「過干渉」をやめたら子どもは伸びる (小学館新書)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098253708

作品紹介・あらすじ

教育改革最前線。うちの子はどうなる?

学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、2020年度より小学校、2021年度より中学校で実施。かたや大学入試制度改革は迷走し、日本の教育が大きな転換期を迎えている。

一方、国際経営開発研究所が発表した、主要63か国の「世界競争力ランキング2019」では、日本は順位を5つ下げ、30位に急落。東アジアの中でもシンガポールや中国、台湾、タイ、韓国の後塵を拝し、もはや日本型教育では、国際社会で通用しないことは明らかだ。

さらに近い将来、現在ある職業の大部分がAIに取って代わられるといわれる。
「いい学校に入れば、いい生活が送れる」時代は終わった。

こうした危機的状況にいち早く気づき、子ども主体の教育に舵をきってきた人がいる。
1人は「校則なくした中学校」の校長、もう1人は名門男子中高一貫校の理事長、最後の1人は子育てやいじめ問題に真正面から取り組んできた教育評論家だ。

立場の異なる教育最前線の3人が、意外と気づきにくい「子どもが生まれ持つ本来の特性」を解きながら、才能を伸ばしていく方法を明らかにする。

学校に息苦しさを感じる親も子も、教壇に立つ先生も、ぜひ読んでほしい1冊です!

【編集担当からのおすすめ情報】
著者の1人、西郷孝彦さんが校長を務める東京・世田谷区立桜丘中学校は、校則はなく服装も自由、定期テストが廃止されたことで、その名が全国区となりました。
同校は、こうした「学校の当たり前」を生徒と一緒に見直しただけでなく、教員と生徒の信頼関係に重きを置き、子どもが心の底から安心できる環境づくりに取り組んできました。
結果、生徒の自己肯定感や非認知能力が上がり、同時に学力も飛躍的に向上。このことに、多くの人が関心を寄せています。

2019年冬、桜丘中学校保護者の有志が、西郷校長と教育評論家の尾木直樹さん、麻布学園理事長の吉原毅さんを招いて教育に関するトークイベントを開催しました。
事前予約には約1000人の申し込みがあり、なんとキャンセル待ちまで発生しました。
イベント終了後のアンケートは、回答率が7割を超え、そのほとんどに悩みや質問が記されていたことは、昨今の教育不安を浮き彫りにしたといえます。

本著では、そうした不安を1つでも解消してほしいという願いから、再び3人が集まり、いまこそ不可欠な教育についての知恵を出し合いました。
尾木さんは、近い将来を見据えた新しい学びの具体例を挙げています。吉原さんは経済界が抱える問題点を解消するため身につけるべき教育を語っています。西郷校長は、ともすると陥りがちな教育の落とし穴とその脱却するすべを指し示しています。
依然としていじめや不登校の問題は横たわり、大学入試制度さえ右往左往する時代。
子育てに迷わない人のほうが少ないはずです。
不安脱却の手がかりを、ぜひ本著で見つけてほしいと思います。

感想・レビュー・書評

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  • 桜丘中学校校長の西郷さん、教育評論家の尾木直樹さん、 麻布学園理事長の吉原毅さんによるトークイベントから。現在の日本の教育の危機的状況にいち早く気づき、子ども主体の教育に舵をきってきた3人の対談。
    「学校の当たり前」を生徒と一緒に見直し、教員と生徒の信頼関係を作り、子どもが安心できる居場所や環境作りに取り組んだ結果、生徒の自己肯定感や非認知能力が上がり、同時に学力も向上したと。 
    教育ってどういうことなのか、子どもを成長させるってどういう環境なのか。結局は自分の頭で考えて行動できる子どもが一番強い。そういう人間になるための学校であり教育であるってこと。
    過干渉、管理、不自由な環境では子どもは羽ばたけないもんね。

  • 親を大事にする。子を大事にする。家族を大事にする。それは大事なこと。ただ自分の所有物のように過干渉していくとどうなるのか。大人になっても過度な過干渉な親御さんを間近でみた時に違和感があったから、読んだけどその違和感の理由をこの本を通して言語化して理解した。 過干渉=親の愛ではない。例え家族だとしても尊重し尊敬しあえる適切な距離感は、それぞれにある。うんうん!って思いながら読みました。 また毒親と言うものも理解できた気がします。 

  • 備忘録
    新たな価値を創造する力
    対立やジレンマを調整する力
    責任ある行動をとる力(自己を客観視できる力)
    ●感情の表出(うまく感情が表に出せる子ほも自ら学ぶ意欲が高い
    ●子どもの人生は子どものもの。
    ●人間はもともとよく生きたいと思う生き物。よく生きたいと思う心が発動するような環境作りさえすればほっておいても勝手に育つ。
    ●自分も何かできるのではないだろうかと思わせる学校の雰囲気

  • やはり全ては繋がってるわ!!日本を支える子どもたちをもっと大事にしないとね。西郷さんの本を以前に読んで、あぁこんな素敵な校長先生が日本にいて、この時代にいて良かったと思ったのを思い出した。麻布かっけぇな。身近な保護者に伝えたいな。こんなこと知らずに世に蔓延る価値観や世間体に踊らされてる保護者も大人もまぁまぁいて、もったいないし子ども達に申し訳ない。頑張ろう!

  • 未来の日本をつくっていく若者を、学校という場所で育てる。教育者としてこのうえない楽しみであるが、育て方のアップデートをしなければならない事すら、当事者意識がない教員には難しいことである。現在、教育現場でどのような試みがおこなわれているか?また、何か動きがあることすら知らない人が多い。私の職場でこの本を読んで、何を言っているのか理解できない人が半数以上はいるであろう。
    みんな違ってみんないい。という考えには共感できるが、みんな違っていいという事は、対立がうまれることもある。それは、対話をする必要があり、対話をするにはコミュニケーション力が必要になる。非認知スキルの向上こそ学校で行いたい。

  • 兎角教育現場では、きちんとまとまっている、言われたことをこなせる、などといった集団としての美を求められてきていたと思います。自分が教員として生徒と接していると、それに対して強い違和感を抱かざるを得ません。冷え性なのに夏は半袖を強要される、ADHDという特性があるのにずっと席に座っているよう強制される、喉が痛いのにのど飴を舐めてはいけないなど枚挙にいとまがありません。西郷輝彦氏は、深い考察などせず、一人一人の生徒に目を向けていたらこうなったと述べてらっしゃいます。これだ!と思いました。常に学習し、将来生徒たちが楽しく社会を過ごしていけるようサポートしていきたいと思いました。

  • 知っている中学校の話だったのでとても興味深かった

    なんでも普通に合わせようとしてしまう昨今
    賛否はあるだろうけど改革をした生徒、先生方は素晴らしいと思う

    ただ娘はこんなとこに行ったらダメになる!と自分から言っていたので…
    合う合わないはあるだろうけど

    気持ちが楽になった

  • 同調圧力がいじめを生んでいるという意見は、傾聴に値する。

  • 今から家庭でも出来ることをやろうと思った。子どもの話をさえぎらないところから。

  • 2020/07月

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