多様性を楽しむ生き方 「昭和」に学ぶ明日を生きるヒント (小学館新書)

  • 小学館 (2020年11月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784098253883

作品紹介・あらすじ

「昭和」には生きるヒントが詰まっている!

「生きていれば、きっといつかいいことがあるはずだ」――人々が楽観的かつ貪欲で、明日へのエネルギーに満ちた「昭和」という時代は、世界の歴史の中でも特に興味深い時代だったとヤマザキマリは語る。先を見通せない不安と戦う今、明るく前向きに生きるヒントが詰まった「昭和」の光景を、様々な角度から思い出しながら丁寧に綴った考察記録。ヤマザキマリ流・生き方指南。巻末に「ヤマザキマリ年表」付き。

「私にとっての昭和がサバンナだったとすると、そこで培ったエネルギッシュな精神はその後イタリア、シリア、アメリカといったそれぞれまったく要素の違う国々に移り住んできた私の、世の中なんでもあり、という適応力につながったと言っていい。様々な不条理と向き合わされ、孤独に打ちひしがれてもなんとか頑張ってこられたのは、あの時代の人々の暮らしや漫画やテレビなどからタフに生きることの重要性を学習できていたからだろう。
移り変わる時代の中で、ときどき、過去の人々の思想や社会のあり方が現状の問題解決に対しての良いヒントとして活かされるように、昭和にもそういう要素はいくつもあるはずだ」──あとがき「昭和というサバンナ」より

感想・レビュー・書評

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  • ヤマザキマリさんに魅せられて6冊目。
    「昭和の社会がサバンナだとしたら、現代の社会はよくできたサファリパーク。動物は人間に管理され、鋭い本能や直感を発揮する機会がない。」
    自分のコミュニティに同化しない者を排除し、非難し、自分に優しく脆弱になっているのが現代かもしれない。時々呼吸困難になりそうな閉塞感。
    確かに遊びやゆとりのあった昭和時代には明日は今日よりよくなるみたいなエネルギーがあった。CMにそれを感じていたというヤマザキマリさん。確かにそうかもしれない。私は野坂昭如さんの「ソソソクラテスかプラトンか」のCMや「大きいことはいいことだ」の山本直純さんのCMが忘れられない。知的教養やあそび、創造性があったよなあ。
    ヤマザキマリさんの本を読むと、世の中には思い通りにならなくて、不条理なことがてんこ盛りだってことを早くから経験した人の強さを感じる。そして自分にもエネルギーがチャージされる。ありがたい。

    • きたごやたろうさん
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。
      といってもまだ読書途上ですが…。

      まさに現代のテーマの本じゃないですか。
      ぜひ読...
      またまたオイラの本棚に「いいね」をありがとうございます。
      といってもまだ読書途上ですが…。

      まさに現代のテーマの本じゃないですか。
      ぜひ読みたいです!
      2025/01/31
    • まいけるさん
      ヤマザキマリさんの話は元気がでます!
      ヤマザキマリさんの話は元気がでます!
      2025/01/31
    • きたごやたろうさん
      オイラは、ヤマザキ マリさん、初体験です。
      楽しみです♪
      オイラは、ヤマザキ マリさん、初体験です。
      楽しみです♪
      2025/01/31
  • 多様性を楽しむ生き方
    「昭和」に学ぶ明日を生きるヒント
    著:ヤマザキ マリ
    紙版
    小学館新書 S や 7

    昭和の光景を、様々な角度から思い出しながら丁寧に綴られた考察記録とある
    ヤマザキマリの残像、昭和は、明日へのエネルギーに満ちた、世界の歴史の中でも特に興味深い時代であった
    過ぎ去った今、昭和の風景が再び脳裏によみがえってくる

    本書は、「昭和」への賛歌であり、「昭和」への惜別の書である

    気になったのは、以下です

    ・母の頑なにスナックを敵視する姿勢が反面教師となり、私が母の目を盗んでこっそりスナック菓子を買い食いするようになってしまったのも、当然というべき成り行きだった

    ・私にとってはお腹を満たすためだけの夕食のおかずよりも、製菓会社が様々な知恵を絞った新商品を見つけて、味見をするほうが大事だった

    ・母は、おまけ、が、ついているお菓子を邪道と称して嫌っていたが、私も、おまけ、には、特別興味はなく、どちらかといえば、味覚や形状に斬新なアイデアが駆使されたものに興味を刺激された

