新版 動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか (小学館新書)
- 小学館 (2017年5月31日発売)
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感想 : 174件
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784098253012
作品紹介・あらすじ
「生命とは何か」という永遠の命題に迫る!
●年を取ると一年が早く過ぎるのは、「体内時計の遅れ」のため。●見ている「事実」は脳によって「加工済み」。●記憶が存在するのは「細胞と細胞の間」。●人間は考える「管」である。●ガン細胞とES細胞には共通の「問題点」がある…など、さまざまなテーマから、「生命とは何か」という永遠の謎に迫っていく。発表当時、各界から絶賛され、12万部を突破した話題作をついに新書化。最新の知見に基づいて大幅な加筆を行い、さらに画期的な論考を新章として書き下ろし、「命の不思議」の新たな深みに読者を誘う。哲学する分子生物学者・福岡ハカセの生命理論、決定版!
【編集担当からのおすすめ情報】
『動的平衡』は発売当時から評判が高かった本ですが、今回、ES細胞やiPS細胞などについて最新の知見を踏まえ、加筆していただきました。さらに、『動的平衡』そのものについての、先生の研究成果を取り入れた画期的な論考を新章として追加しました。初めて読む方が面白く読めるのはもちろん、既に単行本で読んでいる方は、新章を読むことで「動的平衡」の深化がわかります!
みんなの感想まとめ
生命の本質に迫る本書は、「動的平衡」という概念を中心に、合成と分解、酸化と還元などの相反するプロセスがどのように生命を維持し、更新しているのかを探求しています。理系のバックグラウンドを持つ読者からは、...
感想・レビュー・書評
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何がなんだか私にはサッパリわからなかった。
最後に
動的平衡とは、合成と分解、酸化と還元、切断と結合など相矛盾する逆反応が絶えず繰り返されることによって、秩序が維持され、更新されている状況をさす生物学用語で、生命を生命たらしめる最も重要な特性。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校・大学と理系専攻だったので読んでみましたが
かーーーーーーなり読みにくい!
そんなこと勉強したなぁと懐かしくなりました。
帯には有名女優さんが感動して何回も読みました!
とコメントあったけど天才。。。???
私にはきつかった。涙
歳月をかけたり人生を賭けるほどの研究をしても
雑誌に載ったり目立ったりって本当に少ないんですよね。
でも偉人たちの研究の積み重ねで色々な発見があるのは間違いなくて。
そしてこうやって分かりやすく伝えてくれる人がいる。
論文をあさらずとも要約された本が読めることに感謝です。。。
残念ながらブクログには登録されていない様なのですが、
本書をかなりくだいた
「最後の講義完全版: どうして生命にそんなに価値があるのか」
がめちゃくちゃオススメです!☆5
同じく、福岡伸一先生が書かれたもの。
中学生とかでも読めそう、この本で読書感想文書きたかった!
大学の講義でもここまで分かりやすく教えてもらえません。
毎日ご飯を食べるのになぜいつか死んでしまうのだろう
体が小さい個体ほどなぜ早く死ぬのだろう
じゃあビルなんかの頑丈に建てられた大きな物は永遠に残るの?
なんで記憶が薄れることがあるの?
こんな些細なよく考えると謎な答えが示してあります。
(別の本の感想になっちゃった)
動的平衡とか知らなくても生きていけるんだけどね。
理屈が分かるので私が生きている理由が分かります。
福岡伸一先生の本は読みやすい方なのでオススメです☆ -
雑誌連載の記事を編集加筆してまとめた著書。
『動的平衡』というキーワードを軸に生命とは何か、ダイエットやES細胞などの日常関心のある話題を素材に論を展開しておる。
まずは筆者の読ませる文章力に脱帽。
次に、どこかで直感的に思い込んでいる機械的システムとしての人間観に、一石を投じる論にも目を覚まされる力強さがある。手放して良いことだと短絡的に賛同してしまっているES細胞などの万能細胞に対する、不確定さと気味悪さの指摘はとても新鮮で考えを改めるきっかけとなったのです。
シリーズものとのことで、適宜手に取っていこうと思う。「ベリクソンの孤」理論がどのように展開しているかも気になるので。
