本物の思考力 (小学館新書)

著者 :
  • 小学館
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レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252794

作品紹介・あらすじ

「数字・ファクト・ロジック」で考えよう

「日本は大学進学率が高い」「侘び寂びが日本の伝統文化だ」「日本では夫婦同姓が当たり前」――。こうした言説は、新聞やテレビでもなかば“常識”のように語られています。しかし、著者であるライフネット生命会長の出口治明さんは、「『数字、ファクト、ロジック』に基づいて考えれば、そのような“常識”は思い込みや固定観念によるものだ」といいます。たとえばOECDの調査によると、日本の大学進学率は先進国のなかでは低いほうなのです。
ネットなどで聞きかじっただけの情報をもとにしていては、適切な判断などできるわけがありません。日本社会に蔓延するゴシップや流言飛語に惑わされず、物事を正しく判断するには、リテラシー(本質を見極める力)を鍛えて正しい情報と間違った情報を見分け、「人・本・旅」から有用な情報を収集し、先入観にとらわれず物事をゼロから捉え直していくことが重要です。このような、出口さんが実践している「腹に落ちるまで考え抜く」方法を徹底的に解説します。

【編集担当からのおすすめ情報】
哲人経営者・出口さんのいちばんの判断基準は、「おもしろいかどうか」だそうです。
「物事を知ること、自分の頭で考えること、自分の意見を述べること。それらに貪欲になるほど人生はより豊かに、おもしろくなっていきます」(出口さん)
なるほど。人生をかけておもしろさを追求する出口さんの本が、おもしろくないわけがない!?

感想・レビュー・書評

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  • 人生を豊かにするために大切なことは「人、本、旅」。
    読んだ本の内容を忘れないようにするために、重要なのは記憶の定着である。そのために有効な方法は「周囲の人に喋りまくること」だと、ミムラさんと対談しているのをお見かけしました。

    素敵だなぁ…と感じ気になって、この本を借りてみた。
    放送を見ながらミムラさんには悪いけど、もっともっと出口さんの話を聞いてみたい!と、好奇心を刺激されました。本の選び方を深く知りたいと思ったのです。(ミムラさんの付箋活用術も実に凄かった!)

    =数字、ファクト、ロジックで腹落ちするまで考え抜こう!=と、帯に書かれている。私の心に一番に刺さった言葉は「人間は教育しなければ犬よりも劣ります」(220ページ)という、一文だったりする。つい自分の子供たちのだらけている姿が目に浮かんできて…、うわぁ…っと思った。

    お薦めの本のジャンルは、やはり「古典」でした(汗)。慣れないうちはページが少なめの古典から入って、取っつきにくい場合は漫画から読んでみるのもOK。

    説明がわかりやすいので、さくさく読めてしまい気持ちがよかった。(池上彰さんも丁寧でわかりやすいけど出口さんの本も面白かったです)。もう何冊か読んでみたいと思う。

  • ミムラさんが言っていた通り、話す内容がぶれない芯のある人だと思った。至極真っ当なことを、私が分かっているつもりでできていないことを上からではなく同じ目線で話してくれているようだった。誰かの信者にならず、情報を鵜呑みにせず、常識にとらわれず考え続けよう。学び続けよう。
    これからも生きていく中で迷ったとき、足がすくんで動けなくなったときにこの本のことを思い出したい。

  • 出口さんの本は一度読んでみたかった。わかりやすい文章、独特の切り口。面白かった。

  • 根拠なき常識が蔓延する日本

    日本の伝統とは?夫婦同姓?明治憲法以降。日本人は真面目で勤勉?情に厚い?

    2016年エデルマン・トラストバロメーターによれば、日本人の会社に対する信頼度は28カ国中最下位の40%(平均65%)と面従背腹が上手い。日本は鎖国のせいか同質性が強い。赤ちゃんの泣き声をうるさく感じる大人がこれほど多い国はない。日本人の特性などない。

    人は育った環境の影響を色濃く受けながら10年20年かけて人格が形成されるもの。日本人は控えめで情緒的?ド派手な婆娑羅大名。侘び寂び?薬師寺の東塔も当初は派手な朱色と緑色だったが、時代とともに塗装が剥げ落ちくすんだ色になっただけ。日本人の特性や日本的な価値観の大半は戦後日本の高度成長社会で醸成されたもの。

    思い込みや固定観念に囚われ、日本人はこういうもの、日本の伝統はこうなどと乱暴に語るのは思考停止状態。

    リテラシー(自分の頭で考えながら社会で生きていくために必要な知恵)を高めるには、数字や事実を根拠に自分の頭でしっかりと腹落ちするまで考えること。

    最近のネトウヨ。愛国心と言うなら、源氏物語、北畠親房、本居宣長、夏目漱石、森鴎外は読んだか?

    人間は考える葦である。しかし日本人の考える力は?OECD加盟国の大学進学率平均値が59%に対し、日本は49%。しかも日本の大学は専門課程も終わらない3年次から就職活動が始まる。海外の大学は一定の成績を収めなければ落第するが、日本はそれほど勉強しなくても卒業可能。

    日本は新聞雑誌への信頼度が70%と突出して高く(欧米は20%)、自分の頭で考えずにその記事を信じてしまう人が多い。

    もっとマスメディアのファクトファインディング(事実確認)がなされるべき。

    日本礼賛ブームの気持ち悪さは、劣等感と不義の関係を結んだ愛国心が攻撃的なナショナリズム(嫌中、嫌韓)の台頭に繋がるから。良い点、悪い点を数字・ファクト・ロジックに基づく冷静な視点から見るべき。

    戦後日本は朝鮮戦争勃発の特需などを足掛かりに高度経済成長、バブルまで年平均7%成長に達した。米国に次いでGNP世界2位、ジャパンアズナンバーワン刊行。「政治は三流経済は一流」と財界首脳。90年代以降、日本経済は冬の時代へ。2010年にGDPで中国に追い越され、日本の電気・電子産業は衰退へ。こうした中、日本人には沸々と劣等感が。ヘイト攻撃は劣等感の裏返し。

    日本の労働時間は年間2000時間以上でGDP成長率0.6%。一方、ヨーロッパでは年間1500-1700時間でGDP成長率1.6%。どちらで働きたいですか?

