日本テレビの「1秒戦略」 (小学館新書)

  • 小学館 (2016年12月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784098252770

作品紹介・あらすじ

視聴率三冠・無敵のフジをどう破ったのか。

『俺たちひょうきん族』等のバラエティやドラマの成功で視聴率の王者だったフジテレビの黄金時代のこと。
低迷する日本テレビは、若手社員13名を集めてライバル局の徹底分析を開始します。その方法は、フジと日テレの全番組を録画し、特大の方眼紙に視聴率のグラフをつくり、1分1秒ごとに番組やCMの内容を書き出していくというアナログな作業でした。しかし、この地道な努力が様々な戦術(「コーヒーシュガー理論、タイ焼きのシッポ理論、紙ヒコーキ理論)を生み、フジテレビの真似をしない企業文化を作り、日本テレビの黄金時代につながっていきます。
今や、民放バラエティ番組の視聴率上位20番組のうち、16番組は日テレの番組(2016年4、5月期)。2014年、15年と日テレは視聴率三冠王でした。
すっかり視聴率の王者となった日テレですが、この原点は前述の分析・研究にありました。
無敵のフジを破った、大逆転のマーケティング術を、当時、分析に従事した著者が初めて公開します!


【編集担当からのおすすめ情報】
日本テレビの逆転劇の当事者だった著者は今、大学教授として商学部でマーケティング論を教えています。今回の新書は、テレビ局の興亡の物語としてもとても面白いものですが、読みやすくて実践的なマーケティングの本としても役に立つと思います。

感想・レビュー・書評

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  • ・大きな変化を起こすときはトップが必要。

    ・番組をブラッシュアップするというのは結局のところ、「自分が他者に否定されている」という客観的事実を受け入れることから始めなければならない。

    ・テレビという場を視聴者の「共創の場」にしていくといった、視聴者参加型の方向。

    ・参加して「視聴者ディレクター」を務めた人は、そのテレビ局のファンになる。

  • またぎ編成が生まれた話面白かった。俺もガースーのように「男冥利につきます」をどこかで言ってみたい。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/745515

  • ・視聴者にどんなニーズがあるか、と制作者ニーズではなく視聴者を見た企画にした。番組は作品ではなく商品である。
    ・自分たちが戦う相手のことを、なぜきちんと調べなかったのか
    ・外部に委託するのではなく、自分達が体験することでデータから導き出される分析結果だけでは見えてこなかった視聴者意識を体感できた。
    それにより、何気なくチャンネルを変えていると思っていたが、変える理由はきちんとあることに気づいた
    ・タイ焼きのシッポ理論:終わりを予感させずに中身が終了時まで詰まっているようにした。
    ・紙ヒコーキ理論:高いところから飛ばした紙ヒコーキが遠くまで飛ぶように、高い視聴率からスタートした番組の平均視聴率は自然と高くなる。
    ・コーヒーシュガー理論:コーヒーに入れる砂糖は大きな角砂糖よりも、細かい粉砂糖の方が早く、まんべんなく溶ける。ミニ番組よりも、短いCMで各時間帯にまんべんなく交ぜて放送した方が効果的。
    ・出来上がったマークやキャラクターは、発信の仕方次第でその後の運命が大きく変わってくる。
    ・どんなに技術が進化しても、人の心に響く本質的な部分はそれほど変わらないのではないか?

  • 日テレの台頭について描いた一冊。

    巻末にもあるとおり、フジテレビの凋落について書いた本は何冊もあるが、日テレの台頭について書いた本はなかったので、勉強になった。

  • 日本テレビが如何に頑張ったかを聞いてもテレビの受けてとしては共感出来る部分は少ない。視聴率第1主義って、今のインターネットを中心とした双方向コミュニケーションの時代に行き詰まる気がするけどなー。

  • 個々の番組は良いのに「流れ」が悪いから続けて見てもらえない。番組を商品におきかえれば、一般企業でも十分に応用可能。しかし具体的にやる子k都と言えば、他局より5分早く番組を始めるとか、人気番組の中でタレントの「重大発表」を行うとか、基本的に姑息。人から「プライドがない」とそしりを受けても勝負に勝ちたいという方に。

  • 本書は「テレビ局間の視聴率競争」というモノを“モデル”に、「様々な仕事」への向き合い方を問うような側面が在る。テレビは「限られた、最大でも“1日が24時間”を絶対に超える筈もない放送時間」で、好いコンテンツと、それを支えるCMを放送し続けなければならない。“増産”とか“売場増床”が出来るでもない仕組みで、「最大の効率」は“高視聴率”なコンテンツを送り出し続け、CMの単価を下げずに上げることを目指すしかないという訳だ…

    そういう「テレビ局の興亡を語る」型で、読む側が「或る程度の一般化」もし得る興味深い内容の本書ではあるが…他方で、本書に在るように「“日本テレビ”が始めた」と視られる、「編成の工夫」のようなことが、最近の「テレビを視る側」にとって「やや疲れる?」モノのように受け止められている面も在るような…そんなことが気にならないでもない。

    本書の末尾に指摘が在るが、一頃の勢いの様なモノが損なわれて久しくなった感も否めない“フジテレビ”を論じた書が色々と在る他方、それに代わって「視聴率3冠王」を何度も奪っている“日本テレビ”を論じた書はやや少ない。そういう意味でも、読み易い型でもある本書は貴重だ…