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昨今、会社や学校などで、旧態依然とした体制の中で生まれた事件が続いている。変わらない体制、根付いている悪しき慣習。この一冊を読むことで、これらの見方や理解度が格段に変わった。
生命とは何か、サステナブルとは何か。表層的に知っているような言葉だが、読み進めていくとその本質や基本構造が徐々に分かってきた。
一見不変に見えて、実は中身は日々変化している私たち。体内に摂り入れたものは合成と分解を繰り返し、常に動きながら平衡状態を保つ。
サステナブルとは常に動的な状態のこと。合成と分解との動的な平衡状態。これが生きていること。
会社や学校組織も同じではないかと思う。新しい方が入ってきて新しいものが作られ、時代に合わなくなったものは分解される。動的で平衡状態を保ちながら、その活動を通してエネルギーを生み出し、大切に残したいものは記憶される。
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「動的平衡」ハカセの有名な言葉。
新版「動的平衡」なので、新書化にあたり、増補改変してある。
人間の記憶は、脳のどこかにビデオテープのようなものが古い順に並んでいるのではなく、「想起した瞬間に作り出されている何ものか」である。よって、過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、それは過去が懐かしいのではなく、今、懐かしいという状態に過ぎない。
なぜ学ぶことが必要なのかー学校で勉強しなくても実社会で体得する直感や、経験則の法が生きていく上でずっと有効か?いいえ違います。「私たちを規定する生物学的制約から自由になるために私たちは学ぶのだ」生物学的規定?それは、私たちが世界をごく直感的にしか見ていないこと。直感が導きやすい誤謬を見直すために勉強し、自由になる。
森鴎外は、脚気の原因を病原体による感染症だと死ぬまで脚気菌を探していたという。コッホの影響。
人間の身体はチクワ。生命活動はアミノ酸の並べ替え。
汝とは、汝の食べたものである。コラーゲンは、そのままコラーゲンになるのではなく、一度アミノ酸に分解され、再び必要なタンパク質に合成される。
エントロピー増大の法則。秩序から乱雑さへ。生命はそのことを予め織り込み準備した。エントロピー増大の法則に先回りして自らを壊し、再構築するという自転車操業=動的平衡。 -
福岡伸一氏といえば、まず「わしズム」を思い出す。わしズムは不思議な本で、第一号か二号あたりは、寄稿者の顔面が大きな本いっぱいに印刷されていて、毛穴の奥まで見えそうなのだ。たぶん、顔と文の一致を目指した編集なのだろう。でも、撮り方が、味わい深く撮るというより、ほとんど単なる超接写なので、女性はわしズムに出るのは嫌だっただろう。もうちょっとぼかしてもいいのに。
そのわしズムの写真に、福岡伸一の顔面がでかでかと載っていた。ものすごい顔だった。なんという顔面をしているのだ……。フットボールアワーみたいな顔をしているが、わしズムに載った顔はもっとへんで、「この人、人間か……?」というショットだった。いつか、よしりんに聞いてみたいものである。
この本では、最初、記憶というものがなんなのかについて、考察を進めていく。脳には「記憶素」みたいなのがあるのか、それとも脳のある部位が「記憶場所」なのか。結論としては、記憶とは「神経回路の形と光」であるという。まるでイルミネーションのように記憶はある。どこかに記憶素や場所があるわけではない。想起されたら、その回路が光って、「思い出される」わけである。でも、分かっているのはそこまでである。
脳は、因果関係なく、訳の分からない発想をいくらでもするし、だいたい電気信号の回路でなぜエロい妄想のリアルな映像が思い浮かべることができるのか。「想起して、電気回路で、思い出す」の、この想起の運動はいったいなんなのか。
やはり、量子力学のような考えで、「脳は確立空間にあるので、インプットアウトプットで脳と捉える方法で魂の議論をするのは無理」とするしかないような気がする。「クオリアの哲学と知識論証:メアリーが知ったこと」という本があって、その点のことが楽しめるのだが、最後の方になると、「平行世界からクオリアを否定していく議論」になる。平行世界て! ふざけてんのか! と思うが、大真面目である。それに宇宙科学においては、実際に平行世界の可能性が出てきているわけである。というか、平行世界・宇宙を想定しないと理屈があわないというか。
あと、ダイエットについての議論もよかった。余分にたまるとお腹周りに脂肪をためる。ようするに、ハンバーガーを山ほど短時間で食べると太るが、分散して山ほど食べると太らないということ。「量」は関係ない。食べ物とは「時間」なのだ。なぜなら身体はつねに生成と破壊を繰り返しているからだ。分散させれば、同じ量でも、太る・太らないが決まる。