    日本の2000時間労働は冷戦、人口増加、富国モデルが成り立っていた高度成長時代なら捨てたものではないが、現在は3つの条件全てが消失している。それにもかかわらずなぜ日本では長時間労働が続けられているのか?原因は高齢の経営幹部が過去の成功体験を捨てられず、根拠なき精神論を振りかざしているから。また、日本の長時間労働の問題は生産性向上に寄与しない付き合い残業や残業代確保のための残業にある。

    これらの労働慣行は戦前の官僚主義による社会や経済のコントロール、終身雇用、年功序列、定年制、労働組合など戦前の1940年体制から継承されたもの。戦後、組織が一枚岩となり、困難を乗り切ることに効果を発揮した。これは軍隊的上意下達システムによる組織統制。部下の忠誠心、滅私奉公的な姿勢が試される状況に陥りやすい。「長時間働く人は立派だ」「長時間労働でもへこたれない奴は根性がある」といった根拠なき精神論。

    長時間労働をせず男性が早く帰宅するようになれば女性の負担も減り余裕も生まれる。長時間労働はかように罪深い仕組み。

    世界をありのままに見ること(ファクトを直視すること)。事実、数字、ロジックを直視し、受け入れられない人は勇気が足りない。

    日本人が情緒的、感情的な思考に流されやすく、ロジカルシンキングが育たない理由は?①徳川幕府が進めた鎖国政策により日本人の同質性が強化された。②戦後の工場労働モデルで同一の価値観と判断で、みんなで協調して働くことが推奨され成功したこと。

    一方、海外では、異なる宗教、文化、伝統を持つ人々が混じり合った社会が存在したため、多様性が生じ、「あ、うんの呼吸」は通用しなかったため、数字、事実、ロジックが必須であった。

    イエス・ノー・ゲームで土俵を整理する。

    選挙に行かない人へ質問。
    みなさんは今の世の中をより良くしたいと考えていますか?
    → イエス
    良い政治家を選び良い政府を作る。
    投票率が高いのと低いのとではどちらがより良い政府を作ることができますか?
    → 高い方

    選挙に行かない理由。1)ロクな候補者・政党がいない・ない。これでは一生選挙に行けない。そもそも選挙に立候補する人は立派な人物であり、政党は優れた組織でなければならないという、ありえない幻想を前提にしている。政治家になりたい人たちは目立ちたがり屋や一儲けを企む人などロクでもない人たちで、その集団が政党。選挙とはロクでもない人たちの中から相対的にまともな人を選ぶ忍耐のこと。2)投票に行ってもどうせ政治は変わらない。投票率が10%上がれば組織票の力が薄まる。3)メデイアが出す当選予想。これに賛成なら選挙に行かなくてもいい。事前予想に反対なら投票に行き、別の候補者の名前を書く。それが選挙というものである。誰に投票して良いか困った時は、女性や若い候補者に投票する。

    ポピュリズムとは、為政者が大衆の無知につけ込み、大衆の欲望を満足させるような政策を実施して民心を操ること。

    フランス人のように、社会習慣や常識に縛られず、率直に物事を見て自分の頭で考える。まずは問題の原点から考える。

    問題を原点から見据えて思考するためには情報のインプットが必要。そのためには「人・本・旅」が必要。人間は遊ぶことに幸せを感じる。だから、幸せに生きたければ仕事を効率良くこなす。そのためには、集中力をあげないといけない。

    魅力的な人、面白い人に学ぶ。惹かれるところのない人とはご近所付き合いで良い。

    本。1冊の古典は100冊のビジネス書に勝る。岩波文庫 書物誕生。平凡社 東洋文庫。

    旅の魅力。五感を使う。

  • 久しぶりに引用したい箇所が多い一冊。さすが出口さん。とくに3章は事あるごとに再読したい。おすすめ。

  • わかりやすく説得力がある。

  • 数字・ファクト・ロジック。人・本・旅。というテーマが根底にある。

  • 同時期に東大出身の警察の方の新書も読んでたので、京大卒のこの方の文章の読み易さが光りました。

    しかし例えば”世界の常識”的な言葉の使い方において”世界”は何を指しているのか、とか実は統計って凄く嘘がつきやすいモノなんじゃないのかな?って辺りで、ご自慢の『ファクト』の捉え方を少々疑問に思う面も無くはなかった。

  • 社長業もしつつ、本も書いてしまう。そんな生き方はすごいと尊敬しているので、出口さんの書いた本は読んでしまう。
    出口さんの考えるよく生きるヒントが書かれており、大いに参考にしたい。

  • ゴシップや流言飛語に惑わされず、物事を正しく判断するにはどうすればいいのか。「人・本・旅」から情報を収集する、物事をゼロから捉え直すなど、著者が実践する「腹に落ちるまで考え抜く」方法を徹底的に解説する。

    分かりやすい言葉で書かれていて良かった。
    間もなく選挙があるとみられるので,投票する人に迷ったら,「女性」,「若い人」を意識したい。

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プロフィール

APU(立命館アジア太平洋大学)学長

「2018年 『教養が身につく最強の読書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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