「消せるボールペン」30年の開発物語 (小学館新書)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 109
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252404

作品紹介・あらすじ

あの奇跡の商品はこうして生まれた!

2006年の発売以来、世界100ヵ国以上で10億本を売り上げたパイロットの“消せるペン”「フリクションシリーズ」。メイン商品の「フリクションボール」は、いまや「ボールペンのデファクトスタンダード」になった観すらありますが、筆記具として商品化できるまでには長い年月がかかりました。秋になると葉っぱの色が変わることに着想を得て、色が変わるインクの開発に成功したのが1972年。玩具など応用商品は次々に生まれましたが、パイロットの本業であるペンなどに使えるようになるには、30年かかったのです。そのイノベーションの軌跡を一冊にまとめました。
一見普通のインクのように見えて、じつは極小のカプセルが封入されている/専用のラバーでこすれば消えたように見えるが、じつはインクが透明になっただけ/まず飛びついたのはフランス人だった……などなど、身近な商品の裏話が満載。あの奇跡の商品がどのように誕生したのか、開発担当者やマーケティング担当者などへの取材を通じて明らかにします。文具ファンにはもちろん、ビジネス読み物として興味深くお読みいただけるでしょう。

【編集担当からのおすすめ情報】
「ボールペン」は基本的にどれも仕組みが同じで、“枯れた技術”だと思われていますが、「フリクション」シリーズにはコペルニクス的転回と言えるほどのイノベーションが凝縮されています。世の中を変えるほどの商品を作り出すには、技術力に加えてひらめきや運、そしてそれを生かすための努力がいかに大切か、感じ取っていただけると思います。

感想・レビュー・書評

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  • フリクション誕生までの30年研究開発の歴史、
    最初は、色が変わるおもちゃ、グラスなどの製品化して、食い扶持を稼いでいた点と、
    素材の顔をみればどのような特性か想像つくまで、突き詰めて、研究していたとの記述が印象的でした。

  • ●あえて主流ではなく、傍流の仕事をすることの重要さを学んだ。人との”違い”は大事である。

  • 【由来】
    ・図書館の新書アラート

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】
    ・フリクションの技術は30年前に開発されてはいた(変色させる技術)。

    【ノート】
    ・CMYKな色構成において、最初、赤(M+Y)と緑(C+Y)で黒(C+M+Y)を表現していたところに、温度による変色温度調整剤の働きにより緑(C+Y)が消える。そうすると赤(M+Y)が表現される。(P64)

    ・青色が消えにくかった。これは染料の分子構造上の問題だった。他の色とは異なる分子構造の青染料の開発を行い、きれいに消える青染料を創りだしたらしい。「(フリクション用の)青色を完成させるのは本当に苦労した(P83)」

    【目次】

  • -

  • フリクションへと結実する30年の開発史。
    他社が追従できない積み上げには、短期間の開発だけでは成り立たないことの証左の一つと思う。

  • 文字通り、今流行してる「消せるボールペン」の開発秘話。

    最初は消せるボールペンを目標にしてなかったこと、日本よりもヨーロッパで先に火が付いたこと、現在も様々な種類を開発してること、全てが新鮮だった。

  • 消せるボールペンの先駆けであるパイロットのフリクションシリーズ。何度も書き直せるというのが特徴のこのペンの開発には、30年の月日がありました。紅葉の色の変化から着想を得たというインク、世界中でも売れているこの商品をヒットにつなげたマーケティング戦略など、関係者への取材から明かされます。

  • 消せるボールペンとして確固たる地位を獲得したフリクション。その開発秘話と販売するパイロット社の歩みについて書いた一冊。

    フリクションの仕組みについては簡単には知っていましたが、本書を読んで仕組みを理解するとともにメタモカラーというインキがボールペンとして活用されるまでの開発には様々な困難があったことや欧州での文具事情からフリクションが発売当初から圧倒的な人気を獲得したこと、そしてその後に日本でブームを起こしたことを知ることができました。

    フリクションが発売される以前にも幾度となく消せるボールペンが発売されてきましたが、それまでのものとは一線を画してる理由や発売してからも様々な派生商品を発売して顧客を離さないなど努力を行っていることも本書を読んで知りました。

    また、同社の社史も知ることもできフリクションが生まれた背景も感じることができました。
    紅葉の変化から発想を得て文具界で空前のブームを起こしたフリクションの誕生から現在までの道のりを本書で学び、セレンディピティのチャンスはどこに転がっているかわからないということを強く感じました。

  •  ボールペンは消せないのが当たり前でしたが、今は、消せる方が当たり前かも知れません。それくらい浸透したフリクションの開発物語。

     もはや有名な話ですが、紅葉を見て色の変わるインクを思いついたというのは、現代のニュートンのリンゴとして、今後伝説になるかも知れません。そんな話も詳しく紹介されています。

     しかし、それがゴールではありません。30年にも渡る開発の歴史が事細かに書かれています。なぜ30年もかかったのか。なぜ30年も続けることができたのか。偶然と奇跡の不思議さを感じずにはいられません。

     そして私が心に残った言葉は、p.147「新しい発見は、教科書を捨てるところから始まるということを実感しました。常識にとらわれずに、むしろ常識を捨てる勇気を持てば局面は打開できることを知りました」なかなか捨てるのは難しいのが常識ですが、実績があるだけに心に響きました。

  • かなり便利な筆記用具フリクションボールができるまでの30年の開発物語である。消えるインクのアイデアの元になっている熱で色が変わる素材はフリクションボールが世にでる30年前に開発され特許も取られていたが商品化まで30年もかかった。インクをある色から別の色にする素材を見て、ある色から透明にするというアイデアがこの商品のアイデアにつながったそうだが、研究開発や販促のターゲットを学生ではなくビジネスマンにする営業の努力があってこその成果であることも感じることができた。低温でインクが元の色に戻るのも私的には発見。

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著者プロフィール

滝田誠一郎
(Seiichirou Takita)
1955年東京生まれ。ノンフィクション作家・ジャーナリスト。青山学院大学卒。
『ネットビジネスの若き創造主たち』(実業之日本社)、『孫正義 インターネット財閥経営』(日経ビジネス人文庫)、『人事制度イノベーション』(講談社現代新書)、『開高健名言辞典〈漂えど沈まず〉』(小学館)など著書多数。
本書の先行世代の起業家を取材した『電脳のサムライたち』シリーズが小学館より電子書籍化されている。

「2014年 『IT起業家10人の10年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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