戦前の大金持ち (小学館新書)

  • 小学館
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098253296

作品紹介・あらすじ

昔の日本にはジョブズ並みがゴロゴロいた!

これまで日本の経営者といえば、「メザシの土光」に代表される質素倹約型が理想像とされてきたはずだ。しかし、それは果たして本当に伝統的な「日本の大金持ち」の姿なのだろうか。歴史を紐解けば、戦前の日本には、個性的でスケール感溢れる起業家たちがゴロゴロいた。戦前の日本は、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ並みの人材が揃ったシリコンバレーのような場所だったのだ。武器商人から一大財閥を築いた大倉喜八郎、孫文の辛亥革命をパトロンとして支えた梅屋庄吉、パリで「蕩尽王・バロン薩摩」として名を馳せた薩摩治郎八……彼らの豪快なカネの稼ぎ方・使い方を見ていると、今の日本のビジネス界がずいぶんとこじんまり見えてくるに違いない。戦後のサラリーマン型経営が終わりを迎えた今こそ、彼らの型破りな発想力に学びたい。

【編集担当からのおすすめ情報】
ライフネット生命の創業者で歴史にも造詣の深い出口治明氏が案内人となり、歴史に埋もれた戦前の起業家たちの人物像を紹介していきます。この本を読めば、真面目で質素倹約という日本の経営者像が高度経済成長以降に作られたイメージに過ぎないことに気づくはずです。日本人はもっと自由に、のびのびとビジネスを楽しんでいた。そしてド派手に稼ぎ、ド派手に使っていたのです。

感想・レビュー・書評

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  • 明治・大正期に活躍した7人の実業家の自伝や評伝を読みながら、波乱万丈の彼らの人生を見ます。
    経営やビジネスに興味のある人たちの心に直接響くものがあることでしょう。

    でも私のようにそういったものに全く興味のない人間の心にも響くことがありました。
    出口さんは次のように言います。

    「例えば、「一日に一つぐらいは賢くなってやろうとする人」と「別に給与がもらえていればそれでいいや」と考える人とでは、最初の能力が同じでも日に日にその差は広がっていきます。それが自分の好きなこと、やりたいことであればなおさらでしょう。
    7人にそれぞれの形で共通していたのが、まさに物事を学ぼうとするこの意欲、世界に対する好奇心であったと僕は感じました。」

    「お金持ちになりたい」でなくても、
    趣味に熱中する人とか「自分はこういう人間になりたい」という理想をもつ人たちにも
    とても参考になる話だと思います。
    「あの時、もっと努力すればよかった」と後悔しないように、時間を大切にしたいと思いました。

  • ライターと解説者の内容が被り、全体に薄い評伝の印象。
    1日もかからず読めるのはいいけれど。

  • 2018064

    戦前の大金持ちと現代の大金持ち。その差は何と言った時に才能よりも使命感が何より大きいと思いました。ひとの成功を妬んだり、富を独占しようとする虚栄心を越えた生き方。貧富の差が大きな時代だから、自分がやらなければという思いが強かったのかもしれません。

    美術館や庭園で名を馳せた山崎種二や足立全康。芸術を通してひとを育てる。美術館を訪れることで創設に関わったひとたちの哲学に触れることも出来るような気もします。

    もちろん吉野山の桜を守り抜いた土倉庄三郎の戦争ではなく、林業で国を守り立てようとうとしたり、真珠のミキモトの創始者の御木本幸吉の諦めない生き方も凄い。

    みんな地方から日本を変えていこうとしてきた。地方からこのようなひとたちが出てきて地方から元気になることを願いたいです。

  • お金には、稼ぐ時より使う時にこそ、その人らしい個性が強く出る傾向がある。それを教えてくれる本である。人は教育や世間の影響を受けながらお金を使うが、この本は、自らの内なる声に従った使い方の達人を紹介している。

    本書は、現代の富裕層だけでなく、実際の財産の大小に限らず、「お金の使い方に生き方が現れる」という考えに共感できる人であれば、誰にとってもおすすめだ。まわりに惑わされない生き方に興味ある人に向けた本である。

    戦前の6名、梅屋庄吉、薩摩治郎八、大倉喜八郎、土倉庄三郎、山崎種二、御木本幸吉と戦後派の足立全康を足した7名のミニ評伝と出口氏の解説で各章にまとめてある。新書のページ数なので、簡易なダイジェスト版である。

    それぞれに人物にキャッチコピーがついてあり、興味ある章から自由に読み進めることができる。例えば1章の梅屋の場合は、孫文のパトロンなので“革命プロデューサー”で、2章の薩摩の場合は“パリの蕩尽王”といった具合に。

    梅屋の解説では、著者が従来から伝えているセッセージ「人、本、旅」につながる教育システムについて、梅屋の人生から学ぶべき点を言及している。[協調性が大事だという教育から、人はみんな違うという教育へ P41]

    最終章の足立の解説では、足立の自伝の中での名言に対し、[こうした言葉を読んでいると、彼が自らの体験を常に言葉へと直し、その後の行動指針として教訓化してきたことが窺えます。 P203]と考察している。

    本書は、ネット保険の創業会長を経て、大学学長に就任するなど、本業を別に持ちつつ、多数の著作をもつ出口治明氏が著者である。ただし本書は評伝は他の人に任せ、解説のみを出口氏が書いている。

    正直、一人一人について知りたければ、巻末の参考文献を読んだ方がよい。本書では内容が薄すぎる。とはいえ、お金の稼ぎ方より使い方に焦点を当てた考察の視点は新鮮である。その目線は今後の社会で重要性は増すを思われる。

  • 梅屋庄吉 長崎 孫文
     日比谷公園 松本楼

    薩摩治郎八 バロン薩摩
    1929 パリの大学都市に留学生会館 日本館をを建設(後にフランスから勲章)
    1920年代のパリは日本人ラッシュ 第一次世界大戦後、英国、フランスの国力の衰えでフランの暴落 日
    本 世界大戦の好景気で成金
    1913 一円 2.5フラン 1926 16フラン
    「お金は貯めるものでなく、使うものだ」

    大倉喜八郎
     彰義隊に鉄砲をうらなかった。彰義隊は代金を支払わない。支払わないのは客でない
     大倉組が北海道で行った最大の事業は旭川に第7師団を作ったこと

    土倉庄三郎
     廃仏毀釈で吉野山(神仏混合の修験道の拠点)が荒れる そこを買い取って桜を守る

    日本画専門 山種美術館 東京都渋谷区広尾 山崎種二
    成功の種は必ず苦しいときに芽生え、失敗するのは有頂天になっているときに原因が生じている

    島根県安来市 足立美術館 足立全康 横山大観

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著者プロフィール

1948年、三重県生まれ。立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命保険株式会社創業者。京都大学法学部を卒業後、72年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師等を務める。08年にライフネット生命を開業、12年東証マザーズ上場。18年より現職。

「2019年 『本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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