    ・当時のイタリアに関する知識といったら、男性は皆女性の前で跪いて手を広げながら歌を歌っているという印象と、縞シャツを着たネズミのトッポ・ジージョしかない

    ・家族が生きていくための商売を子供たちが手伝うのはあたりまえのことだか、先進国においては、未成年の子供に自分たちの商売を手伝わせる行為は何がしかのハラスメント、という扱いになってしまう

    ・彼らの前にはクレイジーキャッツという、これまたぶっとんだグループが活躍して日本中を笑いで沸かせていたが、ドリフの笑いはその進化系だ

    ・見てはいけない、と言われるほど、見たくなるのが、子どもたちの、いや、人間の心理である
     「開かずの扉は、開けるためにある」

    ・昭和の時代は、そもそもアイドルは単独勝負だった
     たったひとりで大勢の人を圧倒する力を容姿・仕草・歌で発揮させなければならないのである
     自分の力次第で所属する事務所の景気が左右される
     10代半ばで皆そんな責任感を背負って立たせていたのだ

     昭和はアイドルもヒーローもたったひとりで、大きなステージに立つスタイルが民衆の気持ちを揺さぶる時代だった

    ・そうだ、大人になったら兼高かおるになろう
     小学生の私はテレビの前でひとり宣言をし、兼高さんという女性に憧れを抱き続けた

    ・人生の不条理に襲われ途方に暮れていたに違いないが、頑固で弱みを見せるのが嫌いな母は当時を顧みて語ったことがない

    ・本当に結婚したいと思う人があらわれるまでは、結婚しなくていい
     結婚すれば何かが解決するとか、幸せになるとか、経済的にも困らないとか、そんな風に考えていたら大間違いだからね

    ・周りの友だちは、「お嫁さんになりたい」という子がたくさんいた時代なのに、母は結婚に対して夢も希望も持つなと頑なに私たちに教示した

    ・島国に生きる日本人に、大陸で暮らす人々とはまた違ったメンタリティが育まれるのは自然の摂理だと思っているし、国はやたらとグローバリズムを掲げるが、文化や民族の混沌になれてない日本人にとっては簡単なことではないはずだ

    ・昭和の大きな特徴は、きっとそこにある
     私が子供だった頃の日本人は世の中には思い通りにならないこと、見たことも聞いたこともないこと、とんでもない不条理なことが、てんこ盛りにあるのだということを身をもってわかっていた

    ・昭和の人間は不条理を避けようとはせず、むしろ積極的い向き合っていた
     人間の社会は様々な生きづらさで満ちており、そう簡単に幸せをつかむことはできないことを子供たちも認識していた

    ・結局どこの時代に行っても人々は、「あの時代はよかった」と思いを馳せてしまう性格だということだ
     私も昭和については喜んで思い出すけれど、別にあの時代に戻りたいなどとは思わない

    目次
    1 おやつに問われる想像力―ジャンクな菓子に胸が躍った時代
    2 昭和的「自分の演出」―手作りで着たいものを作った昭和
    3 懐かしい風景―昭和の下町商店街には人情があった
    4 家に魅せられて―昭和は家に気兼ねなく人が集まった
    5「おおらか」がいい―昭和は道端にエロ本が落ちていた
    6 CMの創造性―昭和のCMには遊びや知的教養があった
    7 昭和のオカルトブーム―童心大人から勇気をもらった
    8 憧れた大人のかたち―前に進んだ昭和一桁世代の女性
    9 私とエンタメの世界―昭和の点が線につながっていく
    10 大気圏の中で生きる―貧しくても裕福でも、生き方は人それぞれ
    11 地球人類みな兄弟―昭和は多様性社会だった
    12 昭和流のいじめ―いじめっこのバックグランドが見えた時代
    13 24時間、働けますか―昭和の仕事人
    14 孤独を自力で支える家族―離れていてもつながっている共同体
    15 幸せは待っているだけでは訪れない―人生100年時代の老後、終活
    16 不条理と向き合う生き方―孤独を味方にしていた昭和漫画の主人公たち
    昭和というサバンナ ―あとがきにかえて
    ヤマザキマリ年表