基本的にすべての栄養素はエネルギー源として燃やされるとき、ブドウ糖になる。ブドウ糖は血液中に溶け込んで、体内をぐるぐる回り、細胞に取り込まれたブドウ糖は燃やされて(酸素と結びついて)エネルギーを放出する。このエネルギーが細胞の代謝の原動力となる。体温の源となる。お腹がすくというのは血糖値が下がるということである。
ほか、カニバリズムの理由が面白かった。植物の病気は動物にはうつらない。昆虫や魚や鳥の「病気」も、そう簡単に人にはうつらない。しかし、人の病気は人にうつる。病原体を自分の体内に移動させるため、死者の脳を食べることで、次々と感染していた例もある。人の身体を食べて、謎の病気になる例が古代にあって、それで、本能的タブーとなったのだろう。
さて、本著は「生命とは動的平衡にあるシステムである」について述べている。人間機械論への反論である。iPS細胞についても意見している。臓器をつくって、機械みたいにパチッと臓器をあてはめれば、はい回復! みたいにはいかない。人間の体は、猛烈に生成と破壊を繰り返していて、入れ替わり続けている。川の流れのようになっている。それを堰き止めるようなことは、とてつもない負担だし、機械論的な手術がうまくいったとしても、それが一般化するには、難しい問題は多々あるだろうと述べている。生きているとは動的平衡によって乱雑さの増大をつねに処理し続けていることだ。皮膚は驚くべき速度で更新されている。その身体の根本的な仕組みを忘れてはならないことを述べている。スピリチュアルではない側からの反機械論とも言える。
ところで、この定義でいけば、もう少しでロボットも生命になりえるのではないか。この本で出てきた、ウイルスは生物なのかどうか? 生物と無生物のあいだにいるのならば、ロボットでウイルスぐらいの仕組みはいまや作れそうな気がする。それがまあ生物兵器になるのだが、生物学的には、ロボットをつくることと、生物兵器をつくることは、あまり変わらないのではないか。 -
合成と分解との動的な平衡状態が「生きている」ということであるとの観点から様々な生命現象についての論考。分子生物学の歴史や近年の様々なトピックも学べ、分子生物学にどっぷり浸たれる内容になっている。
生命は機械のようにいくつもの部品を組み立てただけで成り立っているわけではなく、プラスαとしてエネルギーと情報の出入りが必要であり、さらにタイミングが必要とのこと。生命現象を機械論的に捉え、操作さえもしようとする人間の部分的思考へ警鐘を鳴らす。また「動的平衡」とは生命の持つ柔らかさ、可変性、そして全体としてのバランスと秩序を保つ機能とし、「生命とは動的平衡にあるシステムである」との生命観を述べている。
福岡氏は文章も抜群にうまいが「動的平衡」や「生物と無生物のあいだ」など好奇心を刺激するキーワード設定がこれまたうまい。もっとも「動的平衡」というワードは多田富雄氏が1997年著「生命の意味論」で言及しているのだが、福岡氏はこの概念をみごとに深化させている。
動植物の細胞内のミトコンドリアや葉緑体が体外から取り込まれた共生細菌であることやベルクゾンの孤(分解が合成にわずかに「先回り」するモデル、生命の有限性も説明)は大変興味深い。生命が新しい世代にバトンを渡し有限の生を終えていく様をも動的平衡の流れと理解することは大変腹落ちした。
動的平衡な生命現象と環境問題を繋げて論じているのは少々強引かな。 -
友人の読書ノートでめちゃめちゃ面白いと書いてあったので、読んでみた。
福岡伸一先生の著書は過去に何冊か読んでいる。
本書も面白いのは間違いないし、ヘェ〜ってことも多いんだけど、なんだか私の脳がスムーズに読み進めてくれない。
少しずつ読み進めることになり、思ってたより時間がかかったけど、いちいち面白かった。
人間の基本構造には母親からしか伝わらないDNA(ミトコンドリアDNA)というのがあるそうです。
生物学的にも、母親と父親はつながり方が違うのだと、改めて思った次第。
最近、読みにくいと思ってたら白内障になってるらしい。
字を読むのが辛くなってたのね(T . T) -
なんかいろいろと腑に落ちた。
第一線の分子生物学者としての知見をもとに、炭水化物ダイエットが効く理由を説明してもらえた。妻に何度言われても右から左だったGI値についても納得がいった。お肌のためにコラーゲンの豊富な食い物を摂っても意味ないし、コラーゲン配合の化粧品は輪をかけて無意味ということもわかった。IPS/ES細胞の難しさについてもわかった気になった。どうもぼくは理屈が理解できないと腹落ちしないたちらしい。
遺伝子組換えのリスクについても「正しく」理解できた気がする。ぼくは消費者が遺伝子組換え作物を嫌う理由がよくわからず、みんなは組み替えた遺伝子が身体に入ると思っているのかな、と思っていたのだ。
