教養としてのヤクザ (小学館新書)

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本棚登録 : 197
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098253562

作品紹介・あらすじ

あの芸人にも読ませたい。

吉本闇営業問題で分かったことは、今の日本人はあまりにも「反社会的勢力」に対する理解が浅いということだ。反社とは何か、暴力団とは何か、ヤクザとは何か。彼らと社会とのさまざまな接点を通じて、「教養としてのヤクザ」を学んでいく。テーマは、「ヤクザとメディア」「ヤクザと食品」「ヤクザと五輪」「ヤクザと選挙」「ヤクザと教育」「ヤクザと法律」など。その中で、「ヤクザと芸能人の写真は、敵対するヤクザが流す」「タピオカドリンクはヤクザの新たな資金源」「歴代の山口組組長は憲法を熟読している」など、知られざる実態が次々明らかになっていく。暴力団取材に精通した二大ヤクザライターによる集中講義である。

【編集担当からのおすすめ情報】
暴力団取材の第一人者である溝口敦氏と、『サカナとヤクザ』がベストセラーになった鈴木智彦氏が、ヤクザと社会の意外な接点を明らかにしていく展開は、目からウロコの連続です。反社について学ぶことは、裏面から日本の社会を学び直すということなのかもしれません。

感想・レビュー・書評

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  • 「暴力団取材に精通した二大ヤクザライターによる集中講義」と、版元がつけた惹句にはある。
    実際には「講義」というほど堅苦しい内容ではなく、楽しい対談集である。

    「集中講義」という惹句同様、『教養としてのヤクザ』というタイトルも、版元の世間向けのエクスキューズとしてつけられたものなのだろう。

    「これは面白半分にヤクザを扱った本ではないんですよ。現代日本に生きるうえでの必須教養として、ヤクザについて一通りのことを知っておく必要がある――そんな問題意識から企画されたマジメな本なのです」……と、そのようなエクスキューズとしてである。

    必須「教養」かどうかはともかく、大変面白い本ではある。
    さすがに長年ヤクザの「現場」を取材してきた2人だけあって、矢継ぎ早に披露される情報がすごくディープ。そして密度が濃い。

    見開きに1つくらいのペースで笑える箇所もあり、全体に肩のこらない感じであるのもよい。
    笑いながら楽しむうち、ヤクザが置かれている現状やヤクザの行動原理などが、おのずと深く理解できる。

    以下、付箋を打った箇所をいくつか引用。

    《「暴力団」という呼び名はいいけど、「反社」とは呼ばれたくないというヤクザが多い》(149ページ/溝口)

    《ヤクザは商売ではないんです。無職なんです。だから、〝無職渡世〟などと言うわけです。ヤクザはまったく働いていないのに食っていける。そこに価値がある。(中略)密漁がシノギになっているということは、ヤクザが貧窮化して、肉体労働をせざるを得なくなっているということでしょうね》(32ページ/溝口)

    《世間とは逆で、暴力団では大卒は出世できないとされている。良くて二次団体の幹部が頭打ちです》(127ページ/溝口)

    《(『六法全書』を熟読するなど、法律にくわしいヤクザが多いのは)法律とか人権とかそんな高尚な話ではなくて、ヤクザからしたら、「武器としての人権」であり、「武器としての法律」なんですよね。自分たちの都合の良い人生をおくるための武器で、時と場合によっては法律を破っても捕まらないようにするための武器にして使う》(135~136ページ/鈴木)

    《(新聞の暴力団報道について)記者の大半は、警察発表と検察発表を整合させて、これを「裏を取る」と言っているわけです。当該暴力団にアテるわけじゃないんです。彼らの裏取りは政府情報と政府情報を足して、それで合わせるから暴力団に接触なんかしない。そもそも「接触するな」って言われているから》(162~163ページ/鈴木)

  • 最近のヤクザ事情は分かったが、対談の書き起こしのせいか内容が少し薄い

  • 社会生活のあちこちに「ヤクザ」あり

    「力」で生きていくのか「アタマ」で生きていくのか
    シロとクロのあいだにさまざまなトーンのグレーがあるんですね…

  • 反社会勢力は、ヤクザと違う。経済的な特殊詐欺グループ。そして押されている。
    ヤクザは男伊達の世界。暴力的で、カタギには優しいという幻想の中で生きる。美学を持つ。一定数、憧れる人がいる。
    ヤクザは、本義として、働かずに金を得るもの。働くヤクザは本末転倒。
    看板には暴力性。そこで恐れさせるのが、看板。怖くなくなれば意味はない。
    暴力団排除条例が強すぎる。関係した一般人まで罰を受ける。支持地域の消滅。
    ヤクザは消えていく。

  • このふたりの対談なんて、そんなのズルいでしょ、読むでしょ、という一冊。

    タピオカとヤクザとかの軽い話だけれど、すでに基本的人権すら与えられていないヤクザという人種を通して、日本の薄暗い未来を見られる、のかもしれない。

    当たり前に面白かったです。

  • ヤクザの現状から法律との関係、反社会勢力における構造や芸能人たちとの関係性の変化などを、対談形式で読みやすく、さらっと読みました。全部美談では語れないとは思いますが、必要悪な部分はあるかと思いますし、この先どうやって存在していくのか、今まで知らなかった著者の方々を含めて注目していきたいと思いました。

  • 主にヤクザと社会とのつながり、暴対法・暴排条例による変容について書かれているが、大前提である「ヤクザとは何か」といった点が欠落している。そういった意味で「教養としての」というタイトルには反してる印象を持った。

  • ヤグザとは何か という問いには答えてくれない。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。ジャーナリスト。1942年、東京都に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務を経て、フリーに。著書には『暴力団』(新潮新書)、『血と抗争 山口組三代目』『山口組四代目 荒らぶる獅子』『武闘派 三代目山口組若頭』『ドキュメント 五代目山口組』『山口組動乱!! 日本最大の暴力団ドキュメント2008~2015』などの山口組ドキュメントシリーズ、『食肉の帝王』(以上、講談社+α文庫)、『詐欺の帝王』(文春新書)、『パチンコ30兆円の闇』などがある。『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞を受賞した。

「2018年 『山口組三国志 織田絆誠という男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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