病気の日本近代史 幕末からコロナ禍まで (小学館新書)

  • 小学館 (2021年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784098253746

作品紹介・あらすじ

新型コロナ克服のヒントは「歴史」にあり

近代日本は「流行病」「難病」との闘いの連続だった--。

明治天皇や陸海軍兵士たちが悩まされた脚気から、軍民に蔓延したスペイン風邪などの伝染病、「亡国病」と恐れられた結核やマラリア、患者が増える中で治療法の模索が続いてきた精神疾患、現在死因トップのがんまで、日本人は多くの病気に悩まされてきた。

そして今また、「新型コロナウイルス」という未知の病が襲来している。果たして、この新たな感染症といかに向き合うべきなのか。

〈人類の歴史は、一面では感染症(伝染病)との戦いの歴史でもあった。だが戦うと言っても、一方的な防戦と敗北の連続で、十四世紀のペスト流行では欧州大陸の住人の半分近くが倒れ、人々は全滅の恐怖におののいた。
ようやく勝機が訪れたのは、病原である細菌やウイルスの正体が見え始めた、たかだか二百年前からである。(中略)
だが戦いが終ったわけではない。〉
「第八章 新型コロナ禍の春秋」より

本書は、医師や医療専門家ではなく、政治史や軍事史を中心に研究・執筆を重ねてきた現代史家の手になる医学史である。そのため、医学の研究書とは異なり、歴史家の視点から「難病の制圧をめざす国家的な総力戦」の過程を検証しつつ、「人間の生死をめぐって運と不運、喜びと悲しみが交錯するドラマ」を描きだしている。

新たな疫病が猛威を振るう今こそ知るべき“闘病と克服の日本史”。


【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、もともと著者の秦氏自身が盲腸(虫垂炎)の手術を受けた際に読んだ医学史の面白さに引き込まれ、歴史家の手法で近代日本の医学史に取り組んでみようと考えたことがきっかけでまとめられたものです。

今回、7章立てとなっていた同名の単行本(2011年刊)に、新型コロナウイルスに関する新章などを大幅に書き下ろし、さらに統計データなどを最新のものに更新して新書化しました。

結果的に500ページ近い大著となりましたが、著者が集めた闘病にまつわる秘話や難病克服のエピソードがたくさん盛り込まれており、医学の専門的な知識がなくても、近現代の日本人の“苦闘”の足跡を学ぶことができる読み物となっています。

まさに今この時期だからこそ読みたい貴重な史実が満載で、一度読み始めたらページをめくる手が止まらなくなる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 第八章において何故か門田隆将のツイートを引用しまくっているので本書への信頼度がガタ落ちしました。

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著者プロフィール

1932年,山口県生まれ。東京大学法学部卒業。官僚として大蔵省、防衛庁などに勤務の後、拓殖大学教授、千葉大学教授、日本大学教授などを歴任。専門は日本近現代史、軍事史。法学博士。著書に、『日中戦争史』(河出書房新社)、『慰安婦と戦場の性』(新潮社)、『昭和史の軍人たち』(文春学藝ライブラリー)、『南京事件―虐殺の構造』(中公新書)、『昭和史の謎を追う』(文春文庫)、『盧溝橋事件の研究』(東京大学出版会)、『病気の日本近代史―幕末からコロナ禍まで』(小学館新書)、『官僚の研究―日本を創った不滅の集団』(講談社学術文庫)など多数。

「2023年 『明と暗のノモンハン戦史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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