生命の本質は動的平衡である、という著者の主張は腑に落ちる。生命はいろいろな部品からなる一種の機械であり、食べ物は燃料である、というアナロジーでは新陳代謝と成長、老化の仕組みを説明できない。機械とは別の仕組みで(共通点もあるけれど)、少なくとも一定の期間個体を維持し、変化を受け入れながら環境への適応を目指すシステムなのだ。
文章に不思議な風格があるけれど、ことさらに名文というわけではない。易しい言葉だけで難しいことを説明するわけでもない。この人の説明はどうして腑に落ちるのだか不思議だ。
名著。 -
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ベストセラー『生物と無生物のあいだ』(2007年)を始めとする一般向けの科学書等の著者・翻訳家であり、雑誌や新聞の文化・読書面にも頻繁に登場する、分子生物学者の福岡ハカセが、自ら主著という2009年発表の作品を新書化したもの。新書化に伴い、生命科学研究の最前線の状況などについて大幅に加筆したほか、新章が加えられている。
本書の題名にして、ハカセが「私自身のキーワード」という「動的平衡」の表すものについては、言葉を変えて、繰り返し説明されているが、端的に言うと、「秩序あるものは必ず、秩序が乱れる方向に動く。宇宙の大原則、エントロピー増大の法則である。この世界において、もっとも秩序あるものは生命体だ。生命体にもエントロピー増大の法則が容赦なく襲いかかり、常に、酸化、変性、老廃物が発生する。これを絶え間なく排除しなければ、新しい秩序を作り出すことができない。そのために絶えず、自らを分解しつつ、同時に再構築するという危ういバランスと流れが必要なのだ。これが生きていること、つまり動的平衡である」ということである。
また、分子生物学の見地から、以下のような多数の興味深い示唆がある。
◆歳をとると1年が早く過ぎるのは、分母が大きくなるからではなく、自分の生命の回転速度(代謝回転速度)が遅くなるから。
◆人類は進化の過程で、生き残るために有利なように、ランダムなものの中に法則やパターンを見出す能力を高めてきた。
◆我々が摂取したタンパク質は、元の情報が自分自身の情報と衝突しないように、アミノ酸まで解体されて吸収される。よって、コラーゲンを食物として摂取しても意味はない。
◆生命は単なる部品の集合体ではなく、その成立には時間が関わっており、それが柔らかさ、可変性、バランスを保つ機能のような機械とは全く異なるダイナミズムを生み出す。
◆生命のプロセスに関わる時間を逆戻りさせることは不可能。よって、遺伝子操作や生命操作を用いた生命科学研究には懐疑的。
◆生命現象を支えるsustainableな仕組みは総合的なもの。よって、エイジングと共存するには、sustainabilityを阻むような人為的因子・ストレスを避ける、つまり「普通」でいることが一番。
そして最後に、「生命」について、「生命が「流れ」であり、私たちの身体がその「流れの淀み」であるなら、環境は生命を取り巻いているのではない。生命は環境の一部、あるいは環境そのものである」と述べているが、これはある意味、自らの死生観にも影響を与えるようなものである。
自ら主著という通り、福岡ハカセの主張・問題意識が網羅的かつコンパクトにまとめられた良書である。
(2017年6月了) -
大阪万博のパビリオン「いのち動的平衡館」で知った概念、生物学者さん。
参加している読書会でも紹介されて読んだ
生体膜こそが生命の本体で外部環境に向かって開いており、、そこから物質、エネルギー、情報が出入りしている
生命単位の細胞(私の身体にも37兆個ある)は絶えず合成と分解、酸化と還元、結合と切断、生成と消失を繰り返す流れそのもの
生命体はエントロピー増大の法則により、常に酸化、変性、老廃物が発生する、、これを絶え間なく排除して同時に再構築する、危ういバランスと流れ、、自分もこの動的平衡によって生きているんだなあ、と実感した
著者の生命の捉え方からすると、細胞の集まりからなる特定の臓器を作成して移植する治療、再生医療はES細胞、IPS細胞の発見から希望が持てるようだったけれど、少し違うよう…(移植を待つ患者さんにとっては夢があり、完全には否定していないようですが)
他にもダイエットに向くGI値を意識した食べ方や新聞広告に毎日のように載るコンドロイチン添加食品の無意味など、、生活に役立つ本当の知識もいただいた
美しいミトコンドリアの電子顕微鏡写真を眺めながら、、著者が細胞分子生物学を研究してたどり着いた生命の概念、をじっくり味わうことが出来た