    ISBN:9784098253883
    出版社:小学館
    判型:新書
    ページ数:256ページ
    定価:840円(本体)
    2020年12月01日初版第1刷

  • ヤマザキマリさんのエッセイを9年間ぐらい読んでいるものですから
    何度か聞いた話もたくさんあるのですが
    登場人物に大きな変化が。

    たとえばマリさんのお母様が、あんなにはじけていたのに
    入院されて穏やかに暮らされているとか
    お義父さまがアスペルガーと最近わかったとか
    義妹さんにお子さんができてお義母さまがそちらに向いて
    息子(マリさんの夫)から離れたら
    彼のほうが精神不安定になったとか。

    世の中はどんどん変わっているんだなあと
    昭和と比べなくても
    マリさんのご家族の近況で実感しました。

  • 昭和を振り返りながら世の中を見つめるエッセイ。
    お母さま含め、常識にとらわれない破天荒とも言える生き方が、私からすると興味深く面白い。

    いじめの章にあった
    「宗教的拘束のない日本では「倫理」は世間体であり、その戒律は厳しい。聖書のような文字として記載されているものでもないし、しかもその概念は時代によって流動する。要するに空気をしっかり読んでいないと、うっかり戒律に反してしまいかねない。人々は日々、この世間体という透明な法に従って、周囲に違和感を与えないように生きていかねばならないわけだ」
    という文章にはとてもハッとした。日本社会の生き辛さの原因はこれだ!と。こうも端的に文章にされたものに初めて出会ったし、納得感がすごい。

  • 作者の生き方は多様性に満ちていると思った。自分のことをよく知っていて、その時自分にできることに全力で立ち向かっている感じがした。「テルマエ·ロマエ」は映画で観た。古代ローマ人が日本の銭湯に現れるという奇想天外な物語の発想力は、作者の多様性を受け入れる生き方そのものにあるような気がする。すごい人だなと思った。

  • コロナ禍でイタリアへ戻れなくなっているヤマザキマリさんの最新エッセイ。本作は昭和の時代に焦点が当てられている。ヤマザキさんの本はいくつか読んだが、同じ話題でも本ごとに切り口が異なり、面白く読める(もちろん本書には全く新しい話も書かれている)。

    自身の実体験から培った、自分で考える力、ぶれない行動力、地球規模の視点から物事を見る力などは、本当に尊敬するし、特に先行き不透明な今を生きるのに役立つものだと思う。最近はテレビや雑誌・新聞記事でも多く見かけ、ますます活躍の場を広げるヤマザキさんを今後とも注目していきたい。

  • 現代の世の中で
    ヤマザキマリさんが 読まれていることは
    とても 尊いことである
    自分の目で見て
    自分の耳で聞いて
    自分の足で歩いて行って
    自分の頭で考えて
    自分の言葉で話す
    当たり前のようで
    なかなか 難しい
    それを 実践していらっしゃる
    ヤマザキマリさんが 素晴らしい

  • 2020年までのヤマザキマリさんの半生を知ることができました。
    家族のこと、幼少期を過ごした昭和の思い出、世界中さまざまな国での経験や出会い…
    興味深いエピソードのオンパレードで、最後までずっと面白かったです。心に残る言葉もたくさんありました。
    ヤマザキマリさんの魅力にすっかりハマってしまい、この本以外の著書も読みたいです。

