状況だとか。

  • バブルのときはめちゃくちゃ儲かったけど、今はさっぱりですよ〜という内容。衝撃を受けるような内容ではなかった。

  • AVビジネスの栄枯盛衰について、正面から書いた一冊。

    ネット配信や海賊版に押されて斜陽産業になっていたのは知っていたけど、実際かなり大変であることがわかった。

  • AV業界に銀行は金を貸さない、とは身も蓋もないが、だから闇金から金を借りざるを得ず、おのずと稼ぎ方も荒っぽくなるのがよくわかる。
    AV女優に対する人権無視、というのがそこから出ているのもわかる。
    ただ伊藤弁護士が今になって人権問題を取り上げてることに対して昔はもっとひどかったというのは、およそ言い訳にならないだろう。余罪が沢山あるというのに過ぎないからだ。

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著者プロフィール

1972年生まれ。ノンフィクションライター。AV女優や風俗、介護などの現場をフィールドワークとして取材・執筆を続ける。貧困化する日本の現実を可視化するために、さまざまな過酷な現場の話にひたすら耳を傾け続けている。『東京貧困女子。』(東洋経済新報社)はニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞ノミネートされた。著書に『新型コロナと貧困女子』(宝島新書)、『日本の貧困女子』(SB新書)、『職業としてのAV女優』『ルポ中年童貞』(幻冬舎新書)など多数がある。また『名前のない女たち』シリーズは劇場映画化もされている。

「2020年 『日本が壊れる前に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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