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面白かった。
ずっといつかは読みたいと思っていてようやく読んだ。
思っていたよりも生体や細胞の具体的な話をベースにして進めてくれていた。もっと概念的な話ばっかりかと思っていたが動的平衡という核に至るまでが丁寧に描かれている。しかも書き口もさらっとしてて、偉い先生やのに変な見栄とかドヤァも無く、置いておいちゃう期間なく最後まで楽しく読み切ることができた。
関数個性論を唱えている自分にとってはすごく参考になった。分解と合成があるから時間と終わりがあるというのはもっと深掘りした話を聞いてみたい。
プラントは生き物みたいやと思ってた自分にとって、生命は機械じゃないと言われたら「そりゃそうや」と思った。生き物をプラントに当てはめる考えは無かった。でもそういう考えをもった人が医学生理学を発展させた時代があったというのは面白い。そして、そうじゃないなとわかってきたことも面白い。
また読みます。
残念なのは今回の読書はマルジナリアが少なかったこと。書くより読むをしてしまった。面白かったからかな。もっと書かねば。 -
生物学者である福岡伸一氏の著書。
「生物とは動的平衡」と唱える著者が分子生物学を持って「命の不思議」を分かり易く解説する。栄養を取って日々細胞が入れ替わる我々の肉体において、確かに記憶とは何か我々らしさとは何かは「テセウスの船」的疑問である。
こうした謎を分子生物学の(当時の)最新研究を使って興味深く説明してくれている。しかも研究結果のドライな事実だけでなく、哲学や芸術を引き合いに出す情緒的な文章が著者の博識と人間的魅力が伝わってきてとても良い。知的好奇心を刺激してくれる本。 -
分子生物学者の福岡伸一さんよる「動的平衡」シリーズ1,2,3をおススメします.
福岡さんのエッセーとの最初の出会いは,ANA機内誌に連載されていた「フェルメール光の王国」(こちらもおススメです!)でした.
理系の学者の文章なのにフェルメールの絵の話?と思いつつも,とにかく読みやすく,興味と想像の翼を自然と広げてくれました.
「動的平衡」とは,生物化学者のシェーンハイマーがミクロな実験に基づき提唱した概念です.
生命の身体のパーツは見た目では日々変わらず同じなのに,絶えず分子がやってきて消費され入れ替わっている...生命は動的に平衡した分子の流れの中の淀みのようなもの...
この考えにふれ,「動的平衡」は私が普段研究している燃焼の火炎と同じだ!というところからまずは惹きつけられました.
さらに,著者は「動的平衡」の考えをもとに,生命だけでなく,哲学,組織論,芸術論,コロナ禍...と,自由に話を展開し,視野をおおいに広げて知的好奇心を刺激してくれます.
最後に、シリーズ3で紹介される細菌学者パスツールの言葉,「チャンスは準備された心にのみ降り立つ」,をこのレビューを読んでくださった皆さんにも紹介し,レビューを終わりにいたします.
三上真人(エンジンシステム工学・教授) -
ふわっとしている内容もあるが、生物学初心者にとってはわかりやすく、興味深く各テーマごと説明されていた。
読みやすいので、ほかの作品も読んでみて知識を広げたい。 -
生物は常に分解と合成を繰り返し、川の流れのような存在であること。だから1ヶ月前の自分と今の自分、見た目はそこまで変わらないけど、細胞レベルで見ていくと別の存在になってるっていう話はなるほどなと思ったし、子どもの頃の時間の流れと大人の時間の流れの感覚が違うのは、細胞のサイクルが実際の時間と徐々にずれる(遅くなる)からという話は面白かった。
iPS細胞やES細胞のことやガン細胞、クローンのこと、細菌とウイルスとの戦い、ミトコンドリアのこと、とてもわかりやすく面白くどんどん読めてしまった。タイトルは難しそうに見えるが、高校で生物を勉強したことあればかなりハマれると思う。 -
抗生物質等の話をしながら生命に対する筆者の見解が述べられた本。
生命とは、開いた円弧かつ分解が合成を少し先回りしていること。
【関連書籍】
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事、FACTFULLNESS -
「生命とは何か」という永遠の課題をテーマに、日常生活に関わる話題などを通して俯瞰的に解説した本。
秩序あるものは必ず、秩序が乱れる方向に動く。この世界において、最も秩序あるものは生命体である。生命体は常に酸化、変性、老廃物の発生に対処する必要があり、自らの分解と再構築によってバランスを保っている。これが、「動的平衡」である。
著者の生命論は非常に的を得ていてとても納得できます。生物の知識を持ってない人でも、生命についての理解を深めることができる良書だと思います。
著者プロフィール
福岡伸一の作品