  • 著者の人となりを理解することができた。ご両親の歴史が興味深かった。

  • 凄い経験の人生。うらやましいけど、真似は出来ない。

  •  日テレ、火曜、夜、「オモウマい店」を楽しく見てますが、この番組の「ミソ」は人情だと思っています。昭和の商店街にあった人情。その懐かしさを誇張した形で再現した番組ではないかと。ヤマザキマリ「多様性を楽しむ生き方」、昭和に学ぶ明日を生きるヒント、2020.12発行。①昭和は家に気兼ねなく人が集まった ②昭和は道端にエロ本が落ちていた ③昭和のCMには遊びや知的教養があった ④前に進んだ昭和一桁世代の女性(兼高かおる など) ⑤老後は好きな動物(猫、ロバ、カラス)と暮らしたい。

  • S図書館
    昭和を切り口にした自伝

    目次
    おやつに問われる想像力
    昭和的自分の演出
    懐かしい風景
    家に魅せられて
    おおらかがいい
    CM の創造性
    昭和のオカルトブーム
    憧れた大人のかたち
    私とエンタメの世界
    大気圏の中で生きる
    地球人類みな兄弟
    昭和流のいじめ
    24時間働けますか
    孤独を自力で支える家族
    幸せは待っているだけでは訪れない
    不条理と向き合う行き方

    《感想》
    「国境のない生き方」より深堀していてすごい記憶力だ
    トムとジェリーが好きで、BGMで映像シーンがわかるというマリさんとデルス君

  • 明治のストロベリーチョコレートって、どんな味だっけ?と買ってきて食べてみた。あぁ、形はちがうけど、アポロの味だと納得する。俺はヤマザキ氏よりほんの少し年下だけど、ほぼ同世代。トムとジェリーや川口浩探検隊、8時だよ全員集合など、けっこう同時代的に楽しんだと思う。80年代とか昭和の空気を感じた。今現在の、親の老いの問題まで、あれこれ共感したり、考えさせられるところがあった。読んで、クスっと笑いながら、元気になれる本だった。現在進行形で、人生を感じるところまで寝。

  • ヤマザキマリさんのお話を聞くと、まだまだ自分は頑張れる、と勇気をもらえます。
    この本で紹介されていた息子のデルス君の言葉、「差別はどこにでもある」という言葉にズッシリと重みを感じました。

  • 結構濃かった 面白かった

  • P208-212:家族がいれば問題はセットでついてくる
    家族、孤独との向き合い方が参考になった。自分もこうした問題を抱えた時に、また読み返したい。

  • 同じ歳、同じ牡羊座のヤマザキマリさんの話は、自分の歴史と重なり、面白かった。
    同じ兼高かおるを憧れの人とするところに共鳴。
    「若いうちに人間社会の不条理と向き合ったことが、その後のイタリア生活でも大いに役立った」
    に、激しく同意。

  • 読書記録です。まだの人は読まないでね。

    副題が『「昭和」に学ぶ明日を生きるヒント』となっていて、ほぼほぼ同級生な私にとって懐かしすぎる時代背景がクリーンヒット!なので星5つです。読んでいるうちに、すっかり忘れてしまっていた昭和の風景が目の前に広がってきましたね~
    『兼高かおる世界の旅』は本当に大好きな番組でした。「そーなんですの。おほほほほ…」と上品に笑うナレーションの女性がこんな未開の地にも行けるなんて、とわくわくして見てました。横浜人形の家にTDLの日程を1日繰り上げて行くぐらい幼少期の憧れでしたが、その憧れの人との対談が実現して、病床で「ヤマザキさんには会いたい」と言っていただけたのは最高の賛辞だと思います。

  • 多様性を受け入れる。

  • ものすごい日本という国と日本人という性質を俯瞰的に観察しているなと思った。
    本の内容も世の中を俯瞰的に観察しているからこそ思うことができることが書いてあって面白かった。
    外国で暮らすことで日本を客観的に見れるようになることが改めて分かった。

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著者プロフィール

ヤマザキ マリ:1967年東京都生まれ。84年渡伊、国立フィレンツェ・アカデミア美術学院で油絵と美術史を専攻。2010年『テルマエ・ロマエ』で手塚治虫文化賞短編賞を受賞。16年芸術選奨受賞。17年イタリア星勲章コメンダトーレ綬章。24年『プリニウス』(とり・みきとの共作)で手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。

「2024年 『水木しげる厳選集 異』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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