  • 日テレの再生の道のりをリアルに描いているドキュメントタッチの新書である。
    業界は特殊であるが、構造改革に必要な要素が随所に見られる。おそらく自分の会社の体たらくをなんとかしたいと感じている若手中堅サラリーマンには面白い内容でしょう。

  •  ここまで手の内を明かしていいのか。まじで「ありがとうございます」って感じ。
     …でも自信があるんでしょうね、ちょっとやそっとじゃ抜き返されない。やれるもんならやってみろ的な、これはある種挑戦状だ。これを読んで奮い立たないなら、もうフジテレビやめちまいなですよ。もうフジテレビ、情けない。大好きなのに情けない。
     かと言って、フジテレビをばかにした本かというと、そうではなくてむしろ逆。がんばってくれよ、もう一度ライバルとして立ち上がってくれよという愛を感じる。

    「なぜフジテレビは凋落したか」でフジOBがフジのいけないところを指摘し、叱咤激励してくれた。この本はそれをなぞるかのように、日本テレビがどうやって立ち上がったかを丁寧に解説してくれている。
     1980年代、時代はまさにバブル絶頂期。そしてフジテレビの時代だった。フジテレビの何が受けるのか研究すべく、改革プロジェクトチームを若いメンバーで立ち上げ、ひとり24時間フジ日テレの2局を分刻みで比べていった。CMの挿入時間、テロップの出し方、提供ロゴの下地の色に至るまで細かく細かく比べていった。フジテレビ丸裸状態だ。そして!フライングスタートや最後に興味をひくものを持ってくるタイ焼きのシッポ作戦、番組宣伝枠を固めずに散らすコーヒーシュガー作戦など、今までのテレビの時間枠の常識をぶっ壊すフォーマット作りをなしとげたのだ。寝ずに研究し、視聴者を惹きつける編成枠を考え出した若者たちもすごいけど、それを実行してみろとGOを出した幹部はもっとすごい。はっきり言って今のフジに欠けている部分だ。地道な研究と幹部の英断。

     日本テレビは血のにじむような努力を重ねてトップの座を勝ち取り、その位置におごることなく今も視聴者ファーストの番組作りを目指している。分刻みで視聴率を監視し、なにが受けたか受けなかったかを知る。受けが悪い部分は新しい企画に変える。企画力で勝負する。いきなり勝とうとするのではなく、「継続させる仕組み」を考え、番組を徹底的に分析して「視聴者をテレビから離さない仕組み」を考える。そんな地道な作業が身についているので、日本テレビには「負けても崩れない強さ」がある。フジテレビの場合、負け慣れてないからか低視聴率だとビビッて番組自体を打ち切る。あるいはタレントを入れ替える。
    視聴者はよく見ているので、ちゃんと考えて作られたものか、タレントの力に頼ってるかはお見通しだ。テレビの向こう側で内輪だけで盛り上がっていても視聴者は取り残された気分になるだけだ。

    あぁフジテレビ。されどフジテレビ。
    明るい元気なフジテレビをもう一度取り返せ!

  • 過去の成功談ではあるが、フジを追う目的の為に一致団結して進んだ事が良く分かる
    視聴率という明確な目標設定があったこと、強力なリーダーがいたこと、新規採用がなく世代交代が進んだ事が要因であったよう

  • この本のテーマである日本テレビで改革がおこなわれた時代、麹町にあったNTVにはしょっちゅう訪れていて、この本にも登場する方や番組にはお世話になった。だから、いろいろと知っている話もるのだが、知らなかったことも結構あった。この本にもあるが、フジの凋落や、テレビ東京の予算がなくてどうするかなどの話は本になっているが、日テレの本はあまり読んだことがなかったので、それぞれの本を読み比べると他局をどのように見ていたかがわかり面白い。

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著者プロフィール

(株)日テレ アックスオン執行役員、同映像事業センター専任センター長、法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科兼任講師、共立女子大学文芸学部非常勤講師。
1956 年生まれ。法政大学大学院経営学研究科修了(MBA)。(株)博報堂でコピーライターとして、カネボウ、スズキ自動車、JRA、サントリーなどを担当。日本テレビ放送網(株)にて、宣伝部長、編成局エグゼクティブディレクターなどを経て、2011年7月より現職。2000~2010年、(社)日本民間放送連盟スポーツ編成部会広報分科会幹事。
[著作] 『異文化適応のマーケティング』(共訳、ピアソン桐原、2011年)、「多メディア環境下のテレビ視聴行動」(共著、『日経広告研究所報』237号、 2008年)、「テレビ番組のプログラム価値マップ」(共著、『日経広告研究所報』240、241号、2008年)。
[受賞]「読売広告大賞」(2000年金賞、2002年読者賞)、「グッドデザイン賞2001」(コミュニケーション部門入賞)、「JR東日本ポスターグランプリ」(96年銀賞、 97年銅賞、99年金賞、01、02、05年銀賞)、「デジタルサイネージアワード2012」(ブロンズ賞)など多数。

「2013年 『実践メディア・コンテンツ